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- Akiko Isono
編集者兼ライター。家庭菜園・ガーデニング専門誌の編集に8年間携わり、現在は雑誌やムック、WEBを中心に、植物、農業、環境、食などをテーマとした記事を執筆。好きな野菜はケールとにんじん。…続きを読む
1. 落花生の栄養素
落花生は、ほかの豆類に比べて脂質の割合が高いのが特徴で、これが、特有のまろやかなおいしさの元になっています。含有量は生の豆では100g当たり24.2g、乾燥させた豆では47.5g。落花生に含まれる脂質の中には、コレステロールを下げて動脈硬化を予防する働きのあるリノール酸やオレイン酸などが多く含まれています。このほか、落花生には、たんぱく質や、ビタミンEやナイアシンなどのビタミン類、カリウムやマグネシウムなどのミネラル類など、体に欠かせない栄養素がたくさん含まれています。たんぱく質やナイアシンには、アルコールの分解をスムーズにして二日酔いを防止する働きがあるため、落花生をお酒のおつまみに食べるのは、体のためにも合理的だと言えるでしょう。
2.気になるカロリーは?
落花生のカロリーは、生の豆で100g当たり295kcal、乾燥させた豆では562kcalと、やはり少々高め。食べ過ぎには注意したほうがよさそうです。ただし、上の項目でも紹介した通り、落花生に含まれる脂質の中には、リノール酸やオレイン酸など、体によい働きをする成分も多く含まれていて、一度に食べ過ぎなければ健康作りに役立ちます。目安としては、1日20粒程度が適量だと言われています。
3. 落花生の旬はいつ?
落花生の種まきは、気温の上がる5〜6月ごろ。株が生長すると花が咲き、その付け根から子房柄(しぼうへい)というつるのようなものが伸びて地中にもぐり、先端にさやをつけます。このちょっと特殊な生長の仕方が、「落花生」の名前の由来。さやの中の豆は養分をじっくりとたくわえながら大きくなり、9〜10月ごろに収穫されます。日もちがしないため、生の落花生が手に入るのは産地に近い限られた地域で、多くは収穫後に1〜2週間かけて乾燥させたものが出荷されます。出荷された落花生は主に焙煎などの加工を経て、私たちの手元へと届きます。店頭では一年中売られていますが、その年に収穫された国産の新豆を味わうなら、秋から冬にかけての旬を逃さないように入手しましょう。
4. いろいろな食べ方
落花生は、殻から豆を取り出してそのまま食べるのが最も手軽ですが、少し手をかけると、食べ方のバリエーションが広がります。殻から取り出した豆をフライパンで軽く炒ると、香ばしさが増しておすすめ。溶かしたバターを絡めながら炒め、お好みで塩を振れば、自家製バターピーナッツも作れます。生の豆が手に入ったら、ぜひゆで落花生に挑戦してみましょう。ホクホクの食感と甘みがあとを引き、おやつにもおつまみにもぴったりです。こちらは後半で詳しい作り方をご紹介します。
落花生を使ったご当地料理もあります。国内最大の産地である千葉県では、甘辛の味噌をからめた「味噌ピー」が人気。古くから落花生が育てられてきた沖縄県では、すりつぶしてなめらかにした落花生をさつまいものデンプンでかためた、「ジーマーミ豆腐(ジーマミー豆腐)」が食卓によく上ります。
このほか、アメリカをはじめ世界中で食べられている「ピーナッツバター」、生落花生をおしるこのように甘く煮た台湾のデザート「花生湯(ファーシェンタン)」、落花生ペーストとトマトをベースにした西アフリカのシチュー「マフェ」など、おやつやおかず、調味料などとして、落花生は世界中で利用されています。
5. ゆで落花生(ゆでピーナッツ)の作り方
掘りたての生落花生が手に入ったら、ぜひ作りたいのがゆで落花生。甘みを逃さないためには鮮度が大切なので、入手したらできるだけ早めに作ることをおすすめします。かたい殻ごとゆでるので、時間をかけて中までしっかり火を通すのがポイント。あまり日もちがしないので、完成したら冷蔵庫に入れて翌日までに食べきるか、保存する場合は冷凍するとよいでしょう。作り方
1. 水洗い
落花生は殻についた泥をよくこすり落としながら水洗いします。2. お湯を沸かす
鍋にたっぷりのお湯を沸かし、3%程度(水1Lに対して約30g)の塩を加えます。3. ゆでる
沸騰したら落花生を入れ、小粒のものは30〜40分間、大粒のものは40〜50分間を目安にゆでます。ときどき上下をかき混ぜるか、落としぶたをしてまんべんなく火を通しましょう。4. ゆで加減をチェック
30分をすぎたら、ときどきさやを取り出して固さをチェックします。ちょうどいいゆで加減になるまで加熱し、火を止めます。5. 冷ます
ゆで汁に浸けたまま15分間ほど置き、中まで塩味をしみ込ませます。ざるにあげ、水けをきって完成です。圧力鍋での作り方
泥を洗い落とした落花生を圧力鍋に入れて、浸かるくらいの水を注ぎます。鍋の深さの2/3程度を目安にして、入れ過ぎないように注意しましょう。水の量の3%程度の塩を加え、全体をかき混ぜてからふたをし、火にかけます。沸騰するまでは強火にし、圧力がかかったら弱火にして、さらに5分ほど加熱して火を止めます。そのまま10分ほどおいてからふたをあけ、ゆで加減を確認してOKならざるに上げます。ゆで落花生の応用レシピ
じゃこあえ
ちりめんじゃこをカリカリに炒って、ゆで落花生と軽く和えるだけ。カリカリ食感とじゃこの塩気が加わわると、落花生の風味が引き立ち、おつまみに最高です。混ぜご飯
薄皮をむいたゆで落花生を炊きたてのご飯に加えて、しゃもじでざっくりと混ぜます。冷めてもおいしいので、おにぎりにするのもおすすめ。昆布の佃煮やふりかけなど、好みの具材をプラスしてもOKです。6. 煎り落花生(ローストピーナッツ)の作り方
乾燥させた落花生を自分で焙煎する方法です。煎りたては香ばしく、カリカリの歯ごたえと豆の甘みが格別!フライパンやホットプレート、オーブンなどで作れるので、やりやすい方法で始めましょう。火が強いとすぐに焦げてしまうので、弱火でゆっくりと時間をかけて煎るのがポイントです。「おおまさり」などの大粒品種は、煎り時間も長めになります。フライパン・ホットプレートでの作り方
1. 殻をむく
落花生は振るとカラカラと音がするくらいまで、よく乾燥させたものを使います。殻を割って、豆を1粒ずつ取り出します。2. 煎る
フライパンを弱火にかけ、温まったら豆を入れて、焦げ付かないようにへらなどで返しながら20〜30分かけて煎ります。ホットプレートの場合は、温度を低温(180度程度)に設定し、同様に煎ります。薄皮の色が濃い茶色になり、香りが立ち上ってきたら出来上がり。わかりにくいときは、食べてみて火の通り具合を確認しましょう。オーブンでの作り方
殻から取り出した落花生を重ならないように天板に広げ、オーブンに入れて160度で20〜30分間を目安に加熱します。焦げないように途中で1〜2回全体をかき混ぜ、様子を見て加熱時間を調節しましょう。薄皮が色づいたら完成です。煎り落花生の応用レシピ
ハニーローストピーナッツ
食べ始めると止まらない、人気のおやつを手作りしてみましょう。フライパンにはちみつ40gを入れて弱火にかけ、ふつふつしてきたら薄皮をむいた煎り落花生を加えます。焦げないようにへらなどで混ぜ続け、水分が飛んではちみつがよくからんだら火を止めます。塩ひとつまみをふって混ぜ、クッキングシートに広げて表面がかたまるまで冷まします。ピーナッツ味噌
甘辛味で、ご飯にのせても、おやつとして食べてもおいしいピーナッツ味噌は、千葉県では郷土料理として親しまれています。調味料(落花生150gに対して味噌80g、砂糖またははちみつ50g、酒30mlが目安)をフライパンに入れて弱めの中火にかけ、よく混ぜ合わせます。砂糖が溶けたら煎り落花生を加え、調味料を絡めるようにゆっくりと混ぜ、全体がなじんだら完成です。7. ピーナッツバターの作り方
ピーナッツバターは、日本では甘くクリーミーなタイプがよく食べられていますが、アメリカなどでは無糖で少し粒の残るタイプが主流。無糖のピーナッツバターはパンに塗るだけでなく、調味料として野菜や肉のソースなどにも使えるので、両方作っておくと、使い分けできて便利です。上の項目で紹介した煎り落花生や、市販の焙煎済みの落花生のどちらでも作ることができますが、作る直前に軽く煎り直しておくと、なめらかに仕上がります。作り方
1. 落花生を煎る
落花生の殻と薄皮をむき、フライパンに入れて弱火にかけます。焦げないようにへらなどで混ぜながら10〜15分加熱し、香りが立ち上ってきたら火を止めます。2. フードプロセッサーにかける
フードプロセッサーまたはミキサーに1を入れ、ペースト状になるまで混ぜます。落花生に含まれる脂肪分でなめらかなペーストになりますが、落花生の状態によって仕上がりがボソボソするようなら、バターなどの食用油を少しずつ加えて調節します。専用のピーナッツバターメーカーも市販されているので、一度にたくさん作るなら、こちらもおすすめです。
3. 完成
甘みを加える場合は、グラニュー糖やはちみつ、塩少々を入れてさらに混ぜます。完成したら清潔な瓶や保存容器に入れて、冷蔵庫で保存しましょう。ピーナッツバターの応用レシピ
ピーナッツバタートースト
トーストした食パンにピーナッツバターを塗る食べ方が一般的ですが、じつは塗ってからトーストするのもおすすめ。薄く塗り広げて、トースターで焦げない程度に焼くと、熱々でピーナッツの香りが広がり、くせになるおいしさです。ピーナッツバター和え
無糖のピーナッツバターは、ゆで野菜などの和えごろもにするのもおすすめ。ごま和えや白和えと同じ要領で、ピーナッツバターに砂糖、しょうゆで味付けし、ゆでた野菜を和えます。ほうれんそうやインゲンなどの、緑黄色野菜がよく合います。8.新鮮な落花生を手に入れるなら?
栄養豊富で、そのまま食べてもおいしく、和・洋・中・エスニックとレシピのバリエーションも広い落花生。知れば知るほど魅力的ですよね。国産の新豆が出回る期間は短いので、ぜひ旬の時期を逃さないようにしてください。確実に手に入れたい方は、自分で栽培してみるのもおすすめです。落花生は畑やプランターで意外と簡単に育てられて、家庭菜園愛好家の間でも人気の野菜。とれたてを使ったゆで落花生のおいしさは格別で、さらに、品種を選んで食べ比べたりする楽しみもあります。品種や栽培については、こちらの記事も参考にしてください!