目次
落花生の品種や苗作りについては、こちらの記事を参照してください。
落花生の栄養やおいしい食べ方については、こちらの記事を参照してください。
家庭菜園歴40年!福田俊先生にお話をうかがいました
関連サイト
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著書
『市民農園1区画で年間50品目の野菜を育てる本』(学研プラス)
『フクダ流家庭菜園術』(誠文堂新光社)
『福田さんのラクラク大収穫!野菜づくり』(学研パブリッシング)
ラッカセイ(落花生)の育て方のポイント
- 土づくりが最も大切で、水はけの良い、肥沃なふかふかの土にする
- 発芽に高い気温を必要とするので、種まきは十分に気温が上がった5月上旬に
- 落花生の根には根粒菌が付き、空気中からチッソを取り込んでくれるため、肥料はやりすぎなくて良い
- 花が咲いたら中耕と追肥をして、しっかり土寄せすることで収穫量アップ!
- 収穫時期が早すぎると豆が十分太っておらず、遅すぎると虫に食われるので、収穫適期を逃さない
ラッカセイ(落花生)の栽培時期
栽培カレンダー
種まき(育苗):5月上旬〜6月上旬植え付け:5月中旬~6月中旬
収穫:9月中旬~11月上旬
栽培適温
15〜25℃ラッカセイ(落花生)の栽培方法
Step1. 土づくり
畑植えの場合、種をまく場所の酸度を測り、PH6.0~6.5になるように必要に応じて石灰をまきます。1週間以上置いてから、堆肥を1平方メートル当たり約2kg、化成肥料を約100gまいてよく耕し、幅70cmの畝を立てます。地温が低い場合は、保温のためマルチを張るとよいでしょう。プランターの場合、深さ30cm以上のプランターを用意して、底に鉢底ネットを敷いて、底面が見えなくなるくらいに鉢底石を入れます。その上に野菜用培養土を縁から3~4cm下まで入れて表面を平らにして、ジョウロで水をかけて土を湿らせます。
必要な栽培スペースと植え付け方
・畝の高さ/10cm
・株間/30cm(プランターの場合は20cm)
・種まき穴/直径5cm、深さ3cm
※1つの種まき穴に3粒ずつ種をまきます。
Step2. 種まき(育苗)
苗を植える場合は、本葉2~3枚の苗で定植します。苗のポットと同じ大きさの穴を30cm間隔で掘って植えつけた後、水やりをします。
プランターの場合、直径5cm深さ3cmのまき穴をあけ3粒まき、土をかぶせて軽く押さえ、もう一度水やりします。2株以上育てる場合は、20cm程度間隔を空けるとよいでしょう。
Step3. 鳥よけ
人の目が届きにくい畑では、まいた種を鳥に食べられてしまうことがあります。種まき後心配なときは、畝の上に鳥よけネットや防虫ネットをトンネル状に張るか、畝に不織布をかぶせて被害を防ぎます。ネットや不織布は、発芽したら取り外して構いません。プランターの場合も、鳥の被害が心配な場合はネットをかけておきましょう。
Step4. 追肥
Step5. 中耕・土寄せ
追肥と同じタイミングで、周囲の土を軽く削って土をやわらかくほぐします。中耕することで除草ができ、根から水分や養分が吸収しやすくなります。その際、落花生の根を傷めないように気を付けましょう。その後、土寄せを行います。クワなどで株元にたっぷりと土を寄せることで、子房柄が土に潜りこみやすくなるので、たくさん実を収穫をするためにも忘れずに行ってください。
2~3週間後、たくさんの子房柄が土にもぐり始めたら、もう一度軽く土寄せをします。
Step6. 収穫
葉が落ち始めるころになると、引き抜いたときに子房柄が切れて土の中にさやが残りやすくなるので、収穫のタイミングには気を付けます。もし収穫する時、子房柄が切れてさやが残ってしまった場合は、大きめのスコップを株の横から突きさして堀り上げるように根をうかせてから、収穫するとよいでしょう。
ゆで落花生は早めに調理するのがおすすめですが、すぐに食べない場合は、株を逆さにして雨の当たらない場所に並べ、さやの中の豆がカラカラ音を立てるまで天日で乾かします。
ラッカセイ(落花生)の収穫量を増やすコツ
福田俊さん
ちなみに私が作るボカシ肥料は、主原料が米ぬか、カニ殻骨粉入り油かす、魚粉。それに粉末黒砂糖を少々加え、さらにヨモギから抽出した天恵緑汁を少々加えます。それを春から夏なら2週間嫌気性発酵させてから使っています。長期保存するときには、水分を飛ばしてサラサラに乾燥させると何年でも持ちます。土に入れると乾燥で休眠していた微生物が活動し始め、2〜3日で白いカビが出てきますよ。
ラッカセイ(落花生)栽培で注意すべき病害虫
ラッカセイがかかりやすい主な病気
水はけの悪い畑で根が傷んで生育が衰えると、葉に褐色の斑点が出る褐斑(かっぱん)病が出ることがあります。症状が進むと葉が枯れあがり、株を弱らせてしまいます。多発すると治療が難しい病気であるため、予防と早期発見が大切です。また土壌から感染するカビの病気、白絹(しらきぬ)病にかかると、白い菌糸が地際部に見られ、やがて根や茎葉がしおれて株全体が枯れていきます。畝を高めにするなど土壌の水はけを良くし、PHを調整するなどして対策しましょう。ラッカセイの主な害虫
土の中のさやにコガネムシの幼虫がつき、さやを食害することがあります。対策としては水はけの良い土壌で育てること、未熟な堆肥ではなく完熟堆肥を使用することがポイントです。若葉にはアブラムシがつくので、銀色のテープを張るとアブラムシがつきにくくなりおすすめ。マメヒメサヤムシガというハマキムシの仲間は、葉やサヤの中の実を食害することがあります。つづり込まれた葉を発見したら、指で葉ごと押しつぶして退治しましょう。福田先生おすすめ!ラッカセイ(落花生)品種5選|おおまさり・Qナッツなど
おおまさり
なんといっても特大粒が魅力です。塩ゆでして食べるはもちろんのこと、煎って食べてもおいしいです。甘味の強いほくほくした食感は、掘りたてのゆで落花生の醍醐味。大きなさやで、食味が勝るところから、「おおまさり」と名付けられたようです。Qナッツ
種が手に入らずまだ作っていませんが、食べたことはあります。やや小粒ながらより甘くておいしいことから、Pの次のQで「Qナッツ」と名付けられたそうで、魅力的な品種です。病気に強く栽培しやすい品種で、煎ってもゆでても食味が良いそうなので、種が手に入ればすぐ作ってみたいと思います。千葉半立
最も代表的な栽培品種で、とても風味が良く甘みも強いです。株が大きく広がって育つため、ほかの品種と比べると、株と株の間を大きくとらなければならず、たくさん植えることができません。また成長が遅いので、収穫時期が1カ月ほど遅いですが、味は最高品種といわれています。ナカテユタカ
あっさりとした甘味がおいしい早生種です。5月末から6月の初めに種をまき、開花期の80日後が収穫期の目安とされています。収量も多く、千葉半立と並んで主要な栽培品種です。郷の香(さとのか)
種の皮が薄く、大粒でゆで落花生に向く品種。ナカテユタカを親に品種改良された、わりと新しい落花生です。早生で収穫適期は開花期から70〜75日が目安なので、早く収穫したい人におすすめ。ラッカセイ(落花生)の種の採り方
春になって種をまく直前に、保存していた落花生から種を取り出します。さやのやわらかい方の先端を指ではさんで割り、種の薄皮を傷つけないよう注意しながらさやをむいて、皮付きのまま種を取り出しましょう。
ラッカセイ(落花生)の保存方法
乾燥させていない落花生はあまり日持ちしません。さやごと塩でゆでた落花生なら冷蔵庫で1~2日以内、フライパンで煎った落花生は常温で2週間ほどもちます。どちらも冷凍保存にすれば、より長く味もおいしく保存できるのでおすすめです!
ラッカセイ(落花生)栽培のQ&A
連作障害の対策を教えてください
福田俊さん
土づくりが良ければ、連作障害はあまり気にしなくても大丈夫です。有機物や微生物を豊富に含んだ、ふかふかの土で育てることが、最も大切でしょう。土の水はけが良いこともポイントで、水はけの悪い畑で作る場合は、排水のための溝を掘るなどして、水が早く流れるように工夫すると良いです。
莢が小さいものばかりです。何が悪かったのでしょうか?
福田俊さん
何らかの生育条件が満たされていなかったのだろうと思います。生育中に極度の乾燥にさらされると、莢は大きくなれません。また虫に葉を食害されても、養分が不足して大きくなれません。
莢が小さい原因は栄養不足も考えられます。肥料成分には、チッソ、リン酸、カリのほかに微量要素があります。カルシウム、マグネシウム、イオウ、鉄、マンガン、モリブデン、亜鉛、銅、ホウ素です。そのどれが欠けても養分欠乏になります。有機質肥料ではそれが欠けることはありませんが、化学肥料だけやっている畑では微量要素欠乏が起こります。
落花生に付く根粒菌は窒素を固定するので他の野菜よりは少なめで良いということになりますが、肥料がいらないわけではありません。適切な施肥を行うことで、莢も大きく育つでしょう。
莢が小さい原因は栄養不足も考えられます。肥料成分には、チッソ、リン酸、カリのほかに微量要素があります。カルシウム、マグネシウム、イオウ、鉄、マンガン、モリブデン、亜鉛、銅、ホウ素です。そのどれが欠けても養分欠乏になります。有機質肥料ではそれが欠けることはありませんが、化学肥料だけやっている畑では微量要素欠乏が起こります。
落花生に付く根粒菌は窒素を固定するので他の野菜よりは少なめで良いということになりますが、肥料がいらないわけではありません。適切な施肥を行うことで、莢も大きく育つでしょう。
ラッカセイ栽培に摘芯は必要ですか?
福田俊さん
収穫量にあまり影響を与えないため、落花生は摘芯する必要はありません。黄色い花が咲き始めたら、追肥と中耕を行い、株元にしっかりと土寄せして育てていれば良いでしょう。
ラッカセイ(落花生)を大量収穫して自家製おつまみに
ラッカセイがたくさん収穫できれば、冷凍保存で長い期間楽しむことができます。自分で育てたラッカセイとビールの相性は抜群!また、ラッカセイはご近所のおすそわけにもしやすいのが魅力です。土づくりをしっかり行って、大量収穫を目指してくださいね♪紹介されたアイテム
おおまさり 実生苗
Qナッツ
千葉半立
ナカテユタカ
郷の香