目次
キンモクセイの木の特徴&鑑賞や剪定などの手入れの時期
キンモクセイは、冬に葉が一斉に落ちない常緑性の木。氷点下8℃までなら防寒対策をしなくても冬越しができるのもあり、日本では青森県から鹿児島県あたりまでの広い地域で、庭木や街路樹として親しまれています。基本情報
英名/学名 | Orange fragrant tea olive、Orange supreme/Osmanthus fragrans var. aurantiacus |
別名 | タンケイ |
科名 | モクセイ科 |
属名 | モクセイ属 |
特性・形態 | 常緑性高木 |
樹高 | 4〜18m |
原産地 | ヒマラヤ〜中国 |
USDA zone | 8b〜11a |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 普通 |
耐陰性 | あり |
USDA zone とは
United States Department of Agriculture Plant Hardiness Zone(米国農務省 植物の耐寒性地帯)の略。米国農務省が開発した、寒さの段階を13のレベルに分け、植物の耐寒性レベルを数値とマップで明瞭化した指標です。造園やガーデニングをするうえで、植物がどの地域で、どれくらいの寒さまで耐えられのかを確認するために使います。日本では気象庁の観測データを元に、都道府県市町村ごとにレベル分けされています。※指標は、植物を屋外で育てたときの目安。
参考:Japan Plant Hardiness Zone
キンモクセイの鑑賞や剪定などの手入れの時期
- 鑑賞期:9月下旬〜10月中旬(花)
- 結実期:11〜4月
- 植え付け、植え替え:3〜4月
- 肥料:寒肥/2月下旬〜3月
- 剪定:10月下旬〜3月上旬
キンモクセイの花・実・葉の鑑賞時期
キンモクセイは、3〜6月にかけて新しい葉と古い葉入れ替わり、9月下旬〜10月中旬ごろにオレンジ色の花を咲かせます。雌株は11月に黄緑の実を付け、3〜4月ごろに青紫色に熟します。キンモクセイの剪定・施肥など、手入れの時期
キンモクセイの剪定は、年に1回のペースで行いましょう。生育が旺盛なため追肥は必要ありませんが、生長が鈍いときは2月下旬〜3月に寒肥を与えます。植え付けや植え替えは、3〜4月にします。キンモクセイの生長スピード・樹高・苗木の販売価格
鉢植えやポットから地面に移植したキンモクセイは、根付くと生長スピードが早まり、大きくなると10mを超える高木になることも。定期的な剪定をすれば、狭いスペースでも安心して育てられます。価格は苗の大きさによって違いますが、樹高が40cmほどで1,200円程度から販売されていることが多いようです。おすすめのキンモクセイの苗木
秋を告げる優雅な香りが魅力!キンモクセイの花の特徴と花言葉
キンモクセイは新しく伸びた枝の葉の付け根から、オレンジ色の無数の小さな花が密集して咲き、上品な甘さのある香りを放ちます。7〜10日ほど経つと花はしおれてしまいますが、条件が良ければ2〜3週間後に二度咲きすることも。キンモクセイの花は、三大香木(さんだいこうぼく)の1つに数えられ、香水やハンドクリームなどの原料に使われています。三大香木とは
香りが良く、古くから日本で親しまれているジンチョウゲ(沈丁花)、クチナシ(梔子)、キンモクセイ(金木犀)の3つ花木を「三大香木」と呼びます。
キンモクセイの花言葉
キンモクセイの花言葉は、「真実」「謙虚」「謙遜」「誘惑」「陶酔」「気高い人」」です。キンモクセイの実と葉の特徴
キンモクセイの実|日本では滅多に見られない!
雄花と雌花がそれぞれ別の株に付く、雌雄異株(しゆういしゅ)のキンモクセイ。英語で「Oliev(オリーブ)」の名前が付いているように、11〜4月にかけて雌株のみが、オリーブに似た青紫色の楕円形(だえんけい)の実を付けます。ただし、日本では主に、花付きの良い雄株が観賞目的として中国から多く渡来したため、雌株が少なく、実が見られるのはとても珍しいようです。キンモクセイの葉|光沢のある鮮やかな濃緑
キンモクセイは4〜6月ごろにかけて、枝節から互い違いに光沢ある革質な濃緑の葉を展開し、古い葉が落ちます。たくさんの葉が、丸くこんもりとなるように密集して生えるので、目隠し用の庭木や生垣として好まれています。シンボルツリーや生垣におすすめ!キンモクセイの3つの魅力
日陰に強く、肥料成分の少ない荒れた土地でも育つといわれるキンモクセイ。枯れる心配が少ない庭木なので、初心者でも問題なく育てられるのも魅力の1つです!キンモクセイの魅力1|秋にオレンジの花が満開になるシンボルツリーに
キンモクセイは、幹ががっしりと太くなり背も高くなるので、迫力のあるシンボルツリーになります。花が満開を迎える秋は、特に印象的!枝葉の数を剪定で整えると花付きが良くなり、香りも楽しめるより美しいシンボルツリーになります。キンモクセイの魅力2|刈り込みがしやすい!生垣や目隠し用の庭木に
生命力がとても強いキンモクセイは、枝葉のどこを切っても新しく伸び、大きな葉が細かく密集して生長するので、刈り込みのしやすい生垣になります。1〜3本程度の苗木から育てても、外から中が見えにくいしっかりした目隠し用の庭木がつくれます。キンモクセイの魅力3|水やりや肥料などの手間が少ない
キンモクセイは、庭に植えた場所にすぐに根づき、土の中の水分や養分だけでしっかりと生長します。定期的な水やりや肥料も必要としないので、管理が楽です!建物の近くには植えてはいけない!キンモクセイの植え付け場所や育て方のコツ
植え付けや植え替えにも強く、枯れる心配が少ないキンモクセイ。しかし、植え付け場所や方法を間違えると、花が咲かなかったり、剪定が大変になってしまうこともあるので注意しましょう。Point1. 日当たりと風通しが良い場所で育てる
日陰に強いキンモクセイですが、日当たりと風通しが良い場所で育てると、花付きや葉の色味が良くなります。1年を通して、陽の光がたっぷり当たるような、暖かい場所に植え付けましょう。Point2. 直径3〜5m程度のスペースを確保して植え付ける
枝葉が横に広がるキンモクセイは、生長を予想して、家から1.5m以上離れた場所で、最低でも直径3〜5m程度のスペースを確保してから植え付けましょう。家と近過ぎたり、スペースが狭過ぎると、キンモクセイの枝葉が建物や周辺の庭木にぶつかって樹形が乱れたり、周りの建造物を傷つけたりする可能性も。Point3. 排水性・通気性・保水性のある土に植える
キンモクセイは土が硬いと根腐れが起こり、枯れてしまうこともあります。苗木を植え付ける前に、掘り起こした土に黒土、腐葉土、赤玉土を混ぜて、排水性・通気性・保水性を良くしておきましょう。Point4. 支柱を立てて苗木をしっかりと固定
地面に浅く根を張るキンモクセイは、強風によって倒木する場合もあります。植え付けた後は足で根鉢を踏み固めてから、支柱を立ててしっかりと固定ましょう!キンモクセイの剪定は年に1回のペースで
地面に植え付けたキンモクセイは生長スピードが早いので、放置すると見た目が悪くなるだけでなく、大きくなり過ぎてしまうことも。年に1回のペースか、背丈が高くなり過ぎたときや、枝葉が混み合ったりしたときにも剪定や刈り込みをしましょう。キンモクセイの最適な剪定時期|10月下旬〜3月上旬
キンモクセイの剪定は、花が咲き終わった10月下旬〜3月上旬ごろまにしましょう。3月中旬を過ぎると花芽を切り落としてしまい、花が咲かなくなります。キンモクセイの剪定のコツ
キンモクセイは、基本的に長く伸び過ぎた枝葉や、不要な枝を付け根から切り落として、数を間引くような透かし剪定で全体の樹形を整えます。1. 高さをおさえたいときは、木の中心にある太い幹を好み高さの位置にある節目近くで、切り戻し剪定をする(芯止め)
2. 木の上部から下部に向かって、株の内側の不要な枝を間引くように透かし剪定をする
3. 木の横幅や高さのラインを決めて、枝葉の数を減らしながら理想の樹形に整える
キンモクセイの刈り込み剪定のコツ
キンモクセイを、刈り込みばさみやヘッジトリマーを使って刈り込む場合は、樹形の下部から上部に向かって剪定します。角が丸くなるように刈り込みすることがポイントです。1. 下部を丸く刈り込む
2. 側面を下から上に向かって、円柱型になるように刈り込む
3. 上部をドーム状に刈り込む