目次
「農の学校」とそのほかの農業を学べる学校については、こちらの記事でも紹介しています。
有機農業を学び地域に貢献することを目指して
教えてくれたのは
株式会社マイファームの前田悟志さん。農の学校では、主にほ場実習のサポートをしています。実習の準備をしたり、困っている受講生の手助けをしたりして、受講生の一番近くで農の学校を支える存在です。前田悟志さんプロフィール
神戸市出身。大学卒業後、JA丹波ささやまに入組。2020年に株式会社マイファームに入社。
創設者・山下一穂氏の「田舎からの国づくり」が根底に
農の学校の創設者は、高知県で土佐自然塾を運営していた故・山下一穂氏です。山下氏は丹波市にある農業法人「耕す」の栽培指導もしていました。その縁で、丹波市が山下氏に助力を求め、農の学校が創設されました。山下一穂氏によって創設されたことが「農の学校」にどのような影響を与えていますか?
農の学校 教育方針
・「自分で考え、自分で決める」自主性を養う場とする。
・畑は「学びの場」であると同時に「実践の場」である。
・失敗してもいいから試してみることを大事にする。
教育方針は自主性を重んじる内容ですね。初めて農業を学ぶ人でも大丈夫ですか?
夏以降は、受講生も作業内容や作業にかかる時間がわかってくるので、1週間交代で回ってくる二人一組の作業段取り班が1週間の作業内容を決めて、1日ごとの工程に落とし込んでいきます。講師の先生とは、週に1度ほ場を回って必要な作業を確認したり、質問をしてアドバイスを受けたりします。社会人を経験している受講生が多いので、仕事の習得は早いそうです。
失敗してもいいから試してみるというのは、どのようなことでしょうか?
どのような作業が自分に適しているのかは、実際にやってみないとわからないこと。また、農業において、実践する機会は1年に何度もあるわけではありません。一つの方法しか知らずに就農してしまうのはリスクが高いので、「農の学校」ではいくつもの方法を学校で試すようにしているのです。試すこと、失敗することが許されているのは、学校ならではといえます。
有機農業の栽培方法を学ぶ
有機JAS認証を取得したほ場で40品目の野菜や水稲を栽培
「農の学校」の実習ほ場は有機JAS認証を取得しており、即した農法で栽培しています。農の学校では、有機農業の栽培方法を学ぶのですね。
有機農業は難しいのではないですか?
栽培品目はどのようなものですか?
農業経営について学ぶ
営農計画や販路について考える
「農の学校」では、栽培方法だけではなく、農業経営などについて学ぶ座学の授業も充実しています。農業に特化した公認会計士の講義があったり、ゼミナール形式で営農計画書を作成し、講師からアドバイスを受けたりすることができます。受講者の関心の高い授業にはどのようなものがありますか?
受講生の学ぶ姿勢をどのように感じていますか?
農業というキーワードで集まった受講生たち
受講生のバックグランドは多種多様
農の学校 受講生の内訳
年齢層/10代2% 20代18% 30代31% 40代29% 50代13% 60代7%
男女比/8:2
入学前居住地/丹波市7% 兵庫県30% 関西圏45% その他18%
受講生は年齢もさまざまですが、社会人経験のある人が多いのですね。
どのような意見交換ですか?
実は前田さん自身も株式会社マイファームが運営するアグリイノベーション大学校の卒業生。農家の出身ですが、農業の話を真剣にできる人たちと出会えたのは、アグリイノベーション大学校に入学してからだったそうです。農業を語り合える仲間を見つけられることも、「農の学校」の大きな魅力の一つでしょう。
受講生からの信頼抜群の先生、充実した講師陣がそろう
優しくて何でも答えてくれる先生
受講生が一番接するのが実習担当の先生。優しくて受講生からの信頼は抜群だと前田さんは言います。講師の先生はどのような方々ですか?
ほかにも、農業に特化した公認会計士や農業経営の専門家など、講義内容に即した充実した講師陣が招かれています。
丹波市からの充実したサポートも!公設民営のメリットとは?
受講料が抑えらえる、農地や雇用先を紹介してもらえる
「農の学校」は公設民営のため、設置者である丹波市と運営者の株式会社マイファームの両者から支援を受けられます。公設民営のメリットにはどのようなものがありますか?
丹波市によるその他の助成
・家賃助成(受講期間中)
市外から丹波市内に移り、新たに住居(戸建てまたは集合住宅)を借りた場合、丹波市が月額上限25,000円として家賃の2分の1(1,000円未満切り捨て)を補助。助成期間は、在学期間と同一(最大12カ月間)。
・家賃助成(就農時)
卒業後、丹波市内に定住し、就農した場合、丹波市が月額上限20,000円として1年間の家賃の3分の1(1,000円未満切り捨て)を補助。助成期間は、定住後、最大12カ月間。
・農業機械・農業施設導入経費助成
就農後、丹波市で認定新規就農者の認定を受けた人には、農業機械・農業施設導入経費について、一部助成制度有り。
卒業後に歩む道|学校ともつながりながら、つまずかないように
卒業後の進路は
「農の学校」の卒業生の進路は独立就農が約5割、雇用就農が約4割で残りが農的暮らしや半農半Xだと言います。また、丹波市内に就農する人は全体の約60%です。入学前から決めていた進路に進む人が多いですか?
雇用就農については、こちらの記事をご覧ください。
卒業生とのつながりはありますか?
就農後に挫折しないように
就農後、つまずかないようにどのような指導をしていますか?
卒業生の販路についてのサポートはありますか?
農業を志す人を全力でサポートする学校
入学希望者が増えている
これまで入学希望者を全員受け入れてきた「農の学校」ですが、入学希望者は増加傾向にあり、2022年の第4期募集から選考を行うようになりました。「農の学校」入学審査基準
1 意欲(新規就農への意欲が高いか)
2 目標意識(明確な目標を持っているか)
3 実現可能性(自己の現状に照らして、目標設定が妥当なものであるか)
4 農業への思い(どのような農業をしていきたいか/地域貢献意欲が高いか)
「農の学校」第4期募集要項
・開講期間/2022年4月~2023年3月(1年間/2学期制)
・開講時間(前年度実績)/【通常】9:00~12:00/13:30~17:30
【夏季】2部交替制
1(1)7:00~10:00/11:00~15:00(2)11:00~15:00/16:00~19:00
2(1)6:00~10:00/11:00~14:00(2)11:00~14:00/15:00~19:00 ※時期により時間帯は異なる。
サマータイム期間: 2022年6月13日(月)~ 9月16日(金)
・カリキュラム(前年度実績)/座学講義 58コマ(183時間)、栽培実習・実践 (1,381時間)、地域のなりわい講座 (60時間)
・費用/受講料:670,000円(『農業技術の教科書』及び学校指定教科書代金含む)、日本農業技術検定2・3級受験料:7,150円、農業簿記検定3級受験料1,650円※以上、価格はすべて税込
・募集期間/2021年7月5日(月)~ 2022年2月15日(火)
農の学校を目指す方にメッセージをお願いします。
「農の学校」現地説明会
2021年11月28日(日)10:30~16:00
2021年12月11日(土)10:30~16:00
2022年1月8日(土)10:30~16:00
2022年1月29日(土)10:30~16:00
2022年2月12日(土)10:30~16:00
オンライン説明会
2021年12月3日(金)19:00~21:00
2021年12月7日(火)19:00~21:00
2021年12月13日(月)19:00~21:00
2021年12月21日(火)19:00~21:00
2021年12月27日(月)19:00~21:00
2022年1月11日(火)19:00~21:00
2022年1月18日(火)19:00~21:00
2022年1月24日(月)19:00~21:00
上記日程でご調整が難しい方は、個別に運営事務局にご相談ください。
現地へのご来校、またはオンラインにてご案内いたします。(日時は応相談)
丹波市と株式会社マイファームがタッグを組み、農業を志す人を育てて全面的に応援する「農の学校」。大人が集う場所ながら、「学校」と呼ぶのにふさわしい温かさがあります。全日制のため、時間や費用は必要ですが、「農の学校」は国が実施する「農業次世代人材投資資金(準備型)」の認定研修機関です。交付要件を満たせば、卒業後の進路として就農を希望する場合、受講期間中に年間最大150万円の給付を受けることができます。
補助金や融資については、こちらの記事をご覧ください。
農業を志すなら、「丹波市立農の学校」への進学を検討してみてはいかがですか?