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園芸家
Shabomaniac!幼少期から40年以上、世界中のサボテンと多肉植物を栽培している園芸家。栽培が難しい種の播種や育成、新種の輸入にも早くから取り組む。実体験に基づく栽培方法や、自身が所有・栽培する植物の写真、自生地巡りの紀行をブログとInstagramで発信。長年の栽培経験に基づく豊富な知識で愛好家たちからの信頼も厚い。 Blog:http://shabomaniac.blog13.fc2.com Instagram:@shabomaniac 著書:『珍奇植物 ビザールプランツと生きる』(日本文芸社)、『多肉植物サボテン語辞典』(主婦の友社)…続きを読む
ユーフォルビアの楽しみ方はこちらでも紹介
塊根ユーフォルビアの特徴
ユーフォルビアは2,000種以上が知られているトウダイグサ科の植物です。世界の熱帯、亜熱帯地域に広く分布しており、そのうち多肉植物に含まれるのは500〜1,000種ほどあります。多くは乾燥した環境に適応するために幹や根を太らせたり、肉厚の葉をつけたりして水を体内に蓄える構造をもち、株の形態によって「柱形」「球形」「低木状」「塊根(イモ)」「タコもの」の5種類に分けられます。塊根ユーフォルビアに分けられる種も姿形や色はさまざまです。芋が肥大する種は深鉢に植えていても収まり切らないことがあり、地上に出して鑑賞することもあります。園芸植物としてはステラータやデシデュアなどが古くから栽培されていますが、最近の多肉ブームで他の種も注目を集めるようになりました。ユーフォルビアはいずれのタイプも茎を傷つけると白い樹脂が分泌されますが、この液は有毒で肌に触れると炎症を起こすので注意が必要です。塊根ユーフォルビアの自生地
主に乾燥地帯の石の多い平原や茂みなどに自生しています。塊根ユーフォルビアの花
種によって異なりますが、黄色や緑、茶色、紫褐色など派手ではなく、サイズも直径3mm〜1cm程度と小さいのであまり目立ちません。一般的に雄花と雌花があり、片方しか咲かせない雌雄異株のものも多くあります。塊根ユーフォルビアの入手方法・価格
種子から繁殖されたものもあれば輸入されたものもあり、比較的入手はしやすい植物です。大半の種がワシントン条約の附属書Ⅱ類、一部は附属書Ⅰ類に指定されており、専門の業者やネットオークションでの購入が中心になります。価格は安いもので数千円です。ワシントン条約
絶滅の恐れがある野生動植物が国境を超えて移動することに制限をかけるもの。もっとも厳重な規制の対象となる種のリストが附属書Ⅰに該当し、原則として商業目的の国際取引が禁止される。附属書Ⅱに記載された種は商業目的の国際取引は可能だが、輸出国の政府が発行する許可書が必要。
塊根ユーフォルビアの基本情報
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分類 | トウダイグサ科ユーフォルビア属 |
原産地 | アフリカ、マダガスカル |
生育型
春秋型、夏型、秋春型栽培適温
全体的に温暖な気候を好みますが、春秋型と秋春型の種が混じっているので一概にはいえません。東アフリカの熱帯地域に自生しているものは暑さに強く、30℃以上ないと元気が出ません。一方で極端な寒さは苦手なので、冬も10℃以上は必要です。南アフリカに自生している秋春型の種は暑さに弱いので、できれば30℃以下で管理します。冬は霜が降りなければ3〜5℃くらいまでは耐えられます。秋春型・冬型
一般的には「冬型」と称される種であっても、真冬にしか動かない純粋な冬型はほとんど存在しないため、ここでは冬を中心に秋から春にかけて生長するという意味で「秋春型」としています。
生長速度
生長速度は遅めです。種類にもよるものの、塊根が見ごたえのあるサイズまで大きくなるには大体10〜15年はかかります。塊根ユーフォルビアの人気種
ここからは塊根ユーフォルビアの人気種を紹介していきます。それぞれの栽培難易度は、星の数(☆~☆☆☆☆☆)で表示していますので、育てる際の参考にしてください。星の数が少ないほど栽培難易度が低くなります。エクロニー(Euphorbia ecklonii)
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栽培難易度 | ☆☆☆☆ |
スクアローサ(Euphorbia squarrosa)
栽培難易度 | ☆☆☆ |
茎節(けいせつ)
「茎」は葉を生じる器官ですが、茎上で葉の付着する部分は「節」と呼びます。このことからサボテンやユーフォルビアの肥大化・多肉化した枝はしばしば「茎節」と呼ばれており、例えばウチワサボテンで多くの人が「葉」だと思っているしゃもじ型の部分は、実は葉ではなく茎節です。
ステラータ(Euphorbia stellata)
栽培難易度 | ☆☆☆ |
クアルチコラ/クアルトズィティコラ(Euphorbia quartzicola)
栽培難易度 | ☆☆☆ |
デカリー(Euphorbia decaryi)
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栽培難易度 | ☆☆☆ |
デシデュア(Euphorbia decidua)
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栽培難易度 | ☆☆☆ |
トゥレアレンシス(Euphorbia tulearensis)
栽培難易度 | ☆☆☆ |
トリカデニア(Euphorbia trichadenia)
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栽培難易度 | ☆☆☆☆ |
トルチラマ(Euphorbia tortirama)
栽培難易度 | ☆☆☆ |
ブルアナ(Euphorbia buruana)
栽培難易度 | ☆☆☆ |
塊根ユーフォルビアの育て方
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水やり
種によって生育サイクルがまったく異なるので、水やりの方法も植物のコンディションをよく観察して調整します。塊根植物は過湿になると根が腐りやすいので、水のやり過ぎには特に注意しましょう。多肉植物の水やりについてはこちらの記事で詳しく解説!
日当たり・置き場所
日当たりのよい場所で管理します。芋を地上に出して植えるときには覆いをして芋に直射日光が当たるのを避け、葉や茎節にのみ日を当てます。トルチラマやスクアローサ、ステラータなどは比較的強い光を好みますが、そのほかの小型種は柔らかい光を好むので適度に遮光した方がよいでしょう。用土・肥料
水はけがよければ土はあまり選びません。肥料は生育期に適量を与えます。塊根ユーフォルビアの植え付け・植え替え
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生育期の早い時期に行います。適期は春秋型であれば4〜5月、秋春型であれば9〜11月です。
塊根ユーフォルビアの殖やし方
実生で殖やすのが一般的です。雌雄異株のものは複数株を用意する必要がありますが、割と結実しやすく種も採りやすい方です。塊根ユーフォルビアの病気・害虫
塊根ユーフォルビアは病害虫に強い植物ですが、乾燥した風通しの悪い環境では1年を通してカイガラムシが発生しやすくなります。成虫の体は殻に覆われて薬が効きにくいので、つまようじなどでこそぎ落としてから殺虫剤を散布しておきましょう。塊根ユーフォルビアを育ててみよう
同じ塊根ユーフォルビアでも、芋の形はまん丸や太い棒状、サツマイモ型などさまざまで、地上部も茎節を放射状に広げるものや、縮れた葉を茂らせるものなど個性豊かです。種によって生育型が異なるので、原産地を調べて自生地に近い環境を用意してあげるのが元気に育てるコツです。芋には直射日光を当てず、過湿に気をつけて長く楽しみましょう!