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にんにく植え付けはベランダでもOK!家庭菜園で人気の理由
にんにくは、秋に植え付けて翌年の初夏に収穫する「越冬型」の野菜です。
一見むずかしそうに感じるかもしれませんが、家庭菜園でも手軽に育てられる人気の高い作物のひとつ。
ベランダのような狭いスペースでも育てやすく、虫がつきにくいため管理がラクなのが魅力です。
プランター栽培なら、雑草や連作障害の心配がほとんどなく、市販の培養土だけでも十分に育てられます。
病害虫にも強いため、防虫ネットなどの大掛かりな対策も不要です。
失敗しないにんにく植え付け3つのコツ
コツ① 品種選び|地域の特性に合った品種を選ぶ
にんにくには「寒冷地向き」と「暖地向き」の品種があり、地域の気候に合わないものを選ぶと、生育不良や収穫量の減少につながります。たとえば寒冷地向きの品種を暖地で育てると、以下のようなトラブルが起きやすくなります。
- 球の肥大が不十分になる
- 分球しにくくなる
- 病気が出やすくなる
- 生育期間が足りなくなる
逆に暖地向きの品種を寒冷地で育てると、低温障害でうまく育たないこともあります。
- 寒冷地の目安:北海道、東北、長野、山梨、北関東の山間部など
- 暖地の目安:関東南部、東海、近畿、中国、四国、九州地方など
寒冷地におすすめの品種3選
- 福地ホワイト6片:大きくて味がよく、全国的に人気
- ニューホワイト6片:白肌が美しく風味がよい
- ピンクニンニク:外皮がピンク色を帯び、風味も豊か
暖地におすすめの品種3選
- 壱州早生(いっしゅうわせ):暖地で早めに収穫できる生育の早い品種
- 平戸ニンニク:九州などの暖地で安定した収穫実績あり
- 紫ニンニク:香りが強く、湿気にも比較的強い
コツ② プランター選び|深さ大きさがポイント
にんにくはしっかり根を張って育つため、深さのあるプランターが向いています。- 深さ:最低でも20cm以上、できれば25cm以上あると安心
- 幅・容量:幅60cm以上、容量20L以上が理想的
- 株間:株間7〜8cm、確保できるサイズを選ぶ
土の容量をしっかり確保して、のびのび育てましょう。
コツ③ 植え付け時期の見極め|9月中旬〜10月がベスト
にんにくの植え付けは、タイミングを逃すとうまく根付かず発芽が遅れ、生育が悪くなる原因になります。植え付け時期の目安
- 寒冷地は9月中旬〜下旬
- 暖地は9月末〜10月上旬
時期を逃さないよう、スケジュールに余裕をもって準備しておきましょう。
にんにく栽培で準備するもの
にんにくは、特別な道具がなくても始められる手軽な野菜です。必要なものをそろえれば、すぐに栽培をスタートできます。
- 種にんにく
- 深めのプランター(20cm以上)
- 市販の培養土
- 元肥・追肥(緩効性・液肥など)
- 鉢底石、手袋、ジョウロなどの基本ツール
にんにく年間作業カレンダー
にんにくの植え付け方法と育てる環境
にんにく栽培では、スタート時の準備がその後の育ち具合や収穫量を大きく左右します。
どんな種を選ぶか、育てる環境はどうか、植え付け方は適切か。
こうしたポイントを押さえておくことで、実の太り方にも差が出てきます。
ここでは、にんにくの植え付けに向けた基本の準備についてご紹介します。
種にんにくの選び方
最初に選ぶ「種にんにく」の質が、その後の育ち方や収穫量に大きく影響します。できるだけ状態の良いものを選びましょう。
以下のポイントを参考にしてください。
- 傷やカビのない、大きめでふっくらした粒を選ぶ
- 地域に合った品種を選ぶ(寒冷地・暖地で適した品種は異なる)
迷ったときは、やや大きめのものを選ぶのがおすすめです。
日当たりと風通しの良い置き場所で育てる
にんにくを健やかに育てるためには、育てる環境をしっかり整えることが大切です。特に日当たりと風通しは、生育に大きく影響します。
日当たり
1日6時間以上、直射日光がしっかり当たる場所が理想的。光が不足すると、葉の色が薄くなったり、生長が遅くなることがあります。
風通し
風の抜ける場所を選ぶと、蒸れを防ぐことができ、病気の発生も抑えやすくなります。ベランダの場合
壁際や風の通りにくい場所は避け、なるべく風が流れるスペースにプランターを置くのがポイント。環境が整えば、にんにくはぐんぐん元気に育ちます。
植え付けの深さ・間隔・向きの基本ポイント
にんにくは植え付けの仕方ひとつで、その後の育ち具合や収穫に差が出ます。根がしっかり張り、芽がまっすぐ伸びるように、基本をおさえて丁寧に植え付けましょう。
植え付けの深さ・間隔・向きの基本ポイント
- にんにくの玉は皮をむき、1片ずつに分けて使用
- 芽の尖った方を上にして植える
- 植える深さは3〜4cm程度
- 株間は7〜8cmあける
季節ごとの水やりのコツ
秋|発芽を促すために土の乾燥を防ぐ
にんにくを植え付けた直後は、土を乾かさないように気をつけましょう。乾燥すると、生育にばらつきが出ることがあります。
晴れが続くときは土の状態をこまめに確認し、表面が乾いてきたらたっぷり水を与えてください。
冬|過湿に注意しながら水やり頻度を減らす
寒さが厳しくなる冬は、にんにくの成長もいったん落ち着きます。この時期に注意したいのが過湿。
水をやりすぎると、根腐れや病気の原因になってしまいます。
水やりは月に2〜3回が目安で、土の表面が乾いてから数日後に控えめに与える程度で構いません。
午前中に済ませることで、夜間の冷え込みによる凍結リスクも避けられます。
春|生育期は乾燥させすぎずこまめに管理
春は気温の上昇とともに、にんにくの成長がぐんと活発になる時期です。葉が大きく広がり、水分の吸収も増えるため、乾燥には注意が必要。
土が乾きすぎると葉がしおれたり、成長が鈍くなることがあるので、土の表面が乾いてきたら、朝のうちにたっぷりと水を与えましょう。
にんにく栽培のよくある質問
芽かきは必要ですか?
はい、必要です。にんにくは、1つの片から複数の芽が出てくることがあります。
そのまま育てると球が分かれたり、小さくなったりする原因に。
元気な芽を1本だけ残し、他の芽は根元からやさしく抜き取ってあげましょう。
どうして花芽(とう)の摘み取りをした方がいいのですか?
春になると、にんにくの中心から「とう(花芽)」が伸びてくることがあります。放っておくと栄養が花にまわり、肝心の球が育ちにくくなってしまいます。
見つけたら早めに摘み取りましょう。
花芽(とう)は「にんにくの芽」として炒め物などに使えます。
追肥のタイミングはいつですか?
にんにくの追肥は、生育の段階にあわせて適切な時期に行うことが大切です。地域によって回数やタイミングが異なります。
【寒冷地の場合】
- 1回目: 4月頃
- 2回目: 5月頃
【暖地の場合】
- 1回目: 植え付けから1か月後(10〜11月頃)
- 2回目: 春に新芽が伸び始めたタイミング(4月頃)
- 3回目: 生育が一気に進む時期(5月上旬〜中旬)
収穫したにんにくはどうやって保存したらいいですか?
掘り上げたにんにくは、まず風通しの良い日陰で数日間しっかり乾燥させます。乾いたらネットや紙袋に入れ、湿気の少ない冷暗所につるして保存しましょう。
湿気が多い場所に置くとカビの原因になるため注意してください。
プランターでも大きく育てられますか?
もちろん可能です。深さ20cm以上のプランターに、市販の培養土を使い、追肥や水やりをこまめに行うのがポイント。
ベランダのスペースに余裕があれば、大き目のプランターで株間を広めにとり、複数株をゆったり育てるのもおすすめです。
スーパーで買ってきた食用のニンニクを植えてもいい?
はい、大丈夫です。スーパーで販売されている食用のにんにくでも、プランターで栽培できます。
その際はできるだけ国産のにんにくを選び、お住まいの地域(寒冷地か暖地か)に合った品種かどうかを確認してください。
またお住まいの地域(寒冷地か暖地か)に合った品種かどうかもチェックしておくと安心です。
まずは身近なにんにくから、気軽に栽培を始めてみてください。
通販で購入できるにんにく(食用のにんにくを植えるのも可です)
ピンクニンニク:外皮がピンク色を帯び、風味も豊か
まとめ
にんにくをベランダで育てる場合も、ちょっとしたコツを押さえておけば立派に育ちます。
特に大切なのは、次の3つのポイントです。
- 地域に合った品種を選ぶ(寒冷地・暖地で異なる)
- 深さ20cm以上のプランターを使う
- 9月中旬〜10月上旬に植え付ける
日々の水やりや追肥もていねいに行って、育てる楽しみを味わってください。