農業・ガーデニング・園芸・家庭菜園マガジン[AGRI PICK] > 家庭菜園 > にんにく栽培の始め方|ベランダでも失敗しない植え付けのコツ3つ

にんにく栽培の始め方|ベランダでも失敗しない植え付けのコツ3つ


にんにくはベランダでも育てられる手軽な野菜。この記事では、品種・プタンター・時期の選び方と、失敗しないための3つのコツをわかりやすくご紹介します。

AGRI PICKではアフィリエイト広告を利用しています。当サイトの記事で紹介された商品を購入すると、売上の一部がAGRI PICKに還元されることがあります。

Avatar photo ライター
さつき

植木屋&ガーデニングライターです。1級造園施工管理技士・2級造園技能士の資格を活かし、植物と暮らしをつなぐガーデニングをお手伝いしています。「何を植えればいい?」「うまく育たない…」そんな悩みに寄り添いながら、植物がもっと元気に育つ小さな工夫やコツを丁寧にお伝えしています。「楽しそう!」「やってみたい!」と思える、実践しやすく役立つ記事を目指しています。…続きを読む

  • Facebook
  • X
  • はてなブックマーク
  • Pocket
  • Feedly


にんにく栽培の始め方|ベランダでも失敗しない植え付けのコツ3つ

にんにく植え付けはベランダでもOK!家庭菜園で人気の理由

にんにく画像
にんにくは、秋に植え付けて翌年の初夏に収穫する「越冬型」の野菜です。
一見むずかしそうに感じるかもしれませんが、家庭菜園でも手軽に育てられる人気の高い作物のひとつ。
ベランダのような狭いスペースでも育てやすく、虫がつきにくいため管理がラクなのが魅力です。
プランター栽培なら、雑草や連作障害の心配がほとんどなく、市販の培養土だけでも十分に育てられます。
病害虫にも強いため、防虫ネットなどの大掛かりな対策も不要です。

失敗しないにんにく植え付け3つのコツ

失敗しないにんにく植え付け3つのコツ

コツ① 品種選び|地域の特性に合った品種を選ぶ

にんにくには「寒冷地向き」と「暖地向き」の品種があり、地域の気候に合わないものを選ぶと、生育不良や収穫量の減少につながります

たとえば寒冷地向きの品種を暖地で育てると、以下のようなトラブルが起きやすくなります。
  1. 球の肥大が不十分になる
  2. 分球しにくくなる
  3. 病気が出やすくなる
  4. 生育期間が足りなくなる
 

逆に暖地向きの品種を寒冷地で育てると、低温障害でうまく育たないこともあります
  1. 寒冷地の目安:北海道、東北、長野、山梨、北関東の山間部など
  2. 暖地の目安:関東南部、東海、近畿、中国、四国、九州地方など
自分の地域がどちらか迷ったら、「冬に霜や雪が頻繁に降るかどうか」で判断するのがおすすめです。

寒冷地におすすめの品種3選

  1. 福地ホワイト6片:大きくて味がよく、全国的に人気
  2. ニューホワイト6片:白肌が美しく風味がよい
  3. ピンクニンニク:外皮がピンク色を帯び、風味も豊か

暖地におすすめの品種3選

  1. 壱州早生(いっしゅうわせ):暖地で早めに収穫できる生育の早い品種
  2. 平戸ニンニク:九州などの暖地で安定した収穫実績あり
  3. 紫ニンニク:香りが強く、湿気にも比較的強い

コツ② プランター選び|深さ大きさがポイント

にんにくはしっかり根を張って育つため、深さのあるプランターが向いています。
  1. 深さ:最低でも20cm以上、できれば25cm以上あると安心
  2. 幅・容量:幅60cm以上、容量20L以上が理想的
  3. 株間:株間7〜8cm、確保できるサイズを選ぶ
浅すぎると根張りが悪くなり、玉も小さくなりがちです。
土の容量をしっかり確保して、のびのび育てましょう。

コツ③ 植え付け時期の見極め|9月中旬〜10月がベスト

にんにくの植え付けは、タイミングを逃すとうまく根付かず発芽が遅れ、生育が悪くなる原因になります

植え付け時期の目安
  1. 寒冷地は9月中旬〜下旬
  2. 暖地は9月末〜10月上旬
植え付けの適期は意外と短めです。
時期を逃さないよう、スケジュールに余裕をもって準備しておきましょう。

にんにく栽培で準備するもの

にんにくは、特別な道具がなくても始められる手軽な野菜です。
必要なものをそろえれば、すぐに栽培をスタートできます。
  1. 種にんにく
  2. 深めのプランター(20cm以上)
  3. 市販の培養土
  4. 元肥・追肥(緩効性・液肥など)
  5. 鉢底石、手袋、ジョウロなどの基本ツール
簡単な準備でスタートできるのが、にんにく栽培の魅力です。

にんにく年間作業カレンダー

にんにく年間作業カレンダー暖地にんにく年間作業カレンダー寒冷地

にんにくの植え付け方法と育てる環境

ピンクニンニク
にんにく栽培では、スタート時の準備がその後の育ち具合や収穫量を大きく左右します。
どんな種を選ぶか、育てる環境はどうか、植え付け方は適切か。
こうしたポイントを押さえておくことで、実の太り方にも差が出てきます。
ここでは、にんにくの植え付けに向けた基本の準備についてご紹介します。

種にんにくの選び方

最初に選ぶ「種にんにく」の質が、その後の育ち方や収穫量に大きく影響します。
できるだけ状態の良いものを選びましょう。
以下のポイントを参考にしてください。
  1. 傷やカビのない、大きめでふっくらした粒を選ぶ
  2. 地域に合った品種を選ぶ(寒冷地・暖地で適した品種は異なる)
特に粒の大きさは、最終的に育つにんにくのサイズに直結します。
迷ったときは、やや大きめのものを選ぶのがおすすめです。

日当たりと風通しの良い置き場所で育てる

にんにくを健やかに育てるためには、育てる環境をしっかり整えることが大切です。
特に日当たりと風通しは、生育に大きく影響します。

日当たり

1日6時間以上、直射日光がしっかり当たる場所が理想的。
光が不足すると、葉の色が薄くなったり、生長が遅くなることがあります。

風通し

風の抜ける場所を選ぶと、蒸れを防ぐことができ、病気の発生も抑えやすくなります。

ベランダの場合

壁際や風の通りにくい場所は避け、なるべく風が流れるスペースにプランターを置くのがポイント。
環境が整えば、にんにくはぐんぐん元気に育ちます。

植え付けの深さ・間隔・向きの基本ポイント

にんにくは植え付けの仕方ひとつで、その後の育ち具合や収穫に差が出ます。
根がしっかり張り、芽がまっすぐ伸びるように、基本をおさえて丁寧に植え付けましょう。

植え付けの深さ・間隔・向きの基本ポイント
  1. にんにくの玉は皮をむき、1片ずつに分けて使用
  2. 芽の尖った方を上にして植える
  3. 植える深さは3〜4cm程度
  4. 株間は7〜8cmあける
向きと間隔を整えて植えることで、芽出しがそろい、その後も順調に成長します。

季節ごとの水やりのコツ

季節ごとの水やりのコツ

秋|発芽を促すために土の乾燥を防ぐ

にんにくを植え付けた直後は、土を乾かさないように気をつけましょう
乾燥すると、生育にばらつきが出ることがあります。
晴れが続くときは土の状態をこまめに確認し、表面が乾いてきたらたっぷり水を与えてください。

冬|過湿に注意しながら水やり頻度を減らす

寒さが厳しくなる冬は、にんにくの成長もいったん落ち着きます。
この時期に注意したいのが過湿
水をやりすぎると、根腐れや病気の原因になってしまいます。
水やりは月に2〜3回が目安で、土の表面が乾いてから数日後に控えめに与える程度で構いません。
午前中に済ませることで、夜間の冷え込みによる凍結リスクも避けられます。

春|生育期は乾燥させすぎずこまめに管理

春は気温の上昇とともに、にんにくの成長がぐんと活発になる時期です。
葉が大きく広がり、水分の吸収も増えるため、乾燥には注意が必要。
土が乾きすぎると葉がしおれたり、成長が鈍くなることがあるので、土の表面が乾いてきたら、朝のうちにたっぷりと水を与えましょう

にんにく栽培のよくある質問

紫ニンニク

芽かきは必要ですか?

はい、必要です。
にんにくは、1つの片から複数の芽が出てくることがあります。
そのまま育てると球が分かれたり、小さくなったりする原因に。
元気な芽を1本だけ残し、他の芽は根元からやさしく抜き取ってあげましょう

どうして花芽(とう)の摘み取りをした方がいいのですか?

春になると、にんにくの中心から「とう(花芽)」が伸びてくることがあります。
放っておくと栄養が花にまわり、肝心の球が育ちにくくなってしまいます。
見つけたら早めに摘み取りましょう
花芽(とう)は「にんにくの芽」として炒め物などに使えます。

追肥のタイミングはいつですか?

にんにくの追肥は、生育の段階にあわせて適切な時期に行うことが大切です。
地域によって回数やタイミングが異なります。

【寒冷地の場合】

  • 1回目: 4月頃
  • 2回目: 5月頃

【暖地の場合】

  • 1回目: 植え付けから1か月後(10〜11月頃)
  • 2回目: 春に新芽が伸び始めたタイミング(4月頃)
  • 3回目: 生育が一気に進む時期(5月上旬〜中旬)
いずれも緩効性の肥料を使い、葉の色や生育の様子を見ながら与えるのがポイントです。

収穫したにんにくはどうやって保存したらいいですか?

掘り上げたにんにくは、まず風通しの良い日陰で数日間しっかり乾燥させます
乾いたらネットや紙袋に入れ、湿気の少ない冷暗所につるして保存しましょう。
湿気が多い場所に置くとカビの原因になるため注意してください。

プランターでも大きく育てられますか?

もちろん可能です。
深さ20cm以上のプランターに、市販の培養土を使い、追肥や水やりをこまめに行うのがポイント
ベランダのスペースに余裕があれば、大き目のプランターで株間を広めにとり、複数株をゆったり育てるのもおすすめです。

スーパーで買ってきた食用のニンニクを植えてもいい?

はい、大丈夫です。

スーパーで販売されている食用のにんにくでも、プランターで栽培できます

その際はできるだけ国産のにんにくを選び、お住まいの地域(寒冷地か暖地か)に合った品種かどうかを確認してください。

またお住まいの地域(寒冷地か暖地か)に合った品種かどうかもチェックしておくと安心です。

まずは身近なにんにくから、気軽に栽培を始めてみてください。

通販で購入できるにんにく(食用のにんにくを植えるのも可です)

福地ホワイト6片:大きくて味がよく、全国的に人気

令和7年度産 青森県産 乾燥バラにんにく(福地ホワイト六片種)



ニューホワイト6片:白肌が美しく風味がよい



ピンクニンニク:外皮がピンク色を帯び、風味も豊か



紫ニンニク:香りが強く、湿気にも比較的強い


まとめ

にんにくの葉
にんにくをベランダで育てる場合も、ちょっとしたコツを押さえておけば立派に育ちます。
特に大切なのは、次の3つのポイントです。
  1. 地域に合った品種を選ぶ(寒冷地・暖地で異なる)
  2. 深さ20cm以上のプランターを使う
  3. 9月中旬〜10月上旬に植え付ける
この3点を意識すれば、初心者でも失敗が少なく、おいしいにんにくが収穫できます。
日々の水やりや追肥もていねいに行って、育てる楽しみを味わってください。

関連記事





RELATED TAGS関連するタグ

RECOMMENDSおすすめ

SERIALIZATION連載

  • 脱・東京!北海道でメロン農家になりたい夫婦の農業研修記
  • 農業失くして持続可能な社会なし
  • 農業失くして持続可能な社会なし
  • 農業失くして持続可能な社会なし
  • 簡単おいしい養生ごはん
  • 農業失くして持続可能な社会なし
  • 農業失くして持続可能な社会なし
  • 収量アップの秘訣
農業・ガーデニング・園芸・家庭菜園マガジン[AGRI PICK] > 家庭菜園 > にんにく栽培の始め方|ベランダでも失敗しない植え付けのコツ3つ