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株式会社グリーンフィールドプロジェクト
松崎 英【株式会社グリーンフィールドプロジェクト】有機認証の中でも厳しいとされる「ヨーロッパ有機認証」を取得した、有機種子を輸入・販売。2017年には、日本の固定種を残すことを目的とした「SAVE THE SEED (セーブ・ザ・シード)プロジェクト」を開始。「有機栽培するなら、その種も有機種子であってほしい」という思いから、日本での有機種子の普及に尽力しています。 HP:http://gfp-japan.com/…続きを読む
- AGRI PICK 編集部
AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。…続きを読む
オクラの意外な魅力と、バリエーション豊富な品種、失敗しない苗づくりの方法を紹介します!
オクラってこんな野菜!どんな種類がある?
形による違い
スーパーでよく見かけるものは角が立った「角オクラ」になりますが、実は角のない「丸オクラ」があります。そのまま食べるときの歯ごたえや、スライスしたときの断面の形が変わります。色による違い
一般的には緑色のオクラが多く出回っていますが、赤色のオクラもあるんです。2色とも育てれば料理の華やかさがアップ!赤色のオクラは火を通すと緑色になるので、色の違いを楽しむのであれば火を入れずにそのまま使ってください。トッピングやピクルスなど、生でも意外と万能です!バネバ成分は、生活習慣病予防や美容に効果的
オクラには、ペクチンなどの水溶性の食物繊維が豊富に含まれていて、これがネバネバの元になっています。腸の状態を整えて便秘をを改善してくれるほか、糖やコレステロールの吸収を抑える働きがあり、生活習慣病の予防にも役立ちます。このほかに、カロテンやビタミンC、カルシウム、鉄などの栄養素がバランスよく含まれ、美容や疲労回復にも効果的な野菜です。美しい花は野菜界No.1!
オクラは、野菜の中ではめずらしいアオイ科の植物。同じアオイ科には、ハイビスカスやフヨウ、タチアオイなど、美しい花を咲かせるものが多くあります。オクラも、夏に大きな黄色い花を咲かせ、目を楽しませてくれます。たった1日でしぼんでしまうので、花を観賞するのは育てた人だけの楽しみ。そして、じつはこの花も食用になります。味はクセがなく、刻むとオクラと同じように粘りが出て、ポン酢やだししょうゆなどであえるだけで、おいしく食べられます。サラダの彩りに花びらを散らすもおすすめですよ。
ただし、花を取り過ぎてしまうと実がつかないので、気をつけてくださいね。
ゆで方のポイントは、丸ごと
オクラをおいしくゆでるには、「丸ごと」がおすすめです。種のまわりにすき間があるので、切ってからゆでると水っぽくなり、せっかくのネバネバ成分も流れ出てしまうので、気をつけてください。へたの周りはかたいので、包丁でぐるりとむいてから、塩を加えた熱湯で2分ほどゆでます。塩を入れることで緑がいっそう鮮やかになります。火が通りすぎると食感が悪くなるので、ゆで上がったらすぐにざるに上げ、冷水で冷ましましょう。
オクラの品種(種類)を選ぶポイント
GFPの松崎さんにオクラの品種を選ぶポイントをうかがいました!
GFP松崎さん
オクラは夏場になると次々と実をつけます。こまめに手をかけた収穫ができない人は、丸オクラがおすすめ!丸オクラは果実が大きくなっても外皮が硬くならずおいしく食べれますが、角オクラは大きくなると外皮は硬く筋張って食べれなくなってしまいます。
オクラのおすすめ品種ランキングBEST5
5位「白ひすい」
GFP松崎さん
薄い緑色の丸オクラ。島オクラの血筋ですが、自然栽培で無施肥で採種されている種なので、施肥せずともそれなりにたくさんの実をつけてくれます。丸系なので、大きくなっても筋張らずおいしい。
4位「島の恋」フタバ種苗
GFP松崎さん
スーパーではあまりお目にかかれない赤色の丸オクラです。せっかく家庭菜園で育てるなら、変わったものを育てたいという人におすすめ。収量も一般の緑同様多く、栽培初期から収穫できるのが魅力です。外皮も柔らかくおいしいですよ。
3位「白い丸莢オクラ」松永種苗
GFP松崎さん
柔らかく粘り気が強くておいしい品種です。色白が珍しいので見た目にも楽しいですね。背丈はあまり大きくなりませんが、家庭菜園にはちょうど良いと思います。
2位「ブルースカイ」みかど協和
GFP松崎さん
五角オクラで多くの農家が使用する品種です。早生でたくさんとれ、五角の形も綺麗で色合いも濃い緑が美しいのが特徴。スーパーにあるようなオクラを育ててみたいなら間違いない品種です。
1位「島オクラ」固定種
GFP松崎さん
昔ながらの固定種で、沖縄県在来のオクラです。丸オクラの味わいはもちろんですが、種採りまで楽しめるのも魅力です。個人的にはオクラの品種はこれだと思います。
オクラの苗作り
オクラは菜園やプランターに直接種をまいて育てることもできますが、1日の平均気温が25℃を超えないと、発芽が遅れたり、そろわなかったりします。ポットに種をまいて、暖かい場所で苗を育て、十分気温が上がってから植えつけると、失敗が少なくなります。
オクラの苗作りの手順
- 直径9cmのポリポット、種まき用の土、オクラの種、土入れ、ジョウロなどを準備します。種は殻がかたいので、前日から一晩水に浸けておくと発芽しやすくなります。
- ポリポットの縁から2cmほど下まで土を入れ、表面をよくならし、深さ1cmの穴を4~5か所あけます。
- 穴に1粒ずつ種をまき、土を寄せて軽く押さえます。
- たっぷりと水やりし、日当たりのよい暖かな場所で育てます。土を乾かさないようにしましょう。
- 本葉が2枚出たら、元気な株を2本残して、ほかは間引きます。本葉5~6枚まで育てて1本立ちにするか、または2本のままで菜園やプランターに植えつけます。