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チョコのほかにも甘いものあり!バレンタインの由来とアメリカのバレンタイン事情|アメリカ生活アグリ日誌Vol.6

【連載】アメリカ在住日本人家族が体験した農業イベントや、現地の「食・農」に関する情報をレポートするコラム「アメリカ生活アグリ日誌」。 第6回のテーマは「チョコのほかにも甘いものあり!バレンタインの由来とアメリカのバレンタイン事情」。学校でも恒例行事となっているアメリカのバレンタインデーのイベントとは?


valentine

出典:Pixabay
アメリカ在住の筆者が現地の農場や食、ガーデン事情を不定期でレポートします。違った視点から見ると、何か新しい発見があるかも!?
前回はグルテンフリーについて紹介しました。

今回は、2月といえばのバレンタインを取り上げます。商業施設が賑わう一大イベントで、個人的にもさまざまな思い出がよみがえるバレンタインですが、アメリカでは家庭でも学校でも小さい時からバレンタインを祝います。そこにはチョコレートだけではない世界がありました。まずは由来から見ていきましょう。

悲しい出来事が始まりのバレンタイン

St. Valentine
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諸説あるバレンタインの由来ですが、一番浸透しているのは2月14日が「St. Valentine(聖バレンチノ)というキリスト教の司教が処刑された命日」というものです。イタリアのテルニ市には聖バレンチノ教会があり、ここがバレンタイン発祥の地とされています。

ローマ時代、バレンチノはなぜ皇帝の怒りを買ったのか。西暦270年ごろ、ローマ皇帝は軍隊の士気を高めるために若い兵士の結婚を禁止していました。それに背いて、バレンチノがカップルを密かに結婚させたのがその理由とされています。以後、テルニの人々はこの日を「愛の日」として、愛する人に贈り物をする習慣が生まれました。

なぜ、バレンタインにチョコレートなのか?

チョコレート
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バレンタインといえばチョコレートというように、切っても切れない関係。アメリカでもチョコレートは定番の贈り物となっています。

高級チョコレートだけでなく、普段から食べているお手軽なチョコレートもバレンタイン・バージョンの製品が季節限定品として売られています。売り場一帯が赤とピンク色に染まるので、初めて入った店でも迷わずバレンタインコーナーに行くことができます!視覚的には日本よりかなり派手な印象です。

バレンタイン用チョコレートは、ギリスで1860年代にチョコレートメーカーのCadbury(キャドバリー)社がハート型の箱に入ったチョコレートを売り出し、人気となったのが始まりといわれています。このチョコレートは新しい製法で作られていて、味も今までにない新しいものでしたが…。なんと、箱がラブレターなど大事なものを取っておくために重宝され、ヒット商品となりました。外側の箱がバレンタインの鍵を握っていたとは…。

アメリカでも、1900年前後からバレンタインが身近なものとなったといわれています。チョコレートの大量生産が可能となり、HERSHEY(ハーシー)社のKISSという製品が生まれたのは1907年のことです。

日本では、モロゾフ株式会社の創業者がアメリカの友人からバレンタインの贈り物の習慣のことを聞き、1932年に自社のカタログでバレンタイン商品の紹介をしたのが最初とされています。その後、百貨店各社のマーケティングの成果もあり、1970年代に入ってからチョコレートを贈る文化が定着しました。

なぜ、バレンタインに花なのか?

red roses
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日本でも「世界でいちばん花を贈る日」をキーワードに、花き業界が「フラワーバレンタイン」を提唱して早10年。徐々に浸透しているのか、花の国日本協議会が2019年に行った消費者調査ではバレンタインに花を贈った人の比率は前年と比べて1.5倍(注:4.1%が6.4%に増加)で、過去最高となったというデータもあります。

アメリカをはじめ、世界各国では花の贈り物が一般的。主に男性が女性に贈り、中でも真っ赤なバラの花を12本送るのが人気です。ちなみに赤いバラの花言葉は、「愛情」「美」「情熱」。バレンタインにぴったりです。

バラがバレンタインと結びつけられるようになったのは、この花が「愛の女神ヴィーナスのシンボルだったから」といわれています。また、スウェーデンのカール12世が「セラム」というトルコの風習(花言葉に基づいて花束を贈り、その気持ちも花で返す)を知り、18世紀初頭に花言葉がヨーロッパに伝わったことも影響しています。

カップルにとって大事な日であるのがバレンタイン。アメリカではこの日にプロポーズをする人も多く、ロマンチックな演出にも花束はビッタリです。

学校でも交換。公認行事になっているアメリカのバレンタイン

valentine cards
出典:Flicker(Photo by Andrew Gustar )
バレンタインでは、カード交換をするというのも伝統になっています。グリーティングカードメーカーのHallmarkによると、アメリカだけでも約1.5億枚のカード(子ども達が学校で交換する分は除く)が贈られています。これはクリスマスに次いで、2番目にカードが売れる時期だとか。内容も細分化されており、中にはペットから飼い主に向けたものも!
さすがマーケットの裾野が広いと感心します。

小学校ではクラス全員が参加する

valentine cards
出典:Flicker(Photo by Melanie Edwards)
40代の筆者が子どものころは「好きな男の子の下駄箱に密かにバレンタインのチョコレートを入れておく」というのが定番でしたが、友チョコも増えている今、日本のバレンタインの雰囲気も変わって来ているように感じます。昔と違って、カモフラージュしやすい!ただ、そもそもチョコレート交換が禁止の学校もありますよね。

アメリカの小学校では、学校イベントの1つとして、各クラスでバレンタインの交換が行われます。そこで大事なのは、クラス全員分のカードやお菓子を準備するということ。間近になると、先生から子どもの名前リストが送られてきます。自作で20〜30枚のカードを用意するのは大変なので、市販品を使う人が多いです。お菓子もアレルギー対策のため、通常は手作りではなく買ったものを準備します。

ニーズがあれば商品あり。お店に行くと、お菓子や鉛筆とセットとなった小さいカードが売られています。子ども達はカードの宛名と差出人に名前を書き、当日は学校で作った袋(茶袋にバレンタインらしい絵を描いて装飾)に、それぞれが持ってきたカードやお菓子を1つずつ入れて、バレンタインの交換をします。

学校では、バレンタインを通して「親切」「友情」を推進するというのがその趣旨です。午後の授業には、先生がアイスクリームなどを用意してみんなで一緒に食べたり、映画鑑賞やゲームをするお楽しみの日となっています。

中高生くらいからは、どんどんロマンチックに

high school
出典:Flicker(Photo by prince lang)
恋愛の要素が強まっていくのが中高生くらいから。学校によっては、生徒会が花を校内で販売し、メッセージカードと一緒に届けてくれるサービスをしてくれます。生徒会にとっても、花の販売はファンドレイジングの一環で、売り上げ金を生徒のための活動に使ったり、寄付したりするそうです。

なぜ、届けてくれるのか。アメリカだとホームルームの教室がなく教科ごとに生徒がクラスを移動し、時間的にも自分で渡すのが難しいがゆえの代行サービスです。休み時間に放送で「花が届いています」と呼び出されることもあるそうです。かなりオープンな雰囲気ですね。この機会に告白するのにも便利〜!

一方で、「誰からももらえなかった」という悲しい日になりかねないのが中高生のバレンタイン。小学校とは異なり、人気度や勝ち負けが目立ってしまう日でもあります。

そんな中、「バレンタインというすてきな日に誰かが悲しい気持ちになるのはやるせない」と考え、学校中の女の子に花を用意したというお話がSNSをきっかけにローカルニュースに上がることも。中にはアルバイトをしたお金で900本の花を用意して配ったという話もありました。こんな時に贈る花はバラではなく、カーネーションです。

他人の気持ちに立った上で実際に行動する高校生のピュアさに胸がキュン。そして、それを誰も揶揄しないで、みんなハッピーになるところが何だかアメリカらしいと感じます。

大人になっても。コミュニティーに根づくバレンタイン

conversation hearts
出典:Pixabay
アメリカでは、大人になってもバレンタインは続きます。バレンタインのダンスパーティーがあったり、すてきなレストランで食事をしたり。結婚してからもカードの交換だけはかかさなかったり。

コミュニティーでも、ハートの形にかけて心臓病のためのファンドレイジングや献血促進の活動があります。なんだか、気持ちがほっこりするお話が増えるのもバレンタインの副産物なのです。
いろいろなチョコレートを食べるのも楽しみのひとつですが、「だけじゃない」ところが本当にスウィートなアメリカのバレンタインらしさなのではないかと思っています。

せっかくなので、もうひとつ、バレンタインによく見かけるお菓子を紹介。写真にあるお菓子は、”Conversation Hearts”という名前で各社から販売されています。ハート型のラムネで、”Be mine” や”Text Me”など甘い言葉が書かれています。色もカラフルでかわいらしく、何だか懐かしい味がしました。
我が家でも、お手軽なチョコレート トリュフを作ろうと思っています。アメリカ式のお花は…期待しないことにします(笑)

次回は3月、春の気配もそろそろ感じられる季節ですね。ミシガンではまだまだ雪も残りますが、徐々に陽射しが明るくなってきます。この時期限定なのが、メープルシロップの採取。新型コロナウイルスの影響で地元のツアーが開催されるかまだ不透明なところもありますが、「メープルシロップ」をクローズアップします。


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「アメリカ生活アグリ日誌」

Miyuki Tateuchi プロフィール
就職情報会社、外資系人事コンサルティング会社を経て、2017年よりアグリコネクト株式会社でリサーチ業務に従事。2019年より夫の転勤に伴い、アメリカのミシガン州在住。成長期真っ只中の2児の母。農業と地域、世界の料理などへの興味を元に、情報発信していきます。

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Miyuki Tateuchi

現在、アメリカのミシガン州に居住中。海外の農業情報や普段の生活を通して感じた食農トピックを紹介します。祖父が農家だった影響もあり、四季折々の「旬」を大切にしたいと思っています。

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