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【オランダ回顧録】肉とマイケル(仮名)|おしゃれじゃないサステナブル日記No.22


【連載】農業・食コミュニケーターとして活動する 紀平真理子さんの「農業と環境」をテーマにしたコラム「おしゃれじゃないサステナブル日記」。第22回は「【オランダ回顧録】肉とマイケル(仮名)」。ビジネススクールでボランティアをしていた筆者が、ランチタイムに経営者と繰り広げた食の攻防戦とは?!

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紀平 真理子

オランダ大学院にて、開発学(農村部におけるイノベーション・コミュニケーション専攻)修士卒業。農業・食コミュニケーターとして、農業関連事業サポートやイベントコーディネートなどを行うmaru communicate代表。 食の6次産業化プロデュ ーサーレベル3認定。日本政策金融公庫農業経営アドバイザー試験合格。 農業専門誌など、他メディアでも執筆中。…続きを読む

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オランダカフェ

写真提供:maru communicate 紀平真理子(ボランティア仲間とよく行ったカフェ)
前回の「【オランダ回顧録】憧れの市民農園でのボランティア(No.21)」 でオランダでのボランティア事情について告白しました。

ついでに、もう一つボランティアネタを振り返ってみようと思います。オランダ在住時代に、ナイジェリア出身の方が経営するビジネススクールでもボランティアをしていました。オランダへ引っ越す前に勤めていた会社での営業系の職歴を活かして、ビジネススクールでもマーケティング担当。いろいろと詳細を書くと差し支えることがあるので、仕事内容は書きませんが(すべて合法です)、その当時の話を思い出しながら、食に絡めて書き記します。

ボランティアのお昼ごはんは某チキン

オランダでボランティア
写真提供:maru communicate 紀平真理子(やる気ないように見えますが、ちゃんとボランティアマーケターをしていました)
ボランティアは週に1回のみでしたが、10:00〜15:00とわりと長時間働いていました。そうなると、お昼ごはん時もオフィスで過ごすことになります。ビジネススクールの経営者マイケル(仮名)は、毎食某チキンチェーン店のチキンを5本「がんばって仕事してくれてるからおごりだよ〜」と言って買ってきてくれていました。しかし、想像してください!チキンだけこの本数を食べるのは、相当つらいのです。

そして私はついに彼に禁断のフレーズを言ってしまいました。

「私、ベジタリアンになったからチキンはもう食べられないの」

彼は、「おー、なんてこったい」と言いながら、それ以降、某チキンチェーン店のサラダラップサンドを買ってきてくれるようになりました。こうして罪悪感がありながらも、幸せなランチの時間を過ごせるようになりました。

トランクの中には!?

アムステルダムのトラム
写真提供:maru communicate 紀平真理子
肉とマイケル(仮名)の話をさらにもうひとつ。

彼に仕事終わりに「ちょっとこっちへおいで」と呼ばれたことがあります。ついて行ってみると、彼の車が。

彼が「ちょっとこれを見てごらん!」(ジャーン)と言って、トランクを開けると…

そこには見たことがないような大量の肉が部位ごとにビニール袋に入れられていました!精肉店で一頭買いしたと笑顔で話してくれました。

「一袋どうだい?」と、どこかの部位を差し出されて困惑した私は、また禁断のフレーズを言ってしまいました。

「私ベジタリアンだから、ごめん」

食の好みや文化の違いに逃げずに向き合えばよかった

アムステルダムでボランティア
写真提供:maru communicate 紀平真理子(食文化も編み込みスタイルもいろいろ!)
マイケル(仮名)と駆け引きをしながら、楽しいボランティア生活を送っていたのですが、今でも自分の対応方法に、心が痛むことがあります。

食への考え方はそれぞれの文化に起因するし、昼食にチキンだけ5本も食べられないのであれば、ちゃんと説明すればよかったな。調理したことがない部位を差し出されたら、素直に処理方法がわからないからとナイジェリアの食べ方を教えてもらえばよかったな。

その機会を自ら逃してしまったこと、また「ベジタリアン」という言葉でごまかしてしまったことに対して、いろいろな意味で申し訳ない気持ちでいっぱいです。この言葉は届かないだろうけど、彼に向けて言葉を贈ります。

「マイケル(仮名)、ごめんなさい。あなたの長年オランダに住んでいても流されず、自分の信念を貫く姿勢が嫌いではなかったです」

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おしゃれじゃないサステナブル日記

紀平真理子(きひらまりこ)プロフィール
1985年生まれ。大学ではスペイン・ラテンアメリカ哲学を専攻し、卒業後はコンタクトレンズメーカーにて国内、海外営業に携わる。2011年にオランダ アムステルダムに移住したことをきっかけに、農業界に足を踏み入れる。2013年より雑誌『農業経営者』、ジャガイモ専門誌『ポテカル』にて執筆を開始。『AGRI FACT』編集。取材活動と並行してオランダの大学院にて農村開発(農村部におけるコミュニケーション・イノベーション)を専攻し、修士号取得。2016年に帰国したのち、静岡県浜松市を拠点にmaru communicateを立ち上げ、農業・食コミュニケーターとして、農業関連事業サポートなどを行う。食の6次産業化プロデュ ーサーレベル3認定。日本政策金融公庫 農業経営アドバイザー試験合格。著書『FOOD&BABY世界の赤ちゃんとたべもの』
趣味は大相撲観戦と音楽。行ってみたい国はアルゼンチン、ブータン、ルワンダ、南アフリカ。
ウェブサイト:maru communicate

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