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ヤーコンは、栄養豊富で食べやすいヘルシー野菜
ヤーコンはさつま芋のような見た目をしていますが、梨のような香りと甘味に加えて「シャキシャキ」とした食感があります。芋のなかではカロリーが低いのも特徴のひとつです。また、加熱せずに生のまま食べることもでき、実は扱いやすい食材のひとつです。また、健康野菜と呼ばれるヤーコンには、整腸作用が期待される「食物繊維」と「フラクトオリゴ糖」という栄養素が含まれています。ヤーコンの原産地は南米アンデス高地であり、現地では果物のような感覚で食べるのが一般的です。日本での栽培は、1985年にニュージーランドから伝わったのがきっかけでスタートしました。その意味では比較的新しい野菜といえます。
ヤーコンは葉も根も全て食べることができ、主に根の部分は料理に、葉は加工して「ヤーコン茶」として利用され、健康志向の人たちに親しまれています。また、ヤーコンを乾燥させたチップスや、細かく粉砕したヤーコンパウダー、ヤーコンをブレンドしたコーヒーも登場するなど、その健康効果は各方面から注目を集めています。
ヤーコンの栄養や保存方法
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生でも食べられる!ヤーコンの食べ方のポイント
健康野菜のヤーコン、ぜひおいしく味わいたいですね。そのために、次の2つのポイントを押さえておきましょう。ポイント1 食感が残るように調理する
ヤーコンの大きな特徴は、シャキシャキとした食感にあります。調理する際には、この独特の食感が楽しめるようにしましょう。例えば、サラダに使う場合には千切りにしたり、加熱する場合にはさっと火を通す程度にします。ポイント2 変色を防ぐために下処理をする
ヤーコンは切ってから時間が経過すると、表面が茶色~黒色に変色していきます。これはヤーコンに含まれるポリフェノールの成分が空気に触れることにより起こる現象です。味自体は変化しませんが、見た目が悪くなるとおいしさも半減してしまいます。きれいな色味に仕上げるためには、少し厚めに皮をむき、酢水に数分間さらしてから使うようにします。ヤーコンの食べ方|定番にしたい簡単レシピ2品
ヤーコンが手に入ったら、まずはきんぴらとピクルスの2品を作ってみましょう。どちらも常備菜として少しずつ楽しむことができます。箸休めとして料理に添えたり、お弁当に入れたりするのもおすすめです。ヤーコンのきんぴら
ヤーコンをたっぷり使ったシンプルなきんぴらです。甘辛い味付けで子どもにも食べやすく、シャキシャキとした食感が楽しい一品です。〈材料〉2~3人分
・ヤーコン 小1本(120~150g)
・にんじん 4~5cm
・ごま油 小さじ1~2
・みりん・酒・しょうゆ 各大さじ1/2
・すりごま(お好みで)小さじ1
作り方
1.ヤーコンは皮を厚めにむいて、千切りにする。酢水(分量外)に数分間さらし、ザルにあげて水気を切る。2.にんじんは、ヤーコンと同じくらいの大きさの千切りにする。
3.フライパンにごま油を入れて熱し、2のにんじんを炒める。
4.にんじんがしんなりとしたら、1のヤーコンを加えてさらに炒める。みりん・酒・しょうゆを加えて、全体を炒め合わせる。器に盛り付けて、お好みですりごまを振る。
ポイント
・ヤーコンの食感が残るように、さっと炒めるようにしてください。・ゴボウやジャガイモなどほかの根菜類を加えると、ボリュームのある一品になります。
ヤーコンのピクルス
ヤーコンの独特の味わいは、ピクルスにもよく合います。変色しやすいヤーコンですが、酢を使ったピクルス液に漬けることできれいな色が長持ちします。〈材料〉作りやすい分量
・ヤーコン小1本(120~150g)
・酢・水 各50cc
・塩 小さじ1/4
・蜂蜜(または砂糖)小さじ1~2
作り方
1.ヤーコンは皮を厚めにむいて、食べやすい大きさに切る。2.鍋に熱湯をわかし、1のヤーコンにさっと火を通す(30秒程度)。ザルにあげて水気を切る。
3.小鍋に酢・水・塩を入れて加熱し、沸騰直前で火を止める。蜂蜜を加えて、よく混ぜて溶かす。
4.2のヤーコンを清潔な保存容器に入れて、3が熱いうちに上から注ぐ。粗熱が取れたら冷蔵庫に入れて、半日~1日程度置く。
ポイント
・ヤーコンを切ったら、早めに漬け込むようにしてください。漬けるまでに時間がかかる場合は、ヤーコンの変色を防ぐため酢水にさらすようにしましょう。ヤーコンを使った簡単養生ごはん
ヤーコンは、いつもの料理に少しだけプラスして楽しむこともできます。ヘルシーな料理に仕上げたいときや、食感に変化を付けたいときなどに重宝する食材です。ヤーコンの春巻き
いつもの春巻きの具材に、千切りにしたヤーコンを混ぜた春巻きです。ヤーコンの甘さがあるため子どもにも食べやすく、食感が楽しい一品です。このほか、餃子やシュウマイの具材としてみじん切りにして混ぜ込むのもよく合います。ヤーコンと白菜のサラダ
ヤーコンを生のまま使ったサラダです。千切りにしたヤーコンと白菜に塩を振って揉み、水分を搾った後に、お好みでツナなどを加えて和えます。写真は、整腸作用が期待されるヤーコンの特徴を生かして、ヨーグルトと塩こうじで味付けをしたものです。お好みで、ハーブやスパイスなどを加えるのもよく合います。ヤーコン入りスープ、味噌汁
ヤーコンが旬を迎える晩秋~冬は、こっくりした味わいの料理が食べたくなるころです。根菜類をじっくり煮込んだスープや味噌汁もおいしいですが、仕上げに刻んだヤーコンを加えてさっと火を通すと、食感が楽しい少し変わった味わいの一品になります。ヤーコン入りヨーグルト、ホットミルク
果物のような風味があるヤーコンは、デザートにも向いています。角切りにして酢水にさらしたヤーコンを、ヨーグルトや温めた牛乳(または豆乳)に加えてみましょう。お好みで蜂蜜やドライフルーツなどで甘さをプラスすると、より食べやすくなります。また、ブレンダーなどで攪拌してスムージーのようにするのもおすすめです。小腹が空いた時のおやつにも、罪悪感が少なく食べられる一品です。ヤーコンについて詳しく知りたい方は書籍もおすすめ
ヤーコンの歴史や栄養、食べ方などについて、もっと詳しく知りたいという方には書籍もおすすめです。歴史の古い野菜ですが、日本で知られるようになったのは最近のことで、栄養成分などにも注目が集まっています。ヤーコンをおいしく食べて、健やかに過ごそう
最近注目を集めている健康野菜「ヤーコン」は、栄養が豊富に含まれているだけでなく、果物のような感覚で気軽に食べられるヘルシー食材です。きんぴらやピクルスなどに使うだけでなく、サラダや春巻き、スープ、ヨーグルトなどいつもの料理に少量プラスしてもおいしく食べることができます。直売所やマルシェなどでヤーコンを見つけたら、ぜひ料理を作ってその魅力を感じてみてくださいね。ヤーコンをおいしく食べて、健やかに過ごせますように。