柚子の使い方①料理に。保存食と養生ごはん
柚子には「食べる」という楽しみがあります。料理の香り付けにもよく使われます。柚子が大量に収穫できた時などには、保存食にするのがおすすめ。小さい柚子は料理を盛り付けるカップとして使うのもすてきです。では、柚子を使った保存食と養生ごはんをご紹介しますね。材料を混ぜて待つだけ!「柚子ポン酢」レシピ
柚子を使った保存食のなかでも、簡単に作れるのが「柚子ポン酢」。材料を混ぜて待つだけで作れるので、初心者の方でも失敗が少ないです。手作りのポン酢は香りがとても素晴らしく、湯豆腐や鍋料理、温野菜のつけダレとして使うなど冬の料理に大活躍します。今回は、我が家でよく作っているシンプルなレシピをお伝えします。〈材料〉作りやすい分量
・柚子のしぼり汁 100cc
・しょうゆ 100cc
・昆布(3cm角)1~2枚
・みりん(お好みで)大さじ2
作り方
1.昆布はキッチンばさみなどで粗く刻むか、切り込みを入れておく。2.保存瓶に柚子のしぼり汁・しょうゆ・昆布・みりんを入れて、冷蔵庫で保管する。
3.1週間ほど経過したころから(少なくても1~2日間はおく)、旨味が出て全体に味がなじみ、おいしくなる。お好みで昆布を取り出していただく。
ポイント
・柚子のしぼり汁の量が足りない時は、酢を加えて調整してください。・酸味が苦手な方や、マイルドな味わいに仕上げたい時には、みりんを加えてください。
まだまだある!柚子を使った保存食
柚子を使った保存食は数多くありますが、今回はその一部をご紹介します。柚子味噌
柚子の絞り汁に味噌とみりんを加えて練り上げた「柚子味噌」。柚子ポン酢と並んで我が家でよく作る保存食ですが、ふろふき大根やこんにゃくなどの田楽、炊き立てのごはんの上に乗せるなど大活躍します。忙しい時にもこうした保存食があると、ホッとする味わいの料理に仕上がります。柚子胡椒
和のスパイスのひとつ「柚子胡椒」は、夏~秋の始まりにかけて収穫される青柚子と青とうがらしを細かく刻んだものに、塩を加えて寝かせて作ります。我が家ではおでんに柚子胡椒を添えることが多いですが、炒め物や汁物などいつもの料理に少し加えるだけでピリリとした香り豊かな味わいになります。柚餅子(ゆべし)
珍味やお茶請け、郷土料理としても知られる「柚餅子」。甘辛く味付けをした味噌を柚子に詰めて、軒下などに吊るして冬の冷たい風に約2カ月さらして作ります。柚餅子づくりのプロに教えてもらい私も昨年手作りしましたが、何ともいえない滋味深い味わいです。手間はかかりますが、贈り物などにも喜ばれる一品です。皮を使った柚子ピール
柚子の皮に砂糖を加えて作る「柚子(の皮)ピール」。苦味と甘味の両方が感じられます。お茶請けなどにそのまま食べてもおいしいですが、パウンドケーキなどのお菓子づくりなど混ぜて使うのもよく合います。小さい柚子も活躍♪柚子ジャム・柚子はちみつ
柚子に砂糖を加えて煮詰めれば「柚子ジャム」も作れます。もっと手軽に試したい場合には、種を取り除いて輪切りにした柚子にひたひたの量のはちみつを加えた「柚子はちみつ」もおすすめです。お湯で割れば「柚子茶」が手軽に楽しめます。柚子の使い方②暮らしを楽しむ
上品で爽やかな香りがある柚子は、古くから人々に愛され、暮らしのなかで広く利用されてきました。冬至の柚子湯はよく知られています。また、柚子の種は化粧水にも使われます。柚子湯に
冬至の「柚子湯」とは?
冬至は、二十四節気のひとつで、北半球では一年で最も昼の時間が短い日とされています。「冬至の日に柚子湯に入ると、風邪をひかない」という昔からの言い伝えがありますが、柚子には「融通がきく」、冬至には「湯治」という言葉の掛け合わせ以外にも、いろいろな意味が込められています。例えば「強い香りで邪気を払う」や「長い時間をかけて結実する柚子の姿から、長年の努力が実りますように」という意味などもあります。また、この日を境に太陽の出ている時間が長くなることから、冬至は「一陽来復(いちようらいふく)」という太陽の復活を祝う日です。冬至に食べる食べ物としては南瓜や小豆粥などもよく知られていますが、こうした食材を食べて、柚子湯に入ってリラックスして過ごすのもいいですね。
二十四節気については、下記の記事にてご紹介しています。
柚子湯の入り方
柚子湯の入り方には特に決まりありませんが、柚子を丸ごと入れると見た目も楽しくなります。1.1~2個の柚子を使う場合は、香りが出やすいように浅めに切り込みを入れておく(もし柚子が大量にあり、湯船にたくさんの柚子を浮かべる場合にはこの工程は省略してもOK)。
2.湯船に浸かっている間に中身が崩れてしまうのが心配であれば、ネットなどに入れてから湯船に浮かべる。
※爽やかな香りが楽しめる柚子湯ですが、小さなお子さんや肌の弱い方には刺激が強い場合もあります。不安な場合には、少量から試してみるようにしてください。
柚子の種の化粧水
柚子は皮や果肉だけでなく、種も余すところなく使うことができます。おばあちゃんの知恵では「柚子の種を使った化粧水」があり、柚子に含まれるペクチンという保湿成分を利用したものです。柚子の産地である高知県や徳島県などではよく手作りされているようです。私も作ったことがありますが、さっぱりした使い心地が印象的でした。柚子がたくさん収穫できた時などには、試してみてはいかがでしょうか。柚子の種の化粧水の作り方
〈材料〉作りやすい分量
・柚子の種 カップ1
・焼酎 カップ3~5(柚子の種の3~5倍の分量)
2.1の瓶に、柚子の種の3~5倍の焼酎を注ぐ。
3.冷暗所または冷蔵庫で保管して、1日1回は瓶を振って混ぜる。
4.1週間ほど経過して、トロミが付いてきたらできあがり。ザルなどで種をこして、清潔な保存容器に移す。
5.完成した化粧水は冷蔵庫で保管して、1カ月以内に使用する。
柚子の保存方法|香りを長持ちさせるには
柚子は、収穫から時間が経過するにつれて香りが落ちてきます。できるだけ早めに使い切るか、保存食などに加工するのがおすすめですが、もし難しい場合には、常温保存や冷蔵保存、冷凍保存などを行うようにしましょう。常温保存
常温で保存する場合には、乾燥を防ぐため、柚子を新聞紙にひとつずつ包んで冷暗所に置きます。冷暗所がなく、暖房などの使用により部屋全体が暖かい場合には、冷蔵庫で保存するようにしてください。保存期間の目安は、1週間~10日程度です。冷蔵保存
冷蔵庫で保存する場合も、常温保存と同じく新聞紙などに包むか、ポリ袋に入れるようにします。カットしたものは、表面が乾かないようにラップなどで覆います。こちらも保存期間の目安は、1週間~10日程度です。冷凍保存
「すぐには使わない」という場合には、冷凍保存しましょう。丸ごと保存
柚子湯などに丸ごと使う場合には、柚子を洗って表面の水分をしっかりと拭き取った後、切らずに丸ごとフリーザーバックやポリ袋などに入れて保存します。水分が残っていると、冷凍した時に霜が付く原因にもなり、柚子の風味が悪くなってしまうので注意してください。使う時は、使用する分だけ取り出して自然解凍します。絞り汁と皮をわけて保存しておくのも便利
もうひとつの方法として、柚子の絞り汁と皮の部分にわけて保存しておくと、料理などにも使いやすくておすすめです。柚子の絞り汁は製氷機などに入れて冷凍すると、少量ずつ利用できて便利です。皮の部分は、大きめにそぐように切り、ラップで包んだ後フリーザーバックなどに入れます。小さく切ったり空気に触れたりすると、表面から香りが逃げてしまうのでしっかりと覆うようにします。柚子の保存方法については、下記でも詳しくご紹介しています。