なぜ剪定が必要か
トマトを栽培していると日々の生長が目に見えて、収穫が待ち遠しくなってくるものです。でも、良い実をつけるためには、トマトの生育をきちんと管理してあげなければいけません。わき芽や余計な葉を取り除いたり、不必要な実を落としたりする一連の作業が「剪定」です。選定することで、実の方に栄養分が集中して収穫量を増やすことができます。
もし剪定をしないと、わき芽がたくさん伸びてしまい、花はたくさん付いても小ぶりな実ばかりになります。
今回は、トマトの健全な成育に必要な剪定方法の種類やタイミングなどについてアドバイスしたいと思います。
剪定にはいくつも種類がある
一口に剪定といってもさまざまな方法があります。今回は剪定の主な種類について1つずつご紹介していきます。わき芽かき
おそらく収穫終期まで行う剪定の1つで、何回も行うことになります。わき芽を放置しておくと、わき芽を伸ばすために養分が使われてしまい、実が十分に育たなくなります。
特に、花房下のわき芽は生長しやすく養分の消費が大きいので注意が必要。
具体的なわき芽の取り方については、以下の記事を参考にしてください。
摘果
トマトの実が小さいうちに落としてしまう作業が「摘果」。せっかくついた実ですが、残した実に栄養分が行き渡るようにして、大きな果実にするためです。
摘果の時期が早いほど養分の消費が少ないので、なるべく早く済ませた方が良いです。
摘葉
役割を終えた葉や実の生長を阻害している葉を取り除く作業が「摘葉」。早い時期から生えていた葉ほど、樹の生長に伴ってその役割を終えていきます。そのままにしていても次第に老化し枯れてはいくのですが、早めに取り除いておいた方がメリットがあります。下葉をかいてあげると通気が良くなり、病気のリスクが減ります。混みあった葉をかいてあげることで、実に光が当たりやすくなり品質も高まります。
収穫した段から下の葉は適宜取り除いてください。実を隠している葉も、部分的に取り除いて実に光が当たるようにすると良いでしょう。
摘心
ある程度生長したトマトの主枝の先端を切って、それ以上伸びないようにする作業を「摘心」といいます。「摘芯」と書く場合もあります。
私が栽培している夏秋トマトの場合だと、霜が降りる時期になると収穫を打ち切ります。となると、主枝を伸ばして花をつけ続けても意味がありません。
収穫打ち切りの時期から逆算して、最後に残す花房を決めたら、そこから先は摘心するというわけです。
最後に残した花房が生長するために、上2枚だけ葉を残して摘心します。
摘心するとその分わき芽が勢いよく伸び始めるので、わき芽もかいておいた方が良いです。
剪定も時期によって方法が異なる
剪定にはいろんな種類がありますが、トマトの定植期から収穫が終わる時期までの間に、どのタイミングで剪定を行えば良いかをお伝えします。生育初期~収穫期
トマトは定植した直後から、根を伸ばして土の養分を吸いグングン生長していきます。主枝の生長に伴いわき芽も伸びてくるので早めにかいてしまいたくなります。しかし、ここではグッとこらえてそのままにしておきましょう。定植後は、わき芽の生長が根の量を増大させることにつながります。わき芽の様子を見ながら第3花房が開花する頃を目安にわき芽かきを始めてください。
その後は、わき芽の生長に合わせてなるべく小さいうちに取り除きましょう。
第1果房の実が大きな梅の実程度の大きさになってきたら摘果のタイミング。
形や大きさを見ながら残す実を選んでください。大玉トマトの場合だと1段目は3~4個、それ以降は4~5個が適当です。
収穫期~栽培終期
トマトの品種にもよりますが、わき芽を一度かいた部分から再度わき芽が生えてくることもありますので、適宜取り除いてください。収穫作業を行いながら、実の生長に役割を終えた下葉や病気の葉などを取り除き、通気性を確保します。
あとは、収穫を終える花房を決めて摘心。わき芽かきも怠らないことで、養分を最後の実まで行き渡らせることができます。
剪定は大変だけど大事な作業
わき芽かき、摘果、摘葉、そして摘心。次から次に剪定作業に追われ大変かもしれません。でも私の経験上、剪定に費やした時間とトマトの出来は比例します。
せっかくトマトを育てるならば、大きくておいしいトマトを食べたいですよね。暑さのなかで行う剪定はハードな作業ですが、ぜひともチャレンジしていただきたいと思います。