ここでは、酪農ヘルパーの仕事内容や給与体系について解説します。
酪農ヘルパー制度とは
はじめに、酪農ヘルパーとはどのような職業なのか詳しく見ていきましょう。酪農ヘルパーは酪農家の休日を支える仕事
酪農ヘルパーが生まれたのは、365日休みなく搾乳を行う酪農家が休日を確保するためです。生き物を扱い搾乳を行う酪農家は、ほかの業種と比べて労働時間が長く休日がとりづらく、連休を取って旅行へ行ったり、ゆっくり体を休めたりすることができませんでした。その状況を改善してくれたのが、酪農ヘルパーという存在です。酪農ヘルパーを利用したい酪農家は、地域にある酪農ヘルパー利用組合に入るなどして、同じく利用を望む酪農家と交代で酪農ヘルパーを利用します。
搾乳だけじゃない!さまざまな仕事を体験できる
酪農ヘルパーは、酪農家が休みたいとき、どうしても仕事ができないときに、酪農家に代わって搾乳や牛への給餌を行います。そのほか、牛舎の掃除やトラクターを使った作業も含まれます。さらに、細かな仕事の内容や作業の順番は派遣先の酪農家によって異なります。酪農ヘルパーはきつい?作業内容と一日の流れ
酪農ヘルパーの仕事内容・時間、流れは次の表のとおりです(派遣先の酪農家によって時間や作業内容は多少異なる)。朝早く、夜遅くに終わる仕事ですが、日中の休憩時間が長いのが特徴です。休憩時間は酪農家のもとにいる必要はなく、自宅に帰って自由に時間を使えます。時刻 | 作業内容 |
午前5時 | 作業の引継ぎ・牛舎の清掃 |
午前6時 | 搾乳 |
午前7時 | 給餌 |
午前8時 | 子牛に哺乳 |
午前9時~午後3時 | 休憩 |
午後4時 | 牛舎の清掃 |
午後5時 | 搾乳 |
午後6時 | 給餌 |
午後7時 | 子牛に哺乳 |
午後8時 | 終了 |
酪農ヘルパーの給料は?実際の求人を見てみよう
次に、気になる酪農ヘルパーの給与体系について見ていきましょう。酪農ヘルパーの給料・年収は組合によってまちまち
酪農ヘルパーの給与は、雇用される酪農ヘルパー利用組合によって異なります。いくつかの酪農ヘルパー利用組合の求人内容を紹介します(2019年10月現在)。千歳市酪農ヘルパー利用組合は学歴・経験で月給が変わる
北海道千歳市の酪農ヘルパー利用組合では、基本給が高卒18万円、短大卒19万円、大卒20万円、経験者22万円と、学歴・経験によって細かく設定されています。賞与2回に燃料手当、寒冷地手当、住宅手当、扶養手当があり、社会保険に加入、退職金制度も用意されています。必要資格は運転免許のみです。
幌延町酪農ヘルパー利用組合は大特免許取得の助成制度に住宅も完備
北海道天塩郡にある幌延町酪農ヘルパー利用組合の給与は20万円から、さらに昇給が年に1回、賞与は年に3回もあります。退職給与もあり、通勤手当、住宅手当、家族手当、燃料手当、寒冷地手当など各種手当も手厚く、住宅も完備されているとのこと。北海道への移住を検討している人にもおすすめです。社会保険などの福利厚生に加え、大特免許取得のための助成制度も。応募できるのは18歳~50歳までの男女で普通免許(AT可)を所有している人です。未経験でも応募できます。
参考:酪農ヘルパー募集 |酪農ヘルパー全国協会
未経験でも大丈夫、なのに社会保障は完備で安心
酪農の仕事をしたことがない、牛を見たことがないという人でも、酪農ヘルパーになることはできます。牛のフンを掃除したり、牛の乳房に搾乳のための機器を装着したりと、慣れない仕事にはじめは戸惑うかもしれませんが、牛のかわいらしさにはまってしまう人も多くいます。農村部への移住を考えているのなら、就職先として社会保障完備で収入も安定している酪農ヘルパーを検討してみてはいかがでしょうか。
将来的に酪農家を目指している人にも酪農ヘルパーはおすすめです。牧場スタッフでは一つの牧場に従事するため、入社した牧場の状況や仕事内容しかわかりません。さまざまな酪農家の現状を仕事で体感できる酪農ヘルパーなら、将来自分が酪農家になる際に大いに役立てることができるでしょう。