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洗いにくい根菜を楽々・きれいに洗浄!二流体根菜洗浄機の費用対効果は?


キクイモ、生姜、サトイモなどの複雑な形状の根菜類の洗浄にお困りではないでしょうか。寒い時期のつらい洗浄、皮むけや傷がついてしまうため機械洗浄を諦めていた人に、二流体根菜洗浄機が注目されています。導入後の費用対効果や経営上、どのような効果があったのか、キクイモ生産者にインタビューしました。

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紀平 真理子

オランダ大学院にて、開発学(農村部におけるイノベーション・コミュニケーション専攻)修士卒業。農業・食コミュニケーターとして、農業関連事業サポートやイベントコーディネートなどを行うmaru communicate代表。 食の6次産業化プロデュ ーサーレベル3認定。日本政策金融公庫農業経営アドバイザー試験合格。 農業専門誌など、他メディアでも執筆中。…続きを読む

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二流体根菜洗浄機

撮影:藤原恵里
収穫された根菜類に付着した土や泥をどのように洗浄していますか。特に複雑な形をしている根菜類の場合、隙間に入った土を落としにくくて大変、寒い季節に手で洗うのでつらい、出荷前の忙しいときに専属の人員が付きっきりで長い時間をかけて洗っているなどさまざまなお悩みを持っている人もいるでしょう。

株式会社AZxの「二流体根菜洗浄機」は、それらのお悩みを解決すべく開発された今注目の洗浄機です。複雑な形状の根菜類を楽にきれいに、傷つけずに洗浄できます。実際に「二流体根菜洗浄機」を使用してキクイモを洗浄している有限会社一城農園の小林喜一郎さんに、「二流体根菜洗浄機」を導入する前の課題や導入後の使用感、費用対効果などについてお話を聞きました。

バブルでやさしく、水中ともずりできれいに

二流体根菜洗浄機
撮影:藤原恵里
株式会社AZxが開発した「二流体根菜洗浄機」は、キクイモや生姜などのでこぼこした根菜類の間に入り込んでいる泥汚れを気泡を含んだ水できれいに洗浄します。また、水流で野菜を浮遊・回転させて、作物同士の水中ともずり方式でやさしく洗うので、野菜の表面を傷つけることなく出荷時のロスを削減できます。

「二流体根菜洗浄機」はスイッチを入れると5〜10分程度で洗浄が終わるので、手洗いよりもスピーディーにたくさん洗えます。洗浄中に手が空き、スピーディーに洗えることで労働コストの削減も図れます。

さらに、従来のかけ流し洗浄より少ない水で洗浄できるため、水道代や電気代が節約できランニングコストの削減にもつながります。

※水中ともずり方式:水中で野菜同士をこすり合わせて汚れを落とす方式のこと

「二流体根菜洗浄機」の詳細はこちら

二流体根菜洗浄機の製品に関するお問い合わせはこちらから
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洗い残しや根菜に傷がつくのが悩み。根菜洗浄の課題

キクイモ洗浄
撮影:藤原恵里
長野県長野市でキクイモ栽培をする一城農園では、キクイモを収穫し一部を洗浄してから出荷しています。根菜洗浄の課題やお悩みを聞きました。

出荷前の洗浄は人件費、人材、時間の面で大変

一城農園は、約3.5ヘクタールの作付面積でキクイモを栽培し、年間で7〜8トンを収穫、そのうち5トン程度を市場を経由したスーパーマーケットへの販売、加工業者への販売、一般消費者へのインターネット販売などさまざまな販路で販売しています。パート従業員を含めた4〜8人で、収穫作業や選別・洗浄・調整・袋詰めなどの出荷作業を行なっています。

11月上旬〜12月に収穫されたキクイモは、選別し、手で土取りをした状態で保管され、3月ごろまで出荷されます。売り先の希望によっては、洗浄してから出荷しています。「洗浄を希望されるお客さまは多いのですが、手洗いだと人件費や人員の確保、時間の確保が難しく基本的にはお断りしていました。ただ、それでも一部のお客さま用に洗浄しています」と小林さんは言います。

極寒でどんなにつらくてもキクイモを洗い続ける

真冬に真水でキクイモを一つずつ丁寧に手洗いする作業はとても大変だと小林さんは話します。

水道ホースにつけたジェット状の園芸用散水ノズルで、コンテナから一つずつキクイモを手で取り出し、向きを変えて土が取れているか確認しながら手洗いして、洗浄済用のコンテナに入れるといった作業を続けてきました。多いときには1日に200キロ、平均で150キロのキクイモを洗っています。特に粘土質の畑で収穫されたキクイモの間にはさまった土を洗浄するのは大変です。水飛沫が飛んで体がぬれてしまったり、ホースが凍ってしまうトラブルに見舞われてしまったりしたこともあったそうです。特に氷点下になる冬場の朝の作業はつらいと小林さんは話します。

さまざまな洗浄機を試したが皮むけや傷で断念

キクイモ洗浄
撮影:藤原恵里
小林さんは、これまでにもさまざまな洗浄機を試してきたそうです。しかし、どの洗浄機もキクイモの間に入り込んだ土はきれいになるものの、水圧が強く皮がむけてしまい青果としては売り物になりませんでした。また、ブラシが回転しながら洗浄するタイプの洗浄機も試しましたが、こちらも繊細なキクイモは皮がむけてしまい品質を落としてしまうことがわかりました。

それでも、何か楽になる方法はないかヒントを探すために、小林さんはキクイモと形状が似ている生姜の卸問屋へ視察に行ったこともあります。そこで目にした光景は、大規模なライン式で自農園ではとても真似できるような規模や投資額ではなかったので諦めたと言います。投資額だけでなく、ラインを作るとなると人員が必要ですが、人材を集めるといった点でも、ラインの導入は難しいと考えました。

「いろいろと検討した結果、キクイモの皮を守りながらでこぼこしたイモの間に入り込んだ土をしっかりと落とすためには、ほどほどの水圧を使い一つひとつ手洗いすることが最も手堅い方法であると行きつき、つらくても続けていました」

と小林さんが振り返るように、長らく手作業での洗浄が続いていました。

二流体根菜洗浄機の導入。その使い心地は?

二流体根菜洗浄機
撮影:藤原恵里
農業関連の展示会などでも、小林さんは根菜洗浄機を探し続けていました。しかし、ダイコンやジャガイモなどの洗いやすい形状の野菜に限定された製品や、フィルターに土がたまらないことを前提とした二次洗浄用の洗浄機など、粘土質の土壌で、かつキクイモのような複雑な形状の作物に対応した洗浄機はなかなか見つかりませんでした。

そんな折に、小林さんはAZxの「二流体根菜洗浄機」と出会います。どんな土でも大量の気泡と水流でキクイモの隙間まできれいに洗い落とし、皮むけや傷もつかなかったことから導入に至りました

パート従業員さんも喜ぶ。簡単で速くて安全

導入後に「二流体根菜洗浄機」を使用した小林さんは、「簡単で、とにかく楽になりました」と言います。

二流体根菜洗浄機の使い方は、水槽に水を入れてキクイモ10キロを水槽に一度にすべて投入したらスイッチを押すだけです。数分後に洗い終わったキクイモを取り出して、コンテナの上からざっとシャワーをかけて仕上げれば洗浄が完了です。3年間、キクイモを手で洗浄し続けたパート従業員さんも「これまでは一つずつ洗っていましたが、10キロ一度に洗えるようになって本当に楽になりました」と笑顔を見せます。

小林さんは、「二流体根菜洗浄機」は気泡と水流で洗浄しているので、パートさんが水槽の中に手を入れても安全なことも安心して導入できた理由だと言います。

洗浄中にほかの作業ができて効率化が図れた

キクイモ洗浄機
撮影:藤原恵里
スイッチを押してから洗い終わるまでの数分間で、作業をしているパートさんは次に洗うキクイモのコンテナと、洗い終わったキクイモを取り出すコンテナの準備ができるようになったと言います。これまでの手洗いでは、1つのコンテナが完了すると、散水ノズルを置いて、次のコンテナを取りに行っていたので、大幅に作業の動作が減り、パートさんの負担も、作業の効率化も図れました。

メンテナンスも簡単

メンテナンスもシンプルでわかりやすいと小林さんは言います。「一回洗浄するごとに水を入れ替える必要はなく、水槽の下層部に泥がたまってきたら、栓を抜いて水を流して、新しい水に入れ替えるだけで誰でもわかりやすく手入れも簡単です」

洗浄機で販売形態や経営が変わる!?

さらには、「二流体根菜洗浄機」の導入により販路や販売形態、ひいては経営にも何らかの変化をもたらす可能性があると小林さんは話します。これまでは、お客さまからの洗浄した状態で出荷をしてほしいと要望があっても、時間的人員的な要因を含めて対応が難しかったのですが、作業時間を削減できたことで、お客さまのご要望にお応えできるようになりました。

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ランニングコストも作業時間も低減!費用対効果について

二流体根菜洗浄機
撮影:藤原恵里
手洗いで何とかできているので、費用をかけてまで洗浄機の導入は…とためらう人もいるかもしれません。小林さんは、「二流体根菜洗浄機」の導入後に、水道代や作業時間の削減などの費用対効果も多々感じていると言います。

作業時間が半分以下に

「二流体根菜洗浄機」によって、作業量も減り、洗浄時の動作も少なくなったことで労働が楽になったということを一番実感しているそうです。「実際に作業するパートさんが喜んでいて、それだけでも購入した価値がありました」と小林さんは言います。

150キロのキクイモを洗浄するのにかかる時間は、手で洗浄していた場合だと1人で7〜8時間かけていたところ、「二流体根菜洗浄機」では半分以下の3時間で終えられるようになりました。また、これまでは洗浄に1日、洗浄後の調整や袋詰め作業に1日の合計2日かけて行っていた出荷作業を、導入後は洗浄、袋詰めを合わせて1日で終えられるようになり従来の半分の時間で完了するようになったそうです。

水の使用量も半分以下に

使用する水道量も、実感として手洗いの半分か半分以下になったと小林さんは言います。ブラシ付でかけ流すタイプや浮いた汚れをそのまま捨てるオーバーフロー方式の洗浄機と比較しても、「二流体根菜洗浄機」は使用する水の量も節約できます。それは、水槽の水を循環させ、水流により作物同士を水中でともずりする方式で洗い、下部に汚れがたまったら水を入れ替えればよいため、かけ流す必要がないからです。

皮むけが少なくロス率も低下

これまで試用した洗浄機では皮むけや傷がついてしまい出荷ロスが多かったそうですが、「二流体根菜洗浄機」では洗い方がやさしいので皮むけが少ないと小林さんは言います。「散水ノズルでの手洗いの方が水を強く出しすぎてしまい皮がはがれてしまうこともあったので、手洗いと比較しても出荷ロスが減ったことを実感しています

キクイモだけでなく、生姜やサトイモの洗浄にも

二流体根菜洗浄機
撮影:藤原恵里
二流体根菜洗浄機が農園によい効果をもたらしていると話す小林さんに、ほかにどのような生産者に二流体根菜洗浄機をおすすめしたいか?と尋ねたところ、粘土質土壌のキクイモがきれいに傷なく洗浄できるので、どんな土質でどんな作物でも洗浄できるとした上で、以下のような生産者に適しているのではないかと言います。また、1日に100〜200キロ程度以上洗浄しているのであれば、導入コストをかけても経費削減につながるのではないかと話します。

二流体根菜洗浄機をおすすめしたい生産者
・ゴツゴツしたコブの間に土がひっかかって洗いにくい作物(キクイモ、生姜など)を栽培している人
・ブラシ洗浄だと皮むけしやすいサトイモなどを栽培している人
・散水ノズルや桶を使い大人数で手洗いをしている人

またAZxでは標準のポンプ式の他に、エンジン式ポンプに変更することも可能で、電気がなくても水さえあれば畑で洗浄も可能がなるなど、使用する環境や作業の流れによって個々の農園ごとに細かいカスタマイズもできるそうです。


洗浄機の導入で、経営者も従業員も笑顔に

二流体根菜洗浄機
撮影:藤原恵里
キクイモ、生姜、サトイモなどの特に洗浄が難しい作物を栽培している人の中には、極寒の中つらくても手で洗浄を続けたり、傷がついてしまっても仕方ないとあきらめたりしている人もいるのではないでしょうか。二流体根菜洗浄機で複雑な形状の根菜類が少ない労働負担や時間で楽にきれいに洗浄できるようになると、従業員も喜びます。もちろん、水道代や労働コストも削減できるので経営者も満足です。小林さんのようにさまざまな洗浄機を検討してもうまくいかなかった人や、つらくても手洗い洗浄を続けている人もぜひ、二流体根菜洗浄機の導入も検討してみてください。

二流体根菜洗浄機の詳細

二流体根菜洗浄機
提供:株式会社AZx
 

製品仕様

装置構成洗浄用水槽・水中ジェットノズルおよびポンプ
適用野菜難洗浄根菜(キクイモ、生姜、ヤーコン、アピオス、ヤマトイモなど)
概算処理能力20kg/回(推奨値)
消費電力750W(AC100V 電気式ポンプ使用の場合)
水槽容量200L
サイズ幅1,544×奥行833×高さ1,097mm(台車込み)
重量133kg
希望小売価格オープン価格
製品詳細URLhttps://www.azx-inc.co.jp/ws/

製品紹介動画

企業概要

株式会社AZx【エイザックス】は2019 年に設立された、エムケー精工株式会社(長野県千曲市)の100%子会社です。エムケー精工グループが展開する「美・食・住」の事業領域の中で、市場のニーズを捉えた開発・製造・販売を進めています。これまでのグループ会社では取り扱いのない製品群の開発・販売を通じ、「美・食・住」領域における新たなマーケットの模索を目指しています。

製品についての問合せ先

株式会社AZx(エイザックス) 担当:本田

電話番号:026-272-8438

E-mail:[email protected]

URL: https://www.azx-inc.co.jp/

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取材協力

一城農園
撮影:藤原恵里

有限会社 一城農園

長野県長野市でキクイモやニンニクを栽培し、生キクイモなどを販売しています。
一城農園HP:http://www.ichijo-nouen.jp/

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