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キクイモやショウガなどを楽にきれいに!二流体根菜洗浄機とは?
二流体根菜洗浄機の優れた機能は、ともに新開発で特許取得済みの「水中ジェットノズル」と「ろ過構造」にあります。その構造と開発についてお聞きしました。水中ジェットノズルって?
まず気になるのは「水中ジェットノズル」。二流体というのは気体と液体のことで、気泡を含んだ大水流により、固まった泥をていねいに洗い流す仕組みです。二流体の洗浄自体は珍しい方法ではないそうですが、「二流体根菜洗浄機」に使われているのは水流を増幅させる新しい構造。「細かい気泡を出すマイクロバブルやファインバブルの研究を2017年ごろから行っていて、この技術を根菜洗浄機に流用できないか、というところから研究は始まったのですが、開発を進めるなかで、根菜を洗うのに繊細な泡は不向きだということがわかりました。今の形の水中ジェットノズルの本格的な開発は2020年から始まりました」と荒井さん。
二流体根菜洗浄機に採用されたのは100μm以上の「ミリバブル」、いわゆる普通の泡です。「実際に動かしてみると、洗浄機にはミリバブルとの相性がよいことがわかりました。それはどうしてかというと、乱流が発生しやすくなるからです」。例えば、葉物野菜を洗ってみると、ミリバブルで生じる大きなうねりのある水流は、結球野菜の葉っぱの間にも入り込むのだそうです。でこぼこした形状のキクイモやショウガなどの根菜類でも、くぼんだ部分に水流がいきわたりやすいというわけです。
新開発のろ過構造とは?
従来の洗浄機では、野菜についた虫や異物を水と一緒に水槽からあふれ出させて、ろ過した水だけ戻す方式のものが多かったといいます。この方式の場合、浮上したゴミはろ過できますが、水の中に浮遊したゴミが取り除けないという欠点がありました。「当社の洗浄機は、フィルター自体を水槽の中に沈めてあるので、水中に浮遊しているゴミもろ過します。つまり、水槽内で水をろ過して循環させる方式になっているのが特長です」。詳しい仕組みは企業秘密とのことですが、フィルターが詰まりにくい工夫もされているようです。野菜を傷つけない「水中ともずり方式」
二流体根菜洗浄機のもう一つのメリットは、水中ともずり方式で根菜類を洗い上げることにあります。「ともずり方式の機械では、数本の回転ブラシが容器の中で動き、野菜を回転させてともずりをします。これだと摩擦力が強く、例えばさといものひげを取る、甘皮部分までむくといった効果はあるのですが、表皮が軟らかい種類の根菜だと傷物になり、出荷できなくなってしまいます」。そこで、AZxの洗浄機では、水流で野菜を回転させて洗う方式をとりました。水の緩衝効果で、強い摩擦や衝撃が生じにくく、出荷ロスの低減を実現しています。
※ともずり方式:野菜同士をこすり合わせて汚れを落とす方式のこと
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根菜洗浄機があれば寒い季節の手洗いは不要に!
荒井さんたちは、以前から農家の声を直接聞いてきました。「複数の農家さんから、根菜類の出荷前の洗浄がとても大変だという話をお聞きしました。また、既存の機械で洗うと農作物に傷が付いてしまうことがある、という悩みもご相談いただいていました」。根菜類の収穫は秋~冬のものが多く、寒い季節に冷たい水を使って手洗い作業をすることになります。これらの悩みを解決するのが二流体根菜洗浄機です。二流体根菜洗浄機は、水槽に水をためて根菜を投入し、スイッチを入れるだけでOK。稼働中は人が張り付いている必要もありません。洗浄時間はキクイモで5~10分程度です。湿った土も乾いた土も、大量の気泡と水流が隙間まで洗い落とすので追洗浄も不要です。
オプションがあれば鬼に金棒!
出荷前の仕上げには、オプションの高圧ミスト洗浄ガン(湿式)または高圧エアーブロー(乾式)が便利です。高圧ミスト洗浄ガンは仕上げ洗い、高圧エアーブローは野菜の乾燥を行うもの。根菜が生長する中で噛んでしまった小石などは、洗浄機でとりきれないこともありますが、この2つのどちらかを使えば簡単に吹き飛ばすことができます。また、高圧エアーブローは出荷前の水切り作業の手間と時間を短縮してくれます。ランニングコストも作業時間も低減!
二流体根菜洗浄機の実証試験では、ランニングコストや作業時間が大幅に削減できることがわかっています。ランニングコストの削減
1. 水道代
二流体根菜洗浄機は140Lの水をためて使う方式。水を掛け流して使う機械だと10分で約2,000Lの水を使うため、比較すると遙かに少ない水量で済むことがわかります。2. 電気代
回転ブラシ式だと5馬力のパワーが必要ですが、二流体根菜洗浄機はわずか1馬力。かなりの電気代節約が望めます。また、「電源がないところでも使えるようにしてほしい」という農家の声を受け、スペックさえ合えば市販の電気式ポンプ、エンジン式ポンプを接続して使うことも可能になっています。「電気式ポンプの場合、100Vのほか三相200V電源にも対応できます」と荒井さん。作業時間の低減
「実証試験に参加した農家さんでは、洗浄作業にかかっていた時間が約半分になりました。それまで、手洗い作業をしていた洗浄時間、ハンドブラシなどで傷付いてしまった根菜のハネダシ作業、仕上げの手洗い作業が大幅に低減されたからです。」と荒井さん。今後もさまざまな要望に対応可能な根菜洗浄機
第1号機の水槽容量は200Lですが、今後は1,000Lくらいまで大容量サイズのラインアップも増やしていく予定です。「自社で開発・設計しているものですから、『このサイズが欲しい』というご要望があれば対応できます」という頼もしい言葉も荒井さんからいただきました。
二流体根菜洗浄機の詳細
製品仕様
装置構成 | 洗浄用水槽・水中ジェットノズルおよびポンプ |
適用野菜 | 難洗浄根菜(キクイモ、新ショウガ、ヤーコン、アピオス、ヤマトイモなど) |
概算処理能力 | 20kg/回(推奨値) |
消費電力 | 750W(AC100V 電気式ポンプ使用の場合) |
水槽容量 | 200L |
サイズ | 幅1,544×奥行833×高さ1,097mm(台車込み) |
重量 | 133kg |
企業概要
株式会社AZx【エイザックス】は2019 年に設立された、エムケー精工株式会社(長野県千曲市)の100%子会社です。エムケー精工グループが展開する「美・食・住」の事業領域の中で、市場のニーズを捉えた開発・製造・販売を進めています。これまでのグループ会社では取り扱いのない製品群の開発・販売を通じ、「美・食・住」領域における新たなマーケットの模索を目指しています。製品についての問合せ先
株式会社AZx(エイザックス) 担当:本田
電話番号:026-272-8438
E-mail:[email protected]
URL: https://www.azx-inc.co.jp/
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