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地方移住に向けて仕事を探す中で、地域おこし協力隊の募集を見かけた人も多いのではないでしょうか。3年間地域のために活動しながら、自分のやりたいことを形にしていく。魅力的に思える一方で、運用体制や活動環境を不安に感じる人も多いでしょう。
このような不安に対して、岡山県真庭市では独自の仕組みで隊員たちをサポートしています。そして、任期終了後の定着率は7割と、全国平均の6割を上回ります。そんな真庭市地域おこし協力隊の特徴を探るべく、真庭市役所の担当職員と現役隊員にお話を伺いました。
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地域おこし協力隊とは
地域おこし協力隊は、2009年に開始された総務省の制度です。制度の目的は、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に移住し、農林漁業や特産品開発、住民支援などの地域活動を行いながら、その地域への定住を図ることです。隊員は都市部から地方に移住し、自治体からの委託を受けて活動に取り組みます。任期は1~3年で、自身の経験やスキルを生かして地域の課題解決や発展のために活動します。
具体的な活動内容や条件、待遇は自治体によってさまざまです。任期を終えた人を含めると、令和2年度で約5,500人が日本全国で活動しています。
(参考)総務省「地域おこし協力隊」
地域おこし協力隊になるステップ
地域おこし協力隊になるには、募集している自治体に応募して選考を受ける必要があります。そのステップを解説します。
STEP1. 情報を集める
まずは情報を集めましょう。自治体によって活動内容や条件、待遇は異なります。農業や観光PRなど、具体的な活動内容が決まっている地域があれば、「あなたのスキルや経験を生かして地域を盛り上げてください」と、フリーミッション型の地域もあります。いずれの場合も、その地域が自分に合うか、円滑に活動できそうか意識して情報を集めましょう。移住相談会に行って話を聞いたり、実際に現地に行ったりするのがおすすめです。
移住の情報収集方法についてはこちら!
STEP2. 応募して選考を受ける
移住したい自治体が決まったら、その自治体に申し込みましょう。その後は書類選考と面接があります。面接の詳しい内容は自治体によって異なるので、その地域の先輩隊員に聞くなどして情報を集めておきましょう。
STEP3. 採用されたら住民票を移す
無事に採用が決まって自治体から委嘱を受けた後は、活動する自治体に住民票を移します。そして、地域おこし協力隊として活動を始めます。ここで注意すべきは、住民票を移すタイミング。必ず委嘱が決まってから住民票を移すようにしましょう。「その自治体に住民票がある人には地域おこし協力隊の任命ができない」ことがルールで決まっています。焦らずに、委嘱を受けるまで落ち着いて待ちましょう。
真庭市地域おこし協力隊の特徴|公務員としての採用も
地域おこし協力隊が円滑に活動し、任期終了後も活動を続けられるためにも、周囲のサポートは欠かせません。真庭市では、協力隊担当の真庭市役所交流定住推進課を中心に、サポート体制が充実しています。その特徴について、真庭市役所交流定住推進課の小谷佳嗣さんにお話を伺いました。
特徴1.“公務員”として採用
真庭市では、市役所の会計年度任用職員として地域おこし協力隊を採用します。このメリットは、公務員として採用されるため、福利厚生が充実していることです。

特徴2.採用までの面談が丁寧
地域おこし協力隊の採用で起こりやすいのが、隊員と自治体のミスマッチ。実際に活動してみて「こんなはずじゃなかった」という事例も存在します。真庭市ではミスマッチを防ぐために、採用の段階でかなり丁寧に話し合いを進めます。

特徴3.活動拠点がある
真庭市では、真庭市交流定住センターが地域おこし協力隊の活動拠点となっています。
活動拠点があるメリット
・着任初期で何をすべきかわからないときでも、センターに行けば何らかの情報を集められる
・市役所は異動があるが、センタースタッフは異動がなくメンバーが変わらないため、ノウハウが蓄積される
・活動の悩みを他の隊員や協力隊OB、OGに相談できる
地域おこし協力隊として活動していると、ふとしたときに“孤独”を感じることがあります。拠点があり、「センターに行けば仲間がいる」という状態なので、隊員が安心して活動できる環境となっています。
特徴4.月に2回の協力隊会議で“横のつながり“を強化
真庭市では月に2回、協力隊全員が集まる「協力隊会議」を行っています。会議の内容は、活動の進捗共有や課題の相談などがメインです。この会議の目的は、隊員同士の横のつながりを作ること。隊員同士で協力して活動したり、悩みや不安を相談できたりする関係性を築きます。また、会議には市役所職員や協力隊OBOG、交流定住センタースタッフも参加します。

このように、真庭市地域おこし協力隊は採用段階でミスマッチを防ぎ、採用後は活動しやすい環境が整っています。その結果、スムーズに活動に取り組むことができ、高い定着率につながっています。
明確な目的を持った人が集まる真庭市地域おこし協力隊
では、真庭市の地域おこし協力隊を希望するのはどんな人が多いのでしょうか。
やりたいことが具体的な人からのお問い合わせが多い

小谷さんは「協力隊としてやりたいことが明確な人が集まる背景には、協力隊が積極的に情報発信していることが理由ではないか」と言います。真庭市地域おこし協力隊は、Facebookやホームページでそれぞれの活動を発信しています。ホームページには、OBOGの情報も掲載されています。情報が整理されているため、見る人に「活動の基盤が整っていそう」「自分も仲間に入りたい」という印象を与えるのでしょう。
現役隊員の声|協力隊活動だけでなく、家族へのアフターケアも手厚い
では、現役隊員は活動環境や真庭市についてどう思っているのでしょうか。
真庭市地域おこし協力隊5代目リーダーの池田将(いけだしょう)さんにお話を伺いました。
池田将さんプロフィール
真庭市地域おこし協力隊になって1年3カ月(2021年11月時点)。前職で動画制作・映画製作に取り組んでいたことを生かし、真庭市をPRする動画コンテンツの制作などに取り組んでいる。
地域おこし協力隊になったのは、ネットワークを広げられそうだから
東京で暮らしていた池田さんは、子育て環境を求めて移住先を探していました。移住相談会で真庭市ブースを訪れたときに、先輩移住者が“まるで自分の故郷かのように”真庭のことを語る姿に魅力を感じ、真庭市に興味を持ちました。その後移住を進める中で、地域おこし協力隊を紹介されます。

地域と密接に関わりながら活動できるのが魅力
池田さんの活動の1つに映像制作がありますが、実際は”映像制作ではなくふるさとづくりをしている感覚”と語ります。

家族のことも気にかけてくれる
地域おこし協力隊として移住する課題の1つに、一緒に移住したパートナーが孤独を感じやすいということがあります。隊員は活動を通して地域のネットワークを広げられますが、パートナーは地域コミュニティへの入り方に苦労することが多いのです。しかし池田さんは、真庭市では周りの人たちが家族のことも気にかけてくれると言います。

真庭はユニークに生きられる場所
最後に、池田さんに真庭市地域おこし協力隊の印象について伺いました。

真庭市地域おこし協力隊の活動はFacebookや活動通信をチェック
真庭市では、行政などのサポート体制や協力隊会議などの仕組みが整っているため、地域おこし協力隊が活動しやすい環境となっています。また、隊員の家族も気にかけるなど、暮らしの面もケアしています。隊員とその家族を、大切な仲間としてサポートする。そんな体制が、高い定住率につながっているのでしょう。
真庭市地域おこし協力隊はFacebookやホームページ、そして「協力隊通信Pione(ピオネ)」で活動を発信しています。詳しい内容が知りたい人は、ぜひチェックしてみてくださいね。



























