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黒米の栄養と効能、デメリットはある?「おばあちゃんの知恵」に学ぶ黒米の炊き方と簡単おいしい養生ごはんレシピ【管理栄養士監修】

黒米の栄養と効能とともに、ダイエットや便秘・癌への効果と口コミ、玄米や白米に加えて炊く黒米ごはんの炊き方、毎日食べる場合のデメリットについてお伝えします。また、黒米の読み方やカロリー・糖質量についても解説します。黒米だけでの炊き方や黒米を使った甘酒レシピやおはぎなども紹介します。


黒米

写真提供:養生キッチンふうど
真っ黒な色が特徴の黒米。いろいろな種類の雑穀と一緒にブレンドされていることも多く、白米などに混ぜて食べている人もいると思います。では、黒米にはどんな栄養が含まれているのでしょうか。今回の記事では、黒米の効能やデメリット、炊き方、黒米を使った簡単おいしい養生ごはんを紹介します。

黒米の読み方とルーツ

黒米
出典:写真AC
黒米の読み方は「くろまい」または「こくまい」です。一般的には「紫黒米(しこくまい)」のことを黒米と呼んでいるケースが多いです。

黒米の原産地は中国とされ、漢の時代から食べられてきたといわれています。皇帝の料理や薬膳料理などにも使われ、別名「薬米」とも呼ばれています。かつては、お祝いの料理やお供え物にもよく使われていました。中国の伝説の美女「楊貴妃(ようきひ)」が食べていたという話もあります。

古代米「黒米」の栄養と効能

黒米
出典:写真AC
黒米の種皮には、ポリフェノールの一種「アントシアニン」が含まれています。この成分はブルーベリーに含まれていることでよく知られており、目の疲れの緩和や老眼の予防のほか、高い抗酸化作用があるといわれています。

参考:わかさの秘密|アントシアニン

このほか、黒米はたんぱく質や脂質、ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンEなどのビタミン類、食物繊維、鉄分も含有しています。

黒米は日本のお米のルーツともいわれており、赤米や緑米などと同じく「古代米(こだいまい)」の一種です。その栄養価の高さや見た目から、別名「長寿米」「黒真珠」とも呼ばれることもあります。
※参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

黒米のカロリーと糖質|ダイエットや便秘への効果と口コミ

黒米は、白米(めし)に比べてカロリーと糖質量(差引き法による利用炭水化物)が少ないです。100gあたりのカロリーは、黒米が150kcal、白米(めし)が156kcalであり、糖質量(差引き法による利用炭水化物)は黒米が28.9g、白米(うるち米)が36.1gとなっています。黒米には独特の食感があり、よくかんで食べることで満足感を得やすいです。ダイエットにもおすすめの食材といえるでしょう。自然な甘さがあるため、「黒米を食べていると甘いものを欲しなくなる」という口コミなどもあります。また、黒米には食物繊維が豊富に含まれており、便秘予防にも効果が期待できそうです。
※参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

癌への影響は?

黒米に含まれるアントシアニンという成分には抗酸化作用のほか、多くの効能が期待できるといわれています。昨今、癌(がん)予防への効果についての研究が進められています。

※参考:科学研究費助成事業データベース|細胞癌化抑制能を有するアントシアニンの細胞シグナル伝達経路の解明

黒米は玄米?もち米?

黒米は、精製していない玄米と同じ状態です。黒米と一口にいってもいろいろな品種がありますが、黒米の代表的な品種「朝紫(あさむらさき)」はお餅を作るもち米と同じモチ品種です。白米などに黒米を混ぜて炊きこむと、モチモチとした食感になるのはこのためです。
※参考:農研機構|東北農業研究センター「有色米ってなに?」

黒米のデメリット|毎日食べるときのポイントは?

黒米
写真提供:養生キッチンふうど
黒米は炊き方によっては硬さが残りやすく、胃腸の負担になりやすい食材です。よくかまずに急いで食べたり、たくさんの量を食べ過ぎたりすると、胃もたれや下痢などの不調につながりやすいです。黒米をおいしく食べて栄養をしっかりと摂取するためには、「しっかりと吸水させてから炊く」「よくかんで食べる」「食べ過ぎないようにする」などに気をつけるようにしましょう。


黒米ごはんの炊き方

黒米
出典:写真AC
いつものお米に、黒米を加えて炊いてみましょう。黒米をプラスすることで鮮やかな紫色になり、冷めてももっちりとした食感が楽しめます。我が家でも黒米をよく使いますが、食卓がぱっと華やかになるのも魅力のひとつです。黒米ごはんでおにぎりを作ったり、お弁当に入れたりするのもおすすめです。

基本の黒米ごはんを炊いてみよう

まずは基本の炊き方を紹介します。分量の目安は「米1合に対して黒米は大さじ1」です。好みに応じて、黒米の量を加減してください。黒米を増やす場合は、水の量も追加するようにしましょう。黒米の量が増えると、色合いがより濃くなります。

〈材料〉作りやすい分量
・米(白米や分づき米など) 2合
・黒米 大さじ2
・水 420~430ml


作り方

1. 米は事前にといでザルにあげておく。
2. 釜に米と黒米を入れて、2時間程度水に浸す。
3. 普段と同じように炊く。炊きあがったら、しゃもじなどで軽くまぜればできあがり。

ポイント

黒米は水にしっかりと浸すようにします。浸水時間が足りないと、硬さが残ってしまいます。急いでいる場合でも、最低1時間は浸水させてください。白米とは異なり、黒米は研がずに使用しましょう。黒米の黒色は表面の皮の部分に含まれているため、水で洗うと色が溶け出してしまうからです。

お好みでひとつまみの自然塩を加えて炊くと、浸透圧により黒米の色が出やすく、風味がより引き立ちます。炊飯器ではなく圧力鍋などを使うと、さらにもっちりとした仕上がりになります。

黒米だけで炊く!「黒米のおかゆ」もおすすめ

黒米
写真提供:養生キッチンふうど
黒米だけで炊くと、ツヤツヤとした漆黒の黒米ごはんになります。その際のポイントは、「半日程度(12時間程度)かけてしっかりと浸水させる」ことです。浸水させた後は、いつものごはんと同じように炊きます。もち米の品種を使えば、もちもちとした独特の食感を存分に楽しめます。

ちなみに、私がよく作るのは「黒米のおかゆ」です。上の写真のとおり、黒々とした色に仕上がります。インパクトのある色に驚く人もいるかもしれませんが、自然な甘さがあり素朴な味わいです。黒ごまやくるみ、クコの実、梅干しなどをトッピングするのもよく合います。

〈黒米のおかゆ/材料〉2人分
・黒米 0.5合
・水 600ml
・塩 ひとつまみ

黒米だけの炊き方は、黒米を半日程度浸水させた後、塩ひとつまみを加えて炊きます。炊飯器を使う場合は、炊飯器の目盛りに合わせて水加減を行い、「おかゆモード」で炊いてください。

玄米に黒米を加えて炊くのもおすすめ

黒米
写真提供:養生キッチンふうど
ボソボソとした食感が残りやすい玄米も、黒米を加えて炊くことでもっちりとして食べやすく仕上がります。写真は、玄米を水に浸して作った発芽玄米と黒米を組み合わせて炊いたものです。玄米独特の食感が苦手な人や、小さな子どもにもおすすめの食べ方です。

黒米を使った簡単おいしい養生ごはんレシピ

黒米
写真提供:養生キッチンふうど
黒米は主食として食べるだけでなく、いろいろな料理に活用できます。たとえば、手巻き寿司やちらし寿司などに黒米ごはんを使うのもおすすめです。アジアの国々では黒米を使うことも多く、ビビンバのごはんとして利用したり、ココナッツミルクと組み合わせたデザートなどもよく見かけます。ここでは、昨今人気の「黒米の甘酒」のレシピとともに、簡単に作れるおやつやデザートへのアレンジを紹介します。

黒米の甘酒は、素朴な風味が魅力!

黒米 甘酒
写真提供:養生キッチンふうど
黒米を使った甘酒は、プチプチとした食感が楽しく、やさしい甘さがあるのが特徴です。甘酒づくりには温度管理が必要です。「発酵メーカー」などの専用の機械がなくても、家庭の炊飯器の「保温モード」で代用できます。ここで紹介するのは、炊飯器を使った手軽な作り方です。

できあがった甘酒は、そのまま食べるのはもちろん、お湯や温めた豆乳で割って飲むのもおいしいです。みりんや砂糖の代わりに、料理に活用するのもよく合います。まとめて作っておくと、とても重宝しますよ。


〈材料と道具〉作りやすい分量
・黒米 0.5合
・米こうじ(乾燥) 250g
・水 220~230ml
・料理用の温度計


作り方

1.黒米を半日程度浸水させた後、炊飯器などでおかゆを炊く。炊けたらスイッチを切ってふたを開け、60℃程度になるまで冷ます。
2.こうじを手でほぐして、おかゆに加えて混ぜ合わせる。
3.「保温モード」にセットして、60℃前後の温度が保てるように、炊飯器のふたを軽く閉めたり、清潔なふきんをかぶせたりして調整する。
4.1~2時間ほど経過したら、清潔なスプーンなどで全体を軽く混ぜる。途中で何度か様子をみながら、さらに6~8時間程度待つ。味をみて、好みの甘さになっていればできあがり。

ポイント

材料や気温などによって、保温する時間が変わります。保温時間が長過ぎると酸味が出るので、注意しましょう。特にはじめて作るときには、様子をみながら時間を調整するようにしてください。

できあがった甘酒は冷蔵庫に入れて、1週間程度で食べ切るようにします。食べ切らない場合は、小分けにして冷凍保存してください。冷凍保存した甘酒は、1カ月程度日持ちします。

黒米の甘酒はスーパーや通販でも入手できる!

「手作りする前に、黒米の甘酒を味わってみたい」という人もいるかもしれません。黒米を使った甘酒は、スーパーや通販などでも入手できます。気になる人はぜひチェックしてみてくださいね。

黒米のおはぎやお団子は、お祝いにもぴったり

黒米 団子 
出典:PIXITA
黒米はおはぎやお団子づくりにもよく合います。かつては、お祝いや神様へのお供えものとして黒米を使ったおはぎが使われていました。その代わりとして、小豆を甘く煮た「あんこ」が登場し現在にいたるといわれています。黒米は、黒砂糖や黒ごま、黒大豆きなこなど黒い食材との相性も抜群です。祝いの席やおもてなしにはもちろん、歴史に思いをはせながら、体にやさしいオリジナルの甘味を作ってみてはいかがでしょうか。

黒米のお汁粉は、ヘルシーなおやつが食べたいときにおすすめ

黒米 お汁粉
写真提供:養生キッチンふうど
黒米は、小豆やナッツ類、ドライフルーツともよく合います。写真は、柔らかく炊いた黒米に小豆やくるみ、クコの実などを加えて黒砂糖で甘さを付けた「お汁粉」です。そのときにある食材と組み合わせて、やさしい甘さのお汁粉を作ってみませんか。

黒米と相性のよい小豆には、いろいろな効能があるとされています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

黒米をおいしく食べて健やかに過ごそう

黒米
出典:写真AC
古くから食べられてきた黒米。ツヤのある黒色が特徴で、アントシアニンをはじめさまざまな栄養が含まれています。白米とは異なり硬さが残りやすいので、今回紹介した「炊き方」を参考にしてみてくださいね。

黒米は、普段のお米に混ぜて使うだけでなく、おやつやデザートにも活用できます。ぜひ、いろいろなアレンジを試してみてはいかがでしょうか。黒米をおいしく食べて、健やかに過ごせますように。

おばあちゃんの知恵を活用しよう!バックナンバーはこちら

おばあちゃんの知恵

栄養監修 宮崎奈津季
管理栄養士、薬膳コーディネーター。介護食品メーカーで営業を2年間従事した後、独立。レシピ開発、商品開発、レシピ本の栄養価計算などの経験あり。現在は、特定保健指導、記事執筆・監修をメインに活動中。

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松橋 佳奈子

早稲田大学を卒業後、企業とNPOにてまちづくりの仕事に10年以上携わる。その間にバックパッカーとして35カ国を訪問・視察し、世界各地の風土と食文化について考察を深める。2014年に薬膳とおばあちゃんの知恵をベースに「養生キッチンふうど」を立ち上げる。現在は愛知県を拠点とし、風土食やエシカル、ソーシャルビジネスについての執筆活動を行っている。主な資格は、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)と国際薬膳師。

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