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あずき茶とは?
あずき茶とは、小豆を煮出したお茶のこと。小豆独特のほんのりとした甘さと香りがあって、ホッと一息付きたい時にぴったりの飲み物です。小豆の煮汁は、世界最古とされる中国の薬学書『神農本草経』に「解毒剤として利用されていた」と記されています。また日本では『古事記』や『日本書紀』にも小豆が登場し、私たちと小豆の間には古い歴史があることがわかります。最近はティーパックやペットボトル入りのものなどもよく見かけ、無印良品やカルディでも人気ですが、実は手軽に手作りできます。保温ボトルを使えば、材料を入れて待つだけで完成!あずき茶は私も大好きでよく飲んでいますが、体がポカポカと温まり巡りが良くなっていくのを感じます。
女性にうれしい!あずき茶の効果
むくみ解消などが期待できる小豆の効能
食養生やおばあちゃんの知恵では「小豆は腎臓の形に似ているため腎臓の働きを助ける」と古くからいわれてきました。実際に小豆にはカリウムが豊富に含まれており、薬膳では利尿作用や解毒作用が期待されています。また、女性に不足しがちな鉄分、ポリフェノール、食物繊維なども含まれています。美と健康に意識の高い方だけでなく、更年期の方からも注目されている食材のひとつです。「あずきバー」のメーカー、井村屋さんが小豆の抗がん効果を研究したという話も。
参考:あずき煮汁の抗腫瘍効果について
小豆の栄養はお茶で手軽に摂取
昔は小豆の赤色は「魔除け」「厄払い」の意味があるとされ、かつては、旧暦の1日と15日(新月と満月)の日にはあずきご飯を食べる習慣がありました。「あずきご飯を炊くのは面倒!」という場合でも、簡単でおいしいあずき茶であれば続けられるのではないでしょうか。女性にうれしい小豆の栄養を、日々の生活にぜひ取り入れていきたいですね。一般的なおしるこやあんこは白砂糖をたっぷりと使ったものも多いですが、あずき茶に必要な材料は小豆と水だけ。小豆の栄養を、シンプルに取り入れることができます。
あずき茶を作ってみよう!
ではさっそくあずき茶を作ってみましょう。小豆をそのまま煮出すだけでも作れますが、最初に煎ってから煮出すと香ばしい風味に仕上がります。上の写真の右側が煎る前の状態、左側が煎ったものです。あずき茶の事前準備:小豆を煎る
あずき茶を飲みたい時、小豆を毎回煎るのは手間がかかります。小豆をまとめて煎って保存しておくと、すぐに使えて便利です。〈材料〉作りやすい分量
・小豆 100~150g(鍋またはフライパンに入る量)
作り方
1.小豆を厚手の鍋またはフライパンにできるだけ重ならないように並べる。木べらで混ぜるか鍋などを揺すって焦げないように気を付けながら、弱火で10分程度煎る。2.焼き色が付いて、香ばしい匂いがしてきたら火を止める。粗熱が取れたら、保存容器に移して保存しておく。
あずき茶の作り方:煎った小豆を煮出す
〈材料〉1人分
・煎った小豆 大さじ1
・水 1カップ(200㏄)
作り方
1.煎った小豆と水を鍋またはやかんに入れて、火にかける。沸騰したら弱火にして、10分煮出す。2.火を止めて10~15分程度蒸らす。お好みで、小豆をこしていただく。
ポイント
・鍋ややかん、小豆の種類によって、煮出す時間や蒸らす時間は変化します。様子を見ながら、調整してください。・煮出したあずき茶にお好みで自然塩をひとつまみ加えると、小豆の風味がより引き立っておいしいです。
より手軽に、水筒に材料を入れて待つだけの作り方もご紹介します。
材料を入れて待つだけ!水筒で作るあずき茶レシピ
「煮出す手間を省いてもっと手軽にあずき茶を作りたい」という方におすすめなのが、保温のできる水筒を使った作り方です。材料を入れて1時間程度待つだけで、おいしいあずき茶のできあがり。出勤や通学する際に材料を入れておけば、職場や学校であずき茶を楽しむことができます。〈材料〉できあがり300㏄程度
・煎った小豆 大さじ1.5
・熱湯 1.5カップ(300cc)
・保温のできる水筒
作り方
1.保温のできる水筒に煎った小豆と熱湯を入れて、蓋をする。2.1時間程度待てば、できあがり。
ポイント
・水筒に入れた小豆も、お好みで食べられます。・水筒の容量に合わせて、小豆と熱湯の量を調整してください。鍋などで煮出す場合と同様に、煎った小豆大さじ1に対して、熱湯1カップ(200㏄)が目安です。
あずき茶をアレンジ!「あずきココア茶」を作ってみよう
そのまま飲んでもおいしいあずき茶ですが、アレンジすると楽しみがもっと広がります。最近人気を集めている「あずきココア」をご存知でしょうか。お湯などで溶かすだけのインスタントタイプを含めていろいろな作り方がありますが、今回はあずき茶を使った私のレシピをご紹介します。あずきココア茶の作り方
〈材料〉1人分
・あずき茶 100㏄
・豆乳または牛乳 100cc
・ココアパウダー 大さじ1
・黒糖(または蜂蜜)小さじ1(お好みで量を調整してください)
作り方
1.鍋にあずき茶とココアパウダー、黒糖を入れて、よく混ぜながら加熱する。2.1が沸騰し始めたら、豆乳を加えて沸騰直前で火を止める。
ポイント
甘味として蜂蜜を使う場合は、火を止めた後に加えて混ぜ合わせてください。最後に加えることで、蜂蜜の香りや風味をより楽しむことができます。あずき茶は、ほうじ茶や黒豆茶との相性も抜群!
あずき茶は、ほうじ茶やルイボスティー、黒豆茶などと組み合わせるのもよく合います。あずき茶の独特の風味が和らぐので、子どもにも飲みやすくなります。作り方は、煎った小豆にほうじ茶などの茶葉や煎った黒豆などを加えて、一緒に煮出します。残った小豆のおいしい活用法
あずき茶に使った小豆はそのまま食べられますが、料理に活用することもできます。あずき茶を作る過程で加熱しているので、小豆が適度に柔らかくなっており使いやすいのも魅力です。小豆と南瓜の煮物(いとこ煮)
小豆と南瓜を煮た料理で、マクロビオティックや食養生などでは定番の一品です。砂糖などは使わずに、少量の自然塩やしょうゆなどでシンプルに味付けをします。おかずにはもちろん、子どものおやつにもぴったりです。このほか「小豆とレンコン」「小豆とゴボウ」など、小豆と根菜を組み合わせた煮物もおいしいです。小豆と昆布のごはん
研いだお米に残った小豆を加えて、通常通りの方法で炊きます。お好みで、細かくカットした昆布やひとつまみの自然塩を加えるのもよく合います。ほんのりと色を付けたい場合には、水の代わりにあずき茶を加えて炊くのもおすすめです。小豆入りカレー、煮込み料理
あずき茶に使った小豆を、カレーや煮込み料理に加えてトロトロになるまで加熱します。小豆のやさしい風味が料理に移って、素朴な味わいになります。少し意外に感じるかもしれませんが、小豆はスパイスとの相性も抜群です。あずき茶で健やかに過ごそう
小豆は、女性に嬉しい栄養がたっぷりと含まれ、古くから私たちの暮らしを支えてきた食材です。小豆をシンプルに煮出したあずき茶は、独特の甘さと香りがあっておいしいのはもちろん、小豆の栄養をしっかりと摂取できます。香ばしい風味を楽しむためには、煎ってから煮出すこともポイントです。また、残った小豆は料理に余すところなく利用することができます。あずき茶を日々の生活に取り入れて、おいしく健やかに過ごせますように。小豆は家庭菜園でも簡単に栽培できます。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
小豆を使ったあったかエコカイロも手作りできますよ。