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- AGRI PICK 編集部
AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。…続きを読む
第2回のテーマは、畑がなくてもベランダやお庭のプランターで始められる「菌ちゃん農法」。子どもに安心でおいしい野菜を食べさせたい。でも畑はないし、農業の経験もない……。そんなお母さんにこそ知ってほしい、土づくりから始める野菜づくりのお話です。
🌲山は肥料を使っていないのに、なぜ豊かなの?
「山って、誰も肥料をあげていないのに木も草も元気に育っていますよね?
あれは、土の中の”菌ちゃん”——糸状菌(しじょうきん)という微生物たちが、落ち葉や枝を分解して良い土に変えてくれるから。
同じことを、プランターの中でもできるんじゃないか? それが菌ちゃん農法の考え方なんです」とAyaさんは話します。
菌ちゃん農法とは、土壌中の糸状菌などの微生物の力を借りて、肥料や農薬を使わずに野菜を育てる自然農法のこと。
竹や小枝、枯れ葉といった有機物を土に入れて、菌が繁殖しやすい環境をつくるのがポイントです。
🐛 元気な野菜には、虫がつかない?
「なぜ農薬を使うかというと、虫がつくから。じゃあ、なぜ虫がつくかというと、植物が元気じゃないからなんです」
Ayaさんによると、虫には消化吸収の機能が弱く、不健康な野菜が出す物質に害虫はよってくる性質があるそうです。化学肥料で見た目だけ整えた野菜は、実は虫を呼びやすい状態になっていることも。菌ちゃん農法で土から元気にしてあげれば、野菜自身の力が高まり、虫がつきにくくなるといいます。
「外見ばかりきれいなものが売れる時代だけど、私は本物をつくりたいんです」
🌱 プランターなら、もっと気軽に始められる
Ayaさんは畑で菌ちゃん農法に取り組んできましたが、高畝(たかうね)づくりは機械を使わず手作業だったため、かなりの重労働。菌が安定するまではトライアンドエラーの連続で、気候にも左右され、結果もすぐには出なかったそうです。
「でも、プランターだったらハードルがぐっと下がります。畑でやることを、小さなプランターの中でやるだけですから。土の量が少ない分、気軽にチャレンジできますよ」
🛒 用意するもの
必要なものはとてもシンプルです。
プランター
:大根が育てられるくらいの深さがあるもの。カラフルな不織布プランターを使えば、ベランダが華やかになります。好きな色を選ぶのも楽しみのひとつ。小さすぎると土の量が足りないので、ある程度の大きさは確保してくださいね。
有機物
竹、小枝、枯れ葉など。公園や道路に落ちているものでOKです。除草剤が使われていなさそうな場所のものを選びましょう。竹なら確実。杉の葉は空気が入りやすくておすすめです。うまべらしの木を切った木屑なども使えます。5cm〜10cmの厚みで入れるイメージです。
軽石
プランターの底にネットに入れて敷くと水はけがよくなります。籾殻でも代用できます。
黒マルチ
ホームセンターやダイソーで手に入ります。小さいサイズならダイソーが便利。黒いゴミ袋でも代用OK。湿気と保温を保つために使います。
ホームセンターで有機の土を買って混ぜるとさらに手軽です。ただし、化学肥料が入っている土だと菌がうまく育たないので、そこだけ注意してください。
⏱ 土づくりは30分。あとは待つだけ
プランターの土作りの順番。
- プランターの底に軽石を敷く
- 小枝
- 土
- たっぷりの落ち葉や枯れ枝
「こんなんでいいの?って思いますよね(笑)」とAyaさん。作業自体は30分ほどで完了。あとは約3カ月、菌が育つのを見守るだけです。菌の繁殖は決してハードルが高くないそうなので、気負わずに待ちましょう。
📅 土づくりのスタートはいつ?
菌の繁殖には気温が必要なので、スタート時期は大切です。
目安として、3月に土づくりをスタートすれば6月ごろから野菜づくりを始められます。
紀南エリアなら12月に土づくりを始めても、5月ごろには準備が整います。
マルチをかけて保温すると菌の広がりが早まり、肉眼でも確認できるようになるそう。
白い糸のようなものが土の表面に見えたら、菌ちゃんが元気に育っているサインです。
🥬 何が育てられる?
土さえできてしまえば、あとは普通の野菜づくりと同じ。水やりをして育つのを待つだけです。
Ayaさんのおすすめは、まず小松菜やラディッシュ。20日ほどで収穫でき、初めてでも成功しやすい野菜です。相性の悪い組み合わせでなければ混植もOK。トマトを育てるなら、ハーブとの組み合わせがおすすめだそう。
うれしいのは、連作もできること。土を少しずつ足していけば、同じプランターでずっと野菜を育て続けられます。腐食が減ってきたなと感じたら、枯れ葉や小枝を追加してあげてください。追加の目安としては、年に1回程度です。
💕 まずは一つ、プランターから
「土さえつくれば、あとは一緒。ほぼ、土づくりなんです」とAyaさん。
プランターでの菌ちゃん農法はまだ始めて1年ほどだそうですが、手応えは十分。枯れ葉を少しかき分けて、種をまく。
たったそれだけで、子どもと一緒に安心な野菜が育てられるなんて、ちょっとワクワクしませんか?
Ayaさんは今後、土づくりキットの販売も考えているとのこと。活動の様子はInstagramで発信しています。
👉 AyaさんのInstagram:sanchu_farm
難しい知識も、特別な道具もいりません。まずはプランターひとつ、枯れ葉ひとつかみから。小さな一歩を踏み出してみませんか?


























