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- Akiko Isono
編集者兼ライター。家庭菜園・ガーデニング専門誌の編集に8年間携わり、現在は雑誌やムック、WEBを中心に、植物、農業、環境、食などをテーマとした記事を執筆。好きな野菜はケールとにんじん。…続きを読む
そんなコアなパクチーファンにぜひ味わってほしいのが、「パクチー・ファラン」。パクチーよりも香りが強く、タイやベトナムの料理になくてはならない食材なのだとか。
「パクチー・ファラン」はどんなハーブなのか、徹底調査してみました!
パクチー・ファラン、ノコギリコリアンダー……呼び方はいろいろ
パクチー・ファランは、パクチーと同じセリ科のハーブ。香りはよく似ていますが、植物としては別モノです。パクチー・ファランはタイ語での呼び方で、同じく料理によく使うベトナムでは、「ムイ・タウ」や「ゴー・ガイ」と呼ぶそうです。タイやベトナム料理のお店に行ったら、ぜひメニューをチェックしてみましょう!
日本での一般的な呼び方は、「ノコギリコリアンダー」。細長くノコギリのようなギザギザの葉から、こう名付けられました。ほかには「オオバコエンドロ」という呼び方もあります。
パクチー・ファランの食べ方は?
パクチー・ファランは、普通のパクチーよりも香りが強く、タイやベトナムのほかに、カンボジア、ラオス、シンガポール、マレーシアなどで料理の風味付けに利用されています。タイ料理といえばまず名前の挙がる、トムヤムクンに使われるほか、タイやラオスで一般的な、ライムや魚醤で味つけしたひき肉と香草のサラダ・ラープ、米粉を使ったベトナムの麺・フォーのスープにもパクチー・ファランが欠かせません。パクチーとほとんど同じように使えるので、生春巻きやエスニック風サラダ、ラーメンのトッピングなどに加えてもおいしそうですね。
ひとつ注意してほしいのは、パクチー・ファランは葉が大きく育つとかたくなり、食感が悪くなります。できるだけ小さめの若い葉を使うか、大きな葉は細かく刻んで使うのが、おいしく食べるコツです!
パクチー・ファランは育てられる?
パクチー・ファランは、お店に出回ることはまだほとんどないので、いち早く味わいたい人は、自分で育てるのがおすすめです。種もネットで購入できますよ。
ノコギリコリアンダー 60粒 (種)
ノコギリコリアンダー 60粒
ロングコリアンダーとも呼ばれます。風味はコリアンダーと似ており、同じ香りを持ちます。若葉と根は食べられます。中華料理、東南アジア料理(タイ、ベトナム、インドなど)、メキシコなどの中南米料理に欠かせないハーブです。
・内容:種 60粒
・参考価格:290円前後
・内容:種 60粒
・参考価格:290円前後
ノコギリコリアンダー(パクチーファラン)タイ産(種)
パクチーファラン(ノコギリコリアンダー)種・タイ産
種が小さいので、播種時に土をかぶせる必要はありません。春まきと秋まきができますが、西日本以南で栽培する場合は、トンネルやハウスでしたら冬場でも可能。プランターでもOKです。
パクチーファランの種は成育が難しく、発芽に3週間~1カ月以上かかる場合がございますので水切れに注意しましょう。
※直播はほぼ間違いなく失敗します。
・参考価格:520円前後
パクチーファランの種は成育が難しく、発芽に3週間~1カ月以上かかる場合がございますので水切れに注意しましょう。
※直播はほぼ間違いなく失敗します。
・参考価格:520円前後
時期的に今シーズン用にはもう遅いかなと思いつつ播種してみたところ、2週間ほどで発芽してきました。土に直接蒔くよりも、ロックウールやジフィーセブンのようなものに蒔いたほうが成績いいみたいです。
いま本葉が出てきたのでロックウールごと畑に植えつけてみたところ。
収穫が楽しみです。 出典:楽天市場
パクチー・ファランはエリンジウムの仲間
ガーデニングでよく植えられる「エリンジウム」という草花がありますが、じつはパクチー・ファランはこの植物の仲間。栽培方法も同じです。涼しく乾燥気味の環境を好むのと、直射日光に当たると葉がかたくなりやすいので、プランターに種をまいて、風通しのよいベランダなどで育てるのがおすすめです。真夏は半日陰にプランターを移動させれば、葉がゴワゴワになるのも防げますね。
春か秋に種をまくと、1週間~10日で発芽します。成長はゆっくりめですが、最初のうちはしっかり日に当て、水を切らさないように気をつけながら育ててください。葉が伸びてきたら、全部取りきってしまわないように気をつけて、必要な分だけ収穫します。
エリンジウム
エリンジウムは、ブルーやメタリックカラーのかわいらしい花が人気の植物ですが、夏に花を咲かせて種をつけると、その後枯れてしまいます。葉の収穫が目的なら、小さな蕾のうちに摘み取っておくと、少し収穫期間が引き伸ばせます。少しでも長く収穫したいなら、10月ごろに種をまいて、秋から翌年の春まで収穫するスケジュールがよさそうです。パクチー・ファランで本格エスニック!
パクチーよりも香りが強く、料理に加えると本場感をぐんとアップさせてくれるパクチー・ファラン。パクチーブームのその先には、こんなマニアックな野菜が流行するかもしれません!エスニック好きの方は、レトルトのタイカレーやインスタントラーメンなどに、ちょい足しするのもおすすめ。まだまだ未知の野菜ではありますが、むずかしく考えず、あなただけの食べ方をぜひ開発してみてくださいね。