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園芸家
Shabomaniac!幼少期から40年以上、世界中のサボテンと多肉植物を栽培している園芸家。栽培が難しい種の播種や育成、新種の輸入にも早くから取り組む。実体験に基づく栽培方法や、自身が所有・栽培する植物の写真、自生地巡りの紀行をブログとInstagramで発信。長年の栽培経験に基づく豊富な知識で愛好家たちからの信頼も厚い。 Blog:http://shabomaniac.blog13.fc2.com Instagram:@shabomaniac 著書:『珍奇植物 ビザールプランツと生きる』(日本文芸社)、『多肉植物サボテン語辞典』(主婦の友社)…続きを読む
ドルステニアの特徴
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ドルステニア属の植物は世界中の熱帯・亜熱帯地域に分布し、120〜170種類ほどあるとされています。そのうち日本で園芸種として人気を獲得しているのは10種程度しかありません。観葉植物や熱帯植物のカテゴリにもまたがっており、マニアの間での通称として、塊根から幹を伸ばすタイプは「肉ドルス」、葉が繁って木っぽくないものは「草ドルス」などと呼ばれています。ドルステニア属の植物に共通する特徴としては、個性的な花が挙げられます。20世紀から鑑賞用に親しまれてきた種もありますが、園芸植物としての歴史は浅く、人気が出始めたのは割と最近です。多くは草本か多肉質の低木で、美しい葉と円盤状のユニークな花、肥大した幹や塊根をもつものが珍奇植物として注目されています。
ドルステニアの自生地
現在、園芸用に栽培されているもののほとんどは東アフリカが原産です。ソマリアやケニア、タンザニアといったほぼ赤道直下で冬が存在しない熱帯地域に生育しています。ドルステニアの花
ドルステニアの花は、基本的に緑っぽく派手さはないものの、掌を広げたような星形で非常にユニークです。円盤状の花序(かじょ)の縁には細長い突起があり、花盤(かばん)の上に無数の小さな花が隙間なく並びます。入手のしやすさ
フォエチダなどの普及種は入手しやすい一方、希少で人気のあるギガスやギプソフィラなどは入手困難です。ドルステニアの基本情報
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分類 | クワ科ドルステニア属 |
原産地 | 世界の熱帯・亜熱帯地域 |
生育型
春秋型、夏型栽培適温
寒さに弱いものが多いため、冬は最低10℃を保って管理しましょう。生長速度
遅め〜普通栽培難易度
簡単〜普通ドルステニアの人気種
ここからはドルステニア属の人気種について、それぞれの特徴を紹介していきます。栽培難易度は、星の数(☆~☆☆☆☆☆)で表示していますので、育てる際の参考にしてください。星の数が少ないほど栽培難易度が低くなります。ギガス(Dorstenia gigas)
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栽培難易度 | ☆☆☆ |
自生地の株はパキポディウムのグラキリウスのように丸々と幹が太っていますが、栽培下では基部が太い棒状になりやすく、マニアたちはいかにして丸く育てるかを追求しています。ソコトラ諸島では野生植物の採取ができないため、輸入株はほとんど出回っておらず、日本で流通しているのは実生株が大半です。実生苗の方が挿し木よりも幹が肥大しやすい傾向にありますが、挿し木でも時間をかければ幹を太らせることはできます。栽培はそこまで難しくないものの、手に入りにくいために希少種として扱われており、大変人気があります。
ソコトラ諸島
「インド洋のガラパゴス」と呼ばれる諸島。リュウケツジュやアデニウム・ソコトラナムなど、ソコトラ諸島固有の多肉植物も多い。
ギプソフィラ(Dorstenia gypsophila)
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栽培難易度 | ☆☆☆ |
ザンジバリカ(Dorstenia zanzibarica)
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栽培難易度 | ☆☆ |
バルニミアナ(Dorstenia barnimiana)
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栽培難易度 | ☆☆ |
フォエチダ(Dorstenia foetida)
栽培難易度 | ☆ |
シノニム
同一と考えられる種や属に複数の名前が与えられている場合、それらはシノニム(同物異名)となり、syn.と表記される。
ランキフォリア(Dorstenia crispa var.lancifolia)
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栽培難易度 | ☆☆ |
※エキゾチカ:「エキゾチカ」は多肉界では極めて有名なドイツの業者。10年ほど前までは、いわゆる珍奇植物・コーデックスのほとんどがここから日本に入ってきました。
ラブラニ(Dorstenia lavranii)
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栽培難易度 | ☆☆ |
ドルステニアの育て方
水やり
ギガスやギプソフィラは乾燥気味にした方が順調に育ちます。ほかの種は水を好むので、生育期であれば1週間に1回以上と多めに水やりしても大丈夫です。日当たり
年間を通して日当たりのよい場所に置きます。大半の種は夏場に屋外で日ざらし、雨ざらしにしても丈夫に育ちます。ただ、バルニミアナは草の中に埋もれるようにして自生しているため、直射日光は苦手です。ほかにもラブラニなど小型のものは岩の隙間などに生えていることが多いので、日射を加減してあげてください。寒さには非常に弱いため、最低5℃、できれば10℃を保ちましょう。用土・肥料
一般的な多肉植物・サボテン用の用土と肥料を使用します。ドルステニアの植え付け・植え替え
植え替えは基本的に年1回、少なくとも2〜3年に1回は行います。適期は生育期に入ってすぐか、生育期に入る直前です。比較的に成長が旺盛なので、まめに植え替えた方が早く育ちます。多肉植物の植え替えにはこちらの記事で詳しく解説!
ドルステニアの剪定・切り戻し
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ギガスなど枝が伸びるものは適度に剪定して形を整えましょう。枝を剪定したり芯止めしたりすると、塊根や幹が太りやすくなります。
芯止め
茎の先端を切って成長点をつぶし、脇の枝や脇目の生長を促す栽培技術。
ドルステニアの殖やし方
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ギガスやギプソフィラは簡単には結実しないので、剪定した枝を挿し木にして殖やします。フォエチダは放置していても勝手に自ら種をまくので殖やしやすいでしょう。