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梨の栄養や効能は?「おばあちゃんの知恵」に学ぶ、冷蔵・冷凍保存のコツと簡単おいしい養生ごはん【管理栄養士監修】

梨の栄養や効能とともに、他の果物とのカロリー比較や、りんごとの栄養の違いや妊娠中の女性(妊婦)も食べられるかについて説明しています。あわせて、梨をおいしく食べるための冷蔵保存・冷凍保存の手順やポイント、梨を使った簡単養生ごはん(料理・おやつ・お茶)も紹介しています。


梨

出典:写真AC
夏の終わりから秋に旬を迎える果物、梨。みずみずしくてシャキシャキとした食感があり、人気のある果物のひとつです。梨は水分量が多くさっぱりとした味わいですが、実は、体にうれしい栄養が豊富に含まれていることをご存知でしょうか。そこで今回は、梨の栄養と効能とともに、おいしく冷蔵・冷凍保存する方法、梨を使った簡単養生ごはんについてご紹介します。

「栄養はない」って本当?梨の栄養と効能とは【管理栄養士監修】

梨
出典:PIXTA
水分が多くてジューシーな味わいの梨。その水分の多さから「梨には栄養がない」といわれることもありますが、そんなことはありません!では、梨の栄養や効能にはどのようなものがあるのでしょうか。

梨には「アスパラギン酸」や「カリウム」が豊富!

梨には、アミノ酸の一種「アスパラギン酸」が豊富に含まれています。アスパラギン酸は、エネルギー源として最も利用されやすいアミノ酸といわれています(※1)。疲労回復効果が期待されており、栄養剤などにも利用されています。また、梨は果物のなかでも体内の余分な塩分を排出する働きが期待される「カリウム」を多く含んでいます。

このほか、タンパク質分解酵素「プロテアーゼ」や整腸作用の期待される果糖「ソルビトール」、抗酸化作用が期待される「ポリフェノール」なども含まれています。

※1 参考:味の素株式会社 「アミノ酸大百科 アスパラギン酸

ほかの果物と比べて、梨のカロリーは?

梨
出典:写真AC
梨は種類によって、カロリーが異なります。100gあたりのカロリーを見ると、日本梨(皮付き)は38kcal、西洋梨(皮付き)は48kcalとされています。ほかの果物の100gあたりのカロリーは、りんご(皮付き)は56kcal、みかんは49kcal、ぶどうは58kcal、バナナは93kcalです(※2)。梨は、りんごやみかん、ぶどう、バナナなどの果物に比べて低カロリーです。

※2 出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

りんごとの栄養の違いは?

秋の代表的な果物といえば、梨とりんごですね。梨は夏の終わりごろから出回り始め、りんごよりも少し早く旬を迎えます。では、梨とりんごに含まれる栄養にはどんな違いがあるのでしょうか。

梨に含まれる主な栄養として、アスパラギン酸やカリウムなどを紹介しました。それに対してりんごは、整腸作用があるといわれる水溶性食物繊維「ペクチン」や、疲労回復効果の期待される有機酸「リンゴ酸」や「クエン酸」などが含まれています。

梨はりんごに比べると、糖質が若干少なく水分量が多いという特徴があります。好みや必要に応じて、使い分けしてみてもいいかもしれません。

妊娠中に梨はOK?妊婦も食べられる?

水分が多くてみずみずしい梨は、妊娠中に食べたくなる果物のひとつです。妊娠すると便秘や高血圧などの不調に悩まされる人も多いですが、整腸作用があるといわれる「ソルビトール」や体内の余分な塩分を排出する働きが期待される「カリウム」が含まれているため、栄養面でも梨はおすすめといえるでしょう。

梨には妊婦にうれしい栄養が豊富に含まれていますが、食べ過ぎは禁物です。梨には体を冷やす作用があるため、食べ過ぎると体が冷えて下痢などを起こす場合もあります。カロリーの取り過ぎに注意して、適量を楽しむようにしましょう。

薬膳では、梨は「熱を冷まして体を潤す食材」

薬膳では、梨は熱を冷まして、体を潤す食材とされています(※3)。空気が乾燥し始める初秋など、喉の渇きを抑えたい時にもよく使われます。薬膳料理では、体を潤すとされる食材「杏仁(あんにん)」「白きくらげ」「はちみつ」と組み合わせたり、梨を甘く煮てコンポートやゼリーなどを作ったりすることも多いです。また中国の民間療法には、梨を甘く煮詰めたシロップなどもあります。

※3 参考:本草薬膳学院 薬膳LAB.「梨」

梨をおいしく冷蔵・冷凍保存する方法

洋梨
出典:Pixabay
梨は常温で保存していると、鮮度がどんどん落ち、腐ってしまう場合もあります。梨は基本的に常温ではなく、冷蔵保存するようにしましょう。もし長期間保存したい場合には、冷凍保存するのがおすすめです。

梨を冷蔵保存する|切らずにまるごと包む

梨を冷蔵保存する時は、カットしないでそのまま冷蔵庫に入れます。ペーパータオルなどで梨を一つずつ包んだ後、ラップをかけてポリ袋などに入れます。鮮度を保つためにヘタの部分が下になるようにして、冷蔵庫に入れます。梨はヘタの部分で呼吸をしているので、ヘタを下にすることで梨の呼吸を最小限に抑えて、鮮度が落ちるのを防ぐことができます。

冷蔵保存した場合は、梨の種類にもよりますが、1~2週間以内に食べ切るようにしましょう。

梨を冷凍保存する|食べやすい大きさに切ってから包む

1~2週間では食べ切れそうになく、梨をもっと長期間保存したい場合には、冷凍保存します。まず梨の皮をむいて食べやすく切ります。その後、ラップで包み、ポリ袋などに入れてから冷凍庫へ。冷凍保存すると、約1カ月はおいしく食べられます。梨を切った際の変色が気になる場合には、切った後、塩水に数分間漬けるようにします。

冷凍保存することで長期間楽しむことができますが、いったん冷凍保存した梨を解凍すると、生の状態のシャキシャキ感はなくなってしまいます。完全に解凍せずに「半解凍」にして、シャリシャリとした食感を楽しむのがおすすめです。

料理にも使える!梨を使った、簡単おいしい養生ごはん

梨
出典:写真AC
そのまま食べてもおいしい梨ですが、保存食を作ったり、料理に使ったりすることで豊かな味わいを楽しむことができます。ここ紹介するのは、梨のサラダ、梨×魚料理(肉料理)、梨×煮込み料理、梨のコンポート・ジャム、ぺス(梨茶)です。

梨のサラダ

梨のサラダ
出典:PIXTA
梨の甘さとジューシーな味わいは、サラダにもぴったり。梨と一緒に組み合わせる食材としては、水菜などの青菜やくるみなどのナッツ類、蒸したかぼちゃなどの根菜類、香ばしく焼いたきのこ類などもよく合います。おいしい自然塩と上質なオイルなどでシンプルにいただくのがおすすめです。

梨×魚料理(肉料理)

梨
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みりんや砂糖などの代わりに、甘み付けの材料として梨を使ってみましょう。たとえば、香ばしくソテーした魚に、すりおろした梨と酒、しょうゆなどを煮詰めて味を調えたソースを添えるのもよく合います。

分量の目安は、2~3人分につき、梨1/4個分、酒としょうゆは各大さじ1です。みりんや砂糖などを使わずに梨の甘さを生かした、さっぱり味のソースです。魚の臭みが消えて、味わい深い一品に仕上がります。

また、梨にはたんぱく質を分解する酵素「プロテアーゼ」が含まれているため、肉を柔らかくする効果も期待できます。肉の下味を付けるときに、すりおろした梨を加えるのもおすすめです。このほか、すりおろした梨を焼肉のたれに混ぜると、爽やかな甘さが出て奥深い味になります。

梨×煮込み料理

梨
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カレーの風味付けや隠し味として、りんごのすりおろしを加えることがあります。同じような感覚で、煮込み料理を作る際に梨のすりおろしを加えてみてはいかがでしょうか。分量の目安として、我が家では煮込み料理4皿分につき、1/2~1個分の梨を使っています。スペアリブや牛すじ肉などを煮込む際に、梨のすりおろしを加えると、硬くなりがちな肉も柔らかく仕上がります。自然な甘みやとろみが付くので、子どもにも食べやすい料理になります。

梨のコンポート、ジャム

梨
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梨がたくさんあって「一度には食べ切れない!」というときには、コンポートやジャムなどの保存食を作ってみてはいかがでしょうか。清潔な瓶に入れて保存すれば、長期間おいしく食べることができます。もちろん、コンポートやジャムなどを使って魚料理などのソースを作ったり、煮込み料理に隠し味として少量加えたりするのもおすすめです。

ぺス(梨茶)

梨茶
出典:写真AC
韓国には、梨を使った伝統茶「ぺス(梨茶)」があります。ぺスはいろいろなレシピがありますが、しょうがの煮汁で梨を甘く煮詰めて作ることが多いです。なつめや黒こしょうなどを加えれば、味のバリエーションが楽しめます。現地では、喉の痛みを感じるときなどにもよく飲まれています。私も時々作りますが、爽やかな甘さで飲みやすく気に入っています。

梨をおいしく食べて、健やかに過ごそう

梨
出典:写真AC
ジューシーな味わいとシャキシャキとした食感が楽しめる、梨。水分が多いため「栄養がない」と思っている人もいるようですが、実は、アスパラギン酸やカリウムなどの栄養が豊富に含まれています。時間の経過とともに鮮度が落ちやすい果物なので、適切な方法で冷蔵・冷凍保存するようにしたいですね。また、梨は生のまま食べるだけでなく、料理やおやつ、お茶などに活用することもできます。梨をおいしく食べて、健やかに過ごしたいですね。

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おばあちゃんの知恵

栄養監修 宮崎奈津季
管理栄養士、薬膳コーディネーター。介護食品メーカーで営業を2年間従事した後、独立。レシピ開発、商品開発、レシピ本の栄養価計算などの経験あり。現在は、特定保健指導、記事執筆・監修をメインに活動中。

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松橋 佳奈子

早稲田大学を卒業後、企業とNPOにてまちづくりの仕事に10年以上携わる。その間にバックパッカーとして35カ国を訪問・視察し、世界各地の風土と食文化について考察を深める。2014年に薬膳とおばあちゃんの知恵をベースに「養生キッチンふうど」を立ち上げる。現在は愛知県を拠点に、風土食をのこす・つくる・伝える活動をしている。主な資格は、国際薬膳師。

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