うまみ調味料「味の素®」でおなじみの食品メーカー、味の素が農業資材をつくっていることをご存知でしたか?
「味の素®」の製造過程で出てくる発酵液を使うと根の張りが良くなり収量が増えると、長年原料の生産現場で重宝されていました。さらに研究の結果この発酵液が含んでいるアミノ酸や核酸には様々な品目に対して増収や天候不順に強くする効果があることが分かったのです。そんな、発酵液から生まれた農業資材の効果について、植物へのアミノ酸吸収の専門家 二瓶直登准教授(福島大学)へのインタビューと水稲、トマト、イチゴなど全国の農家さんから寄せられた声をご紹介します。
なぜ味の素が農業資材?うま味を研究した先に見えたアミノ酸の可能性
農業資材の開発に長い歴史を持つ味の素
味の素というと、多くの国で愛されている調味料を思い浮かべると思いますが、実は農業資材の開発にも長い歴史を持っています。それは世界各地の工場でうま味調味料を作る際に副産物として生じる発酵液を、近隣の農家に窒素源として安く供給していたことから始まります。その発酵液は単なる窒素源以上の効果があると評判になり、研究の結果、植物を活性化させるアミノ酸や核酸などの有機物が豊富に含まれていることが発見されたのです。何年も前から世界中の農家が認めてきた効果について、一つの要因が判明した瞬間でした。
1000以上の成分からなる発酵液の効果
ただ、この発酵液の主要な成分は特定されているものの、合成で同じような物質を作っても、同じ効果は出ないことがわかっています。うまみ調味料を作る原料には、粗糖、糖蜜、デンプン、アンモニア、ミネラルなどが含まれています。その原料を発酵菌により発酵させて、濃縮・精製して粉末状にします。濃縮・精製の過程で生じる発酵液には、溶け残ったアミノ酸・核酸や、糖蜜などの原料由来成分、発酵菌体などの有機質が豊富に含まれ、1000を超える物質が少しずつ溶け込んでいることがわかっています。その多くの要素が重なり、ほかでは再現できない収量アップを生み出す発酵液に生まれ変わります。さらに、その資材がうま味調味料の原料の生産現場に還元され、いつまでも生産を続けられるバイオサイクルを実現しているのです。Tecamin Max&アミハート®は今世界が注目するバイオスティミュラント資材
植物に対する非生物的ストレスを和らげる
バイオスティミュラントとは、高温や低温、物理的な被害などの植物に対する非生物的ストレスを和らげて、健全な植物を生育する新しい技術です。気候や土壌のコンディションによる植物のダメージを軽減し、植物の力を最大限に引き出すもので、害虫や病原菌を防ぐ農薬や、単に植物に栄養を与える肥料とは異なるものです。Tecamin Maxとアミハート®はこのバイオスティミュラント資材になります。Tecamin Maxはアミノ酸の力で植物の生長を促す
Tecamin Maxはグルタミン酸を主に含むアミノ酸葉面散布材で、トマト・メロンなどの花芽を促進します。アミノ酸は細胞膜や染色体などの細胞を作って体を守り、生体内反応を助けるなどさまざまな働きがあり、植物にとって「いのちの源」といっても過言ではありません。植物は光合成を経て最初に作られるグルタミン酸を基に、20種類のアミノ酸を自分で作ることができますが、曇天や低温のときには、そのタンパク質の合成が不良となり、発育不全となります。Tecamin Maxを与えると、植物はグルタミン酸を葉面からとりこみ、生長組織に積極的に運びます。栄養としてはもちろん、病害抑制(免疫機能向上)、ストレス耐性、果実品質向上など栄養以外の作用も。曇天、低温時の生育不良を改善し、好天時には収量アップに寄与します。
アミハート®は単分子の核酸が生育促進に作用
アミハート®は土に施用する資材で、豊富に含まれている単分子の核酸が根の生長を促進し、生育促進に作用します。テカミンとあわせて施用すると効果がアップします。その効果にはいくつかのステップがあります。根毛が増える
アミハート®に含まれるうま味成分イノシン(核酸)。鰹節のうま味成分です。イノシンには根毛を増やす効果があります。北海道大学の研究でもアミハート®を与えたトマトには、根毛が多いことがわかっています。主根が太くなり、側根も増える
根張りがよくなる理由は根毛が増えることだけではありません。主根が太くなり、側根も増えます。栄養の吸収がよくなる
アミハート®を与えた植物は、土壌中にある栄養素の吸収がよくなります。東京大学の研究では、アミハート®を与えたトマトは、リン酸をより多く吸収することがわかっています。アミノ酸作用のメカニズムについて、アミノ酸の専門家・二瓶先生に聞く!
二瓶 直登(にへい なおと)植物栄養学、放射線環境工学
東北大学大学院農学研究科資源生物科学専攻修士課程修了、東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻修了。博士(農学)。福島県庁を経て、2013年より東京大学大学院農学生命科学研究科准教授、2020年より福島大学食農学類准教授。
Tecamin Maxの有効成分であるアミノ酸について、植物への有機態窒素(アミノ酸)の吸収に関する研究を行っている二瓶 直登 准教授にお話を伺いました。
二瓶先生は植物栄養学を専門とされており、窒素に着目して化成肥料を使わない有機野菜がなぜおいしいのかなど、植物の生育要因などについて研究してきました。また、東京電力福島第一原子力発電所事故を機に、農作物による放射性セシウムの吸収を減らす研究も行っています。
植物が取り込むのは化学肥料だけ?
二瓶先生の研究のきっかけは、植物が取り込むものについての疑問でした。「世界の農業は無機栄養説がベースとなっており、硝酸やアンモニアを与えれば植物が生長すると考えられて化学肥料が売られるようになりました。しかし、植物が取り込むのはそれだけなのか?という疑問が最初にありました。自然界の窒素には硝酸やアンモニア以外にも、アミノ酸とかタンパク質とか、ほかの形態のものがたくさんあります。有機農業のように、有機態窒素が土壌に供給される状況だと、それが生育に影響して いるのではないかと考えたのです」
植物は糖とアンモニアでグルタミン酸を作っている
植物は無機態窒素を基にグルタミン酸を作る力を持っています。「植物は光合成で作られた糖とアンモニアと合成して、自分でグルタミン酸を作っています。このグルタミン酸を起点に他のアミノ酸が作成され、アミノ酸がいくつも結びつくとタンパク質になり、植物の茎や葉や根になるのです」
しかし、アンモニアなどの無機態窒素や糖からグルタミン酸を作るにはエネルギーが必要であると二瓶先生。「無機態窒素と糖の合成の際にエネルギーが必要なのですが、直接アミノ酸を吸収することで、このエネルギーを使わなくてよければ、植物にとって有利な状態になるのではないかと考えています」
グルタミン酸を直接与えることで、無機態窒素と糖からアミノ酸を作る工程をショートカットし、植物生長に有利になるのではないか、ということです。すべてのアミノ酸に効果があるわけではない
タンパク質を構成することができるアミノ酸は20種類あります。しかし、すべてのアミノ酸が植物の生育を促進するわけではありません。「グルタミン酸は植物の生育を促進しますが、すべてのアミノ酸が生育を促進するのではなくて、促進するものもあれば、しないものもあります。その違いは、植物が無機態窒素を吸収したときにアミノ酸を作る順番と考えられます。この順番で、一番に作られるのがグルタミンであり、グルタミン酸なのです。アミノ酸代謝(アミノ酸の合成)の上流、つまり一番にできるので、作物の生育に促進する。逆にアミノ酸代謝の末端のもの、例えばバリンやロイシンを与えても植物は分解して使うことができないので、生育を阻害することになります」
吸収されやすい単分子アミノ酸
発酵を経て作られるTecamin Maxは単分子のアミノ酸であるため、吸収が早いことがわかっています。「単分子とはアミノ酸1個のこと。3つぐらいつながるとペプチド、10個以上だとタンパク質と言われます。大きくなればなるほど、分子量も大きくなって吸収されにくくなります。植物は根から吸収するときに物質を見分けていて、必要な養分のみを吸収するのです。吸収するための窓が根の表面にできると考えるとわかりやすいと思います。通ることができる窓があれば、植物体内への吸収速度が速くなります」
バイオスティミュラント資材はサプリメント
Tecamin Maxとアミハート®はバイオスティミュラント資材ですが、肥料との違いや使い方のポイントについて教えてもらいました。「体を作るのに必要な養分を与えるもの肥料とすると、バイオスティミュラントはちょっと添加すると生育が促進されるもの。人間でいうとサプリメントのようなものでしょうか。肥料にもなり得ますが、ポイントを絞って与えるといいと思います」
グルタミンやグルタミン酸は、細胞分裂が一番活発な根端の生長に使われ、根が大きくなることで、根張りがよくなり、土壌の中で栄養の利用効率が広がっていきます。この点が無機態窒素との大きな違いだと二瓶先生は指摘します。「無機態窒素は吸いやすいご飯のようなもの。栄養は地上部に行き、根張りがよくなるわけではありません。有機農業をやっている方から、うちは冷害でも大丈夫だったという話を聞きますが、それは土壌からアミノ酸などの栄養を吸収しようとしっかり根を張るためだと考えています。根張りは作物の生育にとってはとても大事で、冷害や多少の気候変動、天候不順にも強くなります」
これからも続く植物とアミノ酸の研究
有機質肥料から植物へのアミノ酸の吸収についてさらに研究を進めたいと二瓶先生。「植物に吸収されたアミノ酸や、作物のおいしさについて今後科学的根拠を得られるよう研究を重ね、有機農業の生産性向上や普及に貢献出来たらと考えています」
米も野菜も果樹も!全国の農家の実施レポート!
実際にアミノ酸資材を使った効果をレポートします。タマネギ
実証レポート 雹害からの回復
雹害の被害を受けたタマネギにTecamin Maxを3回施用したところ、生育が回復し、無処理区と比べて33%収量が増加しました。馬鈴薯
実証レポート 規格内の個数や重量が増加
Tecamin Maxを3回施用したところ、規格内の個数や重量が増加しました。トマト
実証レポート①草勢に圧倒的な違い!
アミハート®を与えたトマトは、樹勢がよくなっていることがわかります。また、発根と根の伸張を促進され、細根が著しく増加しました。茎が太く根量が多いため、根張りがよくなります。
実証レポート②収量増加!
特に10月下旬着果以降の草勢が肥大し、厳寒期の収量が増加しています。これは、3段交配以降の着果負担期に樹勢低下が緩和されていることが要因と考えられており、アミハート®を与えることで、総収量が7%増加しました。経済効果換算額は約23万円になります。実証レポート③糖度増加!
アミハート®区では、ほぼ常時糖度が高くなっていることがわかります。実証農家さんの声
イチゴ
実証レポート①株が大きい!
イチゴでも、定植後の成育がよく、株が大きく生育していることがわかります。1番果の収穫後、2番果の花付が早く生育も良好です。また、鉢底に根が巻き付くほど根毛が増え、根張り促進効果も感じられます。実証レポート②収量増加!
収量も約1割ほど増加しています。この試験は期間を区切って行われているため、さちのかについては効果が出ていませんが、さちのかは花芽の分化が遅い品種であることから、より長期間の調査を行っていれば収量を伸ばした可能性はあります。実証レポート③糖度増加!
第1果房、第2果房のいずれも糖度が高くなり、特に後期収穫時は特には効果が差が大きくなりました。実証農家さんの声
水稲
実証レポート①そろって丈夫な苗が育つ
アミハート®区では、丈夫な苗が育ち生育がそろっています。取水口付近の冷水など、環境による欠株・生育阻害の影響が少ないことがわかっています。実証レポート②粒数の増加!
粒数の差は見た目にも明らかで、増加率は143%になりました。実証レポート③収量の増加!
収量が増加し、多いところでは130%も増収しています。幅広い対象品目のテカミンを試してみよう
Tecamin Maxの1.2kgは様々な作物で幅広く使うことができます。資材名 | 対象品目 |
Tecamin Max | 馬鈴薯、玉ねぎ、ビート、小麦 トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、イチゴ アスパラガス、ホウレンソウ、レタス 果樹など |
・サンプルは先着100名様限定です。(※募集締め切り)
・当該サンプルはプロ農家向けであり、対象者を販売農家に限らせていただきます。家庭菜園の愛好者の方は対象外です。
・アンケートの回答に明らかな不備や間違いがある場合は(肥料購入先に架空のお店を記入した場合など)サンプル送付を取り消しさせていただきますので、予めご了承ください。
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味の素ヘルシーサプライ株式会社メールアドレス:[email protected]
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