畑を荒らす鹿を何とかしたい!どう対策するのが正解?

畑を守るための鹿対策、行っていますか?効果的な鹿対策グッズや鹿には髪の毛や唐辛子が効く、駆除すると報奨金が出るなど、畑を荒らす鹿対策に関するウワサの真相についてお伝えします。


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全国各地の圃場で、野生の鹿が作物を荒らしています。鹿への対策を行っていても、身体能力が高く群れで行動する鹿の動きを完全に止めることは困難です。鹿を圃場に近づけさせないように、さまざまな手段を併用してみましょう。また、鹿の駆除で報奨金や補助金が受けられるのかについても調べてみました。

鹿対策や駆除の前に生態を理解する

道路に飛び出す鹿
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鹿は全国に分布しています。寒い地方の鹿ほど体が大きく、北海道にいるエゾシカの雄の体重は約130kgといわれています。これは九州の屋久島のヤクシカの2倍以上です。

季節によって体毛の色が変わる

鹿は季節によって体毛の色が変わります。体毛に白い斑点が入るのは春から夏にかけての暖かい時期で、秋から冬は全体がこげ茶色に変化します。


繁殖の期間はわずか2カ月

鹿の親子
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鹿の繁殖期は8〜10月の2カ月ほどです。8月の終わりごろになると、オスは首のまわりに黒いたてがみが生えるようになります。霧状の尿をして何度もその上を転がり体に臭いを付けて、さらに体を地面や木にこすり付けて自分の臭いを拡散します。

また、繁殖期のオスは発情すると特徴的な声を上げます。これらはなわばりを主張する行動の一つです。体が大きいオス、強いオスは次第にハーレムを形成し、メスを囲い込みます。メスは生後2年ほどで初産を迎え、1年に1頭出産します。

鹿の食性|植物なら何でも食べる

鹿は1,000種類以上の植物を食べます。冬には木の枝や樹皮を、夏には木の葉や笹を食べています。現在、鹿が全国的に増え過ぎてしまったせいで、鹿が食べられる植物がどんどんなくなり、結果「これまでは食べていなかった植物」まで食べるようになっているといいます。

さらに山に食べられるものがなくなると、里山に降りてきて人間が育てた農作物を食べてしまいます。鹿による食害は全国各地で発生しており、その被害は深刻です。

鹿の行動|本来は昼行性

オスのエゾシカ
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鹿は本来昼行性。活動範囲は2平方キロメートル程度と狭く、同じ場所に定着すると考えられています。
母子のグループで群れを成し、繁殖期以外、オスは母子の群れから離れて行動しています。鹿の身体能力で注目したいのが跳躍力です。1.5mの柵も飛び越えてしまうので、鹿対策のために張り巡らせた柵も役に立たないことがあります。嗅覚が敏感で、危険な臭いを感じると逃げ出します。

鹿対策の基本の方法。駆除した場合の報奨金や補助金は?

狩猟
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鹿による害を防ぐための対策には、大きく分けて3種類あります。

音や光で威嚇、匂いで防ぐ

スポットライト
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鹿が驚く音や光で威嚇して、侵入を防ぐ方法です。装置によって音や光の種類が変わります。猟銃のような爆裂音を出す機器が一般的です。電源はバッテリーまたはソーラータイプがあります。

獣の尿の臭いで侵入を防ぐ方法では、臭いがする液体やシートを圃場の周りに散布します。

柵やフェンス、ネットで鹿の侵入を防ぐ

鹿の跳躍力を考えて、2mほどの高さの柵やフェンス、ネットを用意しましょう。フェンスやネットではなく電気柵を利用する方法もあります。電気柵はバッテリーやソーラー発電で動くので、電源がない屋外でも利用できます。

鹿を捕獲・駆除すると報奨金がもらえる?

はこわなや足くくりわなで捕獲して駆除するのも手です。ただし、鹿の捕獲・駆除には原則として狩猟免許が必要です。狩猟免許を取り、猟銃や罠で有害鳥獣を駆除すると、報奨金が受け取れることもあります。報奨金の金額や制度は都道府県で異なります。

参考:鳥獣被害対策実施隊の設置等について|農水省

髪の毛や唐辛子は効くのか

鹿避けに人の髪の毛や唐辛子がいいという説もありますが、完全に忌避できるものではないよう。唐辛子の成分を入れた忌避剤なども販売されていますが、予防的措置程度に考えておいた方がよさそうです。

やっておきたい鹿対策!有効な方法は

畑と柵
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ここからは、さまざまな鹿対策と使えるグッズをご紹介します。


鹿対策の基本は「音と光」

高周波音と電子爆音、光で威嚇する鳥獣害防除機・鳥獣撃退機を圃場の周囲に設置する方法は一般的な鹿対策です。鹿が嫌がる人間の怒鳴り声、銃声や爆裂音、猟犬の吠える声、鹿の悲鳴、猛獣の声などさまざまな音を出せるタイプ、電子爆音で脅すタイプがあります。

電源(バッテリー)が必要なものや、ソーラーで発電して動力を確保するものなどがあります。

ITEM
鳥獣害 防除 機 【ガードパワー】 電子爆音機
鳥獣が圃場に近づかないよう、動物が嫌がる音をだして威嚇します。別途12Vのバッテリーが必要です。近隣に民家がある場合は離れた場所で使用しましょう。

・サイズ:縦約47×横約40×奥行き約16cm
・重量:約4kg
・有効範囲:約100m
・音量:90~110dB

電気柵で侵入を防ぐ

電気柵
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作物を鹿の食害から守りたい時には、電気柵も有効です。鹿の跳躍力は1.5mの柵も飛び越えられるほどなので、イノシシやキツネ対策とは異なり、低い位置から高い位置まで電気柵を張り巡らせる必要があります。

電気柵の線は、最低でも4段は必要になるでしょう。広い圃場を電気柵でぐるりと囲む場合には、線の長さも必要です。

ITEM
アポロ 日本製電子防護器 AP-2011-SR
ソーラー式4段張りの電気柵のセットです。4段張りなので、ジャンプ力が高いシカを始めイノシシなどにも有効。電池・バッテリーいらずのソーラータイプ。

・サイズ:高さ400×幅300×奥行き250mm
・重量:6.0kg
・有効柵線距離:3,000m
・最大出力:10,000V

鹿が嫌がる匂いで対策。簡単グッズ

あまり費用をかけずに鹿対策をしたい、電気柵や撃退機と併用できる対策を行いたいのなら、オオカミの尿の臭いを活用してみましょう。オオカミの尿「ウルフピー」は、鹿をはじめイノシシや猫、犬などにも効果がある対策グッズです。
設置が簡単なシートタイプ。袋の両端を切り開封して圃場のまわりに置くだけで簡単に鹿対策が行えます。

ITEM
ウルフピー
オオカミの尿の臭いをしみこませたシートタイプのウルフピーです。開封しておいておくだけで害獣避けになります。

・内容量:5g×8袋
・区分:害獣忌避用品


オオカミの尿以外にも、ライオンの尿や山火事の煙の臭いなどの忌避剤もあります。形状も液体・シートのほかに石のような見た目の固形物などさまざまです。扱いやすい忌避剤をさがしてみましょう。

水をかけて追い払おう!環境にも配慮

スプリンクラー
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環境に負荷をかけず、かつ鹿を傷つけずに対策を取りたいのなら、水をかけて鹿を追い払う方法もあります。赤外線センサーは夜間にも作動して、夜の間の動物の侵入も防げます。
ただし、使用の際には水道管に装置をつなぐ必要があります。近くに水道設備がある圃場にしか利用できない点に注意。

ITEM
Newガーデン・スプラッシュ
動物を水で追い払う装置です。赤外線センサーで動物を感知して水を噴射します。電源は単3アルカリ乾電池4本(別売) です。水道と装置をホースで繋ぎ使用します。

・サイズ:高さ42.5cm、プレート直径22.8cm
・噴射距離(半径):0.5〜10m
・噴射角度:左右0〜240度
・赤外線センサー感知範囲:広角120度

物理的に侵入を防げる鹿対策はネット・フェンス

鹿に絶対に侵入してほしくない圃場はネットやフェンスで囲ってしまいましょう。面積によっては費用がかさむ場合もありますが、鹿による食害で収入が減ることを考えると、一度大きく投資を行ったほうがいいケースもあります。

また自分で設置するタイプのものであれば比較的安価なものもありますので、状況や予算と相談して選ぶとよいでしょう。

基礎工事不要ですぐに設置できる、小規模農家も使いやすいタイプのフェンスも。支柱を地面に差し込んで、支柱についたフックにフェンスをひっかけていくだけで完成します。

ITEM
簡単金網フェンス改良型1800
基礎工事いらずで簡単に設置できる金網フェンスです。鹿など害獣に侵入してほしくない圃場を囲うようにして設置します。小規模農家も手が出しやすい価格帯の対策グッズです。

金網
・サイズ:幅20m×高さ1.8m
・目合:横50mm×縦100mm
・重量:23.1kg
支柱
・全長:(約)214cm
・重量:(約)27.5kg
・素材:粉体塗装仕上げ
セット内容:支柱11本、フェンス20m

害獣を捕獲するはこわなもある

さまざまな対策を行ってもどうしても鹿が来てしまう、食害で大きな被害が出ているなどの場合は、大きなはこわなをおいて捕獲してしまう手もあります。

はこわなの場合、捕獲できるのが鹿とは限らず、誤ってほかの動物を捕獲してしまうこともあります。万が一、保護動物を捕獲してしまった時はすぐに放してください。

また、鳥獣の捕獲には狩猟免許や許可申請が必要になります。はこわなを購入する前に、市町村やJAで捕獲に必要な免許や許可申請について問い合わせてみましょう。

ITEM
栄工業 害獣捕獲器 箱罠HW21
現地組み立て式のはこわなです。鹿を始め、イノシシや猿なども捕獲できます。檻の奥に誘導用の餌を設置して使用します。エサをめがけて入ってきた動物が仕掛けワイヤーに触れると、瞬時にシャッターが閉じる仕組みです。

・サイズ:幅1,000×高さ1,000×奥行き2,000mm
・重量:約85kg
・材質:鉄(塗装仕上げ)
・捕獲対象:鹿、イノシシ、サル

さまざまな方法で鹿対策をしよう

公園の鹿
出典:Pixabay
大切に育てた作物や畑を荒らされて、さらに収入を減少させる有害鳥獣。しっかり対策を取って農産物を守りたいものです。各種対策には費用がかかりますが、作物や畑を荒らされることによる損害のほうが費用を上回ってしまうかもしれません。早めに対策を行いましょう。

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高橋 みゆき

北海道在住のフリーライター。北海道の畑作農家に生まれ、高校卒業後に農業協同組合に入組。JAでは貯金共済課の共済係として、窓口にて主に組合員の生命保険・損害保険の取り扱いをしていました。退組後、2013年まで酪農業に従事。現在はスマート農業に興味津々。テクノロジーを活用した農業についてお伝えしていければと思います。

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