これまでの「ハッピーファミリーファーマー日記」
南阿蘇村の森林内の土壌調査に同行
人混みに行けないこんな時こそ、地味なスキルアップ中。農作業が一気に忙しくなる前に、身につけたり学びたいことに時間を割いています。まずは、研究チームの調査に同行しました。南阿蘇村では、今年度から3年間の研究プロジェクトが始まっています。環境省による、草原や森林の機能や防災上の役割などを明らかにしていく研究です。
今回は、森林内の土壌調査。新型コロナウイルスの影響で研究チームが来られるか心配していましたが、沖縄からも岩手からも熊本市内からも無事に到着し、機材を持って、山の中に入っていきます。穴を掘ったり、土の中に土管を埋め込んで水を流し込んだり。
中学や高校でした理科の実験を思い出す感じの、シンプルで地道な調査に同行し、その道の専門家さんから興味深い話をたくさん聞くことができました。阿蘇の山の土は保水力も浸透力も抜群らしく、調査結果が楽しみです。
体のメンテナンスは死活問題
次は、整体。農業も子育ても体力勝負なので、体のメンテナンスは死活問題です。本格化してきた息子たちのスポーツも、ケガや故障との背中合わせ。末娘を産んで以来、ことあるごとにお世話になっている整体の先生の10回シリーズのセミナーがあるということで、年明けから参加しています。整体といっても、体の歪みを取る方法で、習ってきては家族に試していますが、なかなか好評です。食生活はそれなりに充実していると思いますが、体を使う仕事なので、メンテナンスしながら長く続けていきたいです。
子どもたちや、さらにその子どもたちに美しい山を残したい
最後に、山の勉強。我が家には2町(約2ヘクタール)ほどの山があり、山仕事好きだった義理の祖父のおかげで、まっすぐに育った美しいスギ林となっています。去年、間伐(かんばつ)という間引き作業を行ったところ、作業にあたってくれた林業マンの友人が「こんなに美しい山はめったにないよ」とほめてくれたほど。木が育つには50年とか100年とかの時間がかかります。子どもたちや、さらにその子どもたちに美しい山を残していけるよう、「やさしい森づくり塾」なるセミナーに参加してきました。何歳になっても、新しいことを覚えるっていうのは楽しいものです。勉強になりました。
月間連載のコラムも掲載中!
【毎月更新!】月間連載アーカイブ「農業なくして持続可能な社会なし」【週間連載】家族経営農家の日常を配信「ハッピーファミリーファーマー日記」
大津 愛梨(おおつ えり)プロフィール
1974年ドイツ生まれ東京育ち。慶応大学環境情報学部卒業後、熊本出身の夫と結婚し、共にミュンヘン工科大学で修士号取得。2003年より夫の郷里である南阿蘇で農業後継者として就農し、有機肥料を使った無農薬・減農薬の米を栽培し、全国の一般家庭に産直販売している。
女性農家を中心としたNPO法人田舎のヒロインズ理事長を務めるほか、里山エナジー株式会社の代表取締役社長、一般社団法人GIAHSライフ阿蘇の理事長などを兼任。日経ウーマンの「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」やオーライニッポン「ライフスタイル賞」のほか、2017年には国連の機関(FAO)から「模範農業者賞」を受賞した。農業、農村の価値や魅力について発信を続けている4児の母。
ブログ「o2farm’s blog」