これまでの「ハッピーファミリーファーマー日記」
こんなときだからこそ、底力を見せる家族経営農家
さぁて。2週間の休校が始まりました。こういうときにこそ底力を見せるのが家族経営農家。食べ物はある。親も近くにいる。農村地帯なので人口密度は低い。基本的に健康な食生活を送っているので免疫力も高い。家族の人数が多いので、1人でも感染したら一気に6人に広がりますが、今のところ兆候はありません。大きな影響といえば、お米の減り方が異常に早いこと。ま、でもコメ農家ですから…。
休校の間に息子たちとやりたいこと
そんなわけで、読む人によっては空気を読まない不謹慎な内容と思われるかもしれませんが、基本的には普段と何も変わらない我が家です。ちょっとだけ普段と違うのは、朝の1時間を学習指導に充てていること。理数系は中学生レベルになるとまったく理解できない私ですが、一応英語だけは教えられますので。その分、農作業や家事を手伝ってもらう次第です。なにせ、私よりはずっと仕事のできるやつらですから。午前中は英語の授業と自習、その合間にゲームや家事の手伝い。午後は何かしらの作業。オヤツの後は野球の練習。グラウンドには行けなくても田畑があるし、雨が降ったらビニールハウスがあるので、練習場所にも相手にも不足はありません。
人を雇ってまでするほどの仕事ではないビニールハウスの片付けや竹林の整備など、休校の間に息子たちとやりたいことが多過ぎて、ワクワクするほどです(笑)
「人手」や「働き手」がいるということ
休校2日目の今日は、グリーンツーリズムの拠点にしようと思っている空き家の掃除をしました。たった1日で驚きのはかどり具合。うーむ、やっぱり人手があるって素晴らしい。裏を返せば、今後の人口減少で「人手」や「働き手」がいなくなっていったら、一体どうなってしまうのか、考えだすと恐ろしくなります。明日も続きをやって、あさっては阿蘇名物のタカナの収穫。今年は暖冬だったので、例年より2週間ほど早い感じです。タカナの収穫は、息子たちにとっては久しぶりの作業。昔取った杵柄、の腕前を見せてもらいたいものです。
1日も早くこの異常な状況が収束してほしいですが、家族に感染者が出ない限りは、こうして日常と変わらないどころか、むしろ普段より充実した我が家の日々は続きそうです。
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大津 愛梨(おおつ えり)プロフィール
1974年ドイツ生まれ東京育ち。慶応大学環境情報学部卒業後、熊本出身の夫と結婚し、共にミュンヘン工科大学で修士号取得。2003年より夫の郷里である南阿蘇で農業後継者として就農し、有機肥料を使った無農薬・減農薬の米を栽培し、全国の一般家庭に産直販売している。
女性農家を中心としたNPO法人田舎のヒロインズ理事長を務めるほか、里山エナジー株式会社の代表取締役社長、一般社団法人GIAHSライフ阿蘇の理事長などを兼任。日経ウーマンの「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」やオーライニッポン「ライフスタイル賞」のほか、2017年には国連の機関(FAO)から「模範農業者賞」を受賞した。農業、農村の価値や魅力について発信を続けている4児の母。
ブログ「o2farm’s blog」