農家の日々の課題を解決! 農作業別スマート農業事例【SMART AGRI連携企画】

ICTやロボット、AIなどを活用した次世代型の農業などの幅広い情報を紹介している「SMART AGRI」。先進的な情報や専門的なコラムなど、豊富なコンテンツが魅力的なサイトです。
連携企画第4弾として、農作業別スマート農業事例について教えていただきました!雑草駆除、病害虫対策、収穫などの作業が楽になるドローンやロボットが色々ありますよ。


ドローン

出典:SMART AGRI

ICTやロボット、AIなどを活用した次世代型の農業などの幅広い情報を紹介している「SMART AGRI」。先進的な情報や専門的なコラムなど、豊富なコンテンツが魅力的なサイトです。
今回は「SMART AGRI」との連携企画第4弾として、農作業別スマート農業事例について教えていただきました!
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スマート農業にできることとは?

「スマート農業」という言葉は、ここ数年で農業関係者だけでなく広く一般に知られるようになってきた。
しかし、実際にどんなことができる技術や機械なのかと言われると…まだまだ実態がわかりにくいというのが、生産者の本音ではないだろうか。

その理由は、ドローンやセンサーなどの「機械」の機能や技術ばかりが紹介され、農家目線で「どんな作業を行えるのか」がうまく説明されていないためだ。本当に知りたいのは、日々行っている作業が具体的にどのように楽になったり、手間が省けたり、どんな成果が上がるのかといったことだ。

そこで今回は、農家の視点に立って、スマート農業によって具体的に解決できる作業をご紹介してみたい。

水田の雑草を効率よく駆除したい

雑草の駆除には、農業用ドローンが便利だ。遠隔地から効率よく除草剤を撒くことができる。農業用ドローンは薬剤を入れるタンクとノズルを備えており、飛行させながら本体から下に向けて除草剤を撒くことができる。

また、タブレットなどで圃場を指定するだけで、衛星から位置情報を割り出す「GPS」や、さらに精度の高い「RTK」といった技術を用いた位置情報の信号で、正確にその圃場だけに自動飛行で散布するドローンも登場している。

DJI 自動飛行ドローン

無人ヘリと仕組みは同じだが、広範囲・長時間にわたって散布できる無人ヘリに対して、ドローンは飛行できる時間が短いため、1ヘクタール15分程度の散布が目安となる。

しかし圧倒的なメリットとして、無人ヘリと比較するとかなり低空からの散布となるため、近隣の圃場などへのドリフト(薬剤が風などで流れてしまうこと)の影響が小さくなる。それは同時に、散布する人への健康被害を抑えることにもつながる。

DJI:https://www.dji.com/jp/ground-station-pro

圃場内の場所による生育のばらつきをなくしたい

生育分析の画像
出典:スカイマティックス
農地の傾きや土壌の状態、水はけの良さによって、生育状況にばらつきが生じた経験は誰しもあるだろう。これを解決するためのスマート農業には、さまざまなアプローチがある。

クボタ KSAS

最も直接的なものは、土壌成分を分析することで肥沃度をチェックすることだ。育ちがいい場所、悪い場所の土の成分を見て、どんな成分の肥料を追肥すればいいのかが見えてくる。

米、麦、大豆の場合、この作業はクボタの食味・収量センサ付きコンバインを用いればもっと簡単になる。収穫しながら収量、タンパク、水分などをチェックし、圃場のどこで収穫した分がどんな状態だったかを記録。翌年の施肥や水管理に生かすことができる。

KSAS:https://ksas.kubota.co.jp/farming_course/function/taste_yield.html

スカイマティクス いろは

野菜などの場合は、葉の色から生育状況を観察したり、マルチスペクトルカメラという特殊なカメラを搭載したドローンで圃場を撮影することで、生育状況などを可視化し、収穫時期の判断に活用したり土作りに生かしたりすることもできる。

スカイマティックス:https://skymatix.co.jp/

こういった生育分析は、長年同じ圃場を見続けてきた農家であっても、圃場全体を把握することまではなかなか難しい。適切なタイミングで土壌改良を行うことで、トライ&エラーを繰り返す時間と不要な施肥によるコストを抑えることにつながる。

農薬をできるだけ使わずに、病害虫対策をしたい

オプティム農薬散布テクノロジー
出典:オプティム
どんな農家でも、環境や農作物への影響、コスト削減といった観点から、できるだけ農薬は使いたくないと考えているはず。
そのような人にとっては、ドローンで撮影した圃場の写真からAI(人工知能)により病害虫の発生を予測し、必要な部分にだけ農薬を散布するという技術が有用だ。

オプティム ピンポイント農薬散布テクノロジー

過去に取得した写真をAIで分析し、どんな作物にどんな病害虫が発生するかをあらかじめ学習してある。そのデータから発生が予測される場所にだけ、農薬を散布するというものだ。

これまで圃場全体にまんべんなく農薬を散布していたとしても、この方法なら必要な場所にだけ散布すればいいので、コスト面でも環境面でも農薬を減らせる。当然、農家の労働力や人的コストも削減される。

オプティム:https://www.optim.co.jp/news-detail/40358

農作物の収穫を効率的に行いたい

inaho
出典:inaho
農作業の中でも最も重労働なのは、果樹や野菜の収穫だろう。米であればコンバインなどがあるが、果樹や野菜は一つひとつ形状も異なり、工業製品のように自動的に収穫することはまだまだ難しい。

inaho アスパラガス自動収穫ロボット

だが、自動収穫ロボットの開発は急ピッチで進められている。中でも最近話題なのが、アスパラガスの自動収穫ロボットだ。アームによりアスパラガスを支え、根元をカットする仕組み。アスパラガスは繁忙期には収穫回数も多く、しゃがんで作業しなければならないため、体力の負担はかなり軽減できる。

inaho:https://inaho.co/

パナソニック トマト自動収穫ロボット

また、施設栽培のトマトの自動収穫ロボットもパナソニックが開発しており、実用化が近づいている。画像認識AIにより熟したトマトを見分けて、傷がつかないようにロボットアームが収穫する。熟練の農家の「目」と「手」をロボットが代行するというわけだ。

パナソニック:https://news.panasonic.com/jp/stories/2018/57949.html

海外では、球レタスや柑橘類の自動収穫ロボットも開発されているが、実用化のためには樹形や配置を最適化する必要も出てくるため、まだまだ課題は多い。とはいえ、収穫作業を担うロボットはこれから加速度的に進化していくだろう。

熟練農家の知恵と労働力をスマート農業が肩代わり

今回ご紹介した以外にも、多彩なスマート農業が日々開発され、農業の世界はどんどん変化している。

そのすべては、高齢化や離農により担い手が減っている日本の農業をいかに維持するかという目標のため。そして、現在奮闘されている農家が今後も安心して農業を続けていけるようにサポートするためだ。現実には、AIの精度やロボットの自由度などは研究段階だが、それらが解決されるのは時間の問題だ。

技術は人を困らせるためではなく、人を助けるためにこそ存在する。経験と勘をAIなどが受け持ち、労働力をロボットやドローンなどが担う未来は、すぐそこまで来ている。

「SMART AGRI」には、ほかにもドローンやAIなど先進的な情報がたくさん掲載されています。
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