- ライター
- MitsuyaNao
埼玉県の山奥で、約1反のブルーベリー畑を管理しています。ハイブッシュとラビットアイを約20品種栽培中。野菜、花、ハーブなども育てています。AGRI PICKでは、家庭菜園や園芸の初心者に向けた記事を中心に担当。他メディアでも多数執筆中。…続きを読む
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家庭で育てられるかんきつ類の中でも人気があるみかんですが、いろいろな種類の苗が売られていて、どれを育てようか迷ってしまいますよね。初心者でも育てやすいみかんの品種を選ぶコツと、人気品種を一覧で紹介します!
みかんの基本!オレンジやはっさくとの種類の違い
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みかんの品種の説明の前に、ほかのかんきつ類とみかんの違いを知っておきましょう。一般的にみかんと呼ばれるのは「温州みかん」で、宮川早生や南柑20号など、さまざなま品種があります。同じ品種でも、産地や糖度でそれぞれ違ったブランド名がつけられていることも。また、サイズの小さい「紀州みかん(別称:小みかん)」も、古くから日本にあるみかんです。
オレンジやはっさくなど、いろいろなかんきつ類を交配して作られた雑種は「雑かん類」、レモンやゆず、すだちなど香りを楽しむものは「香酸かんきつ類」と呼ばれています。
ほかのかんきつ類も育ててみたい人は、こちらの記事で収穫時期や栽培できる地域を見比べてみてくださいね。
収穫時期ごとに味が変わる!?みかんの品種選びのコツ
住んでいる地域にあった品種を選ぶ
みかんはかんきつ類の中でも、ゆずの次に耐寒性があるといわれています。関東の温暖な地域より西では、ほとんどの品種が栽培可能ですが、関東の寒い地域や東北では栽培できないみかんもあるので、苗を買う前によく確認を!
収穫時期で選ぶ
品種ごとに収穫時期が大きく異なるのもみかんの特徴です。収穫時期が遅い品種ほど甘さが強いものが多いですが、早くから収穫できる品種のほうが育てやすいといわれています。なので、みかん栽培が初めての人は早生品種から挑戦してみると失敗が少ないかもしれません。大きくて甘いみかんを育ててみたい人は、晩生の品種にチャレンジしてもいいですね。
極早生(ごくわせ)温州
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みかんは基本的に冬の果物ですが、極早生の品種はまだ青さが残る9月ごろから収穫できます。「日南1号」などの品種が有名です。酸味は強めですが、早いうちからみかんを食べられるのが魅力!木は小さめなので、コンパクトな果樹を育てたい人にも◎。
早生(わせ)温州
酸っぱいみかんが苦手な人には、早生温州〜晩生温州がおすすめ。早生温州は10月下旬〜12月ごろ収穫でき、酸味と甘みのほどよいバランスが特徴です。栽培しやすく初心者向き!
中生(なかて)・普通温州
早生みかんに比べると、やや落ち着いた感じの甘さが特徴です。収穫時期は11月下旬〜12月下旬ごろ。コタツで食べたい、ちょうどいいサイズの甘いみかんです。
晩生(おくて)温州
みかんは、真冬になるほど大きいものが売られていると思ったことはありませんか?これは、12月ごろから収穫できる、シーズン最後の晩生温州に大玉な品種が多いからです。糖度も高く、樹勢が強いですが、毎年連続して実をつけてくれないことが多く、栽培にはコツがいります。
収穫したみかんは皮まで活用!
家庭で育てやすい!みかんの人気品種一覧
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1. 日南1号/極早生
早い時期から収穫を楽しみたい人におすすめ!秋の訪れを告げる、極早生の温州みかんです。適度な酸味があり、皮がまだ少し青いうちから食べられます。樹勢が強く、耐寒性もあるので育てやすいですよ。
適地・収穫時期
1〜2月の月平均気温が5℃以上ある地域で育てられます。愛媛県内では、極早生みかんの栽培面積のうち約6割を占めるほどメジャーです。収穫は9月ごろから。
2. 宮川早生/早生
早生温州の有名品種です。結実性がよく、たくさん実がなり、育てやすいのが魅力!シーズン初期はやや酸味がありますが、完熟させるにつれて甘くなりますよ。酸味と甘みのバランスのいいみかんが好きな人におすすめです。
適地・収穫時期
東日本で栽培できるのは、関東〜東北の温暖な地域まで。収穫時期は10〜12月ごろです。
内容 | 1年生接ぎ木苗 |
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苗木の高さ | 約65cm(ポット含む) |
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3. 小原紅早生/早生
宮川早生の枝変わり品種です。普通の温州みかんより濃い橙色で、その見た目から「金時みかん」とも呼ばれます。皮が薄くてむきやすく、果汁たっぷりで高糖度!味の濃いみかんです。
適地・収穫時期
東北地方の温暖な地域では、露地栽培できます。香川県では「さぬき紅」や「金時紅」などのブランド名で出荷されていますよ。収穫時期は11月上旬ごろです。
4. 南柑20号/中生
中生・普通温州の有名品種です。皮はむきやすく、酸味の少ない落ち着いた甘い味わい。比較的保存がきくので、収穫できたみかんを人に贈り物にしたり、貯蔵して少しずつ食べたりしたい人におすすめです。
適地・収穫時期
北関東〜中国・四国・九州が栽培適地です。愛媛県の南部では、主力の温州みかんとして多く栽培されています。11月中旬ごろからの収穫です。
5. 石地中生/中生
みかんの中でも味が濃厚で、高糖度の品種です。果肉を包んでいる小袋が薄いので、とろけるようにやわらかな食感が楽しめます。
適地・収穫時期
北関東〜中国・四国・九州で育てられます。収穫は11月下旬ごろからで、ちょうどみかんが食べたくなる年末年始にぴったり。
6. 青島温州/晩生
晩生温州の有名品種です。 石地中生と同じく、みかんの中でも最高ランクの味だといわれています。普通の温州みかんより果実のサイズが大きく、平べったい形。晩生のみかんは早生品種より栽培難易度がアップしますが、挑戦しがいのあるおいしさ!
適地・収穫時期
関東〜中国・四国・九州に適しています。収穫時期は12月ごろです。
内容 | 1年生接ぎ木苗 |
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ポットのサイズ | 4号 |
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苗木の高さ | 70cm前後 |
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7. 紀州みかん
果実が30〜40gと小さく皮も薄い紀州みかんは、温州みかんよりも歴史が古く、約700年前に中国から伝来したといわれています。浮皮になりやすいですが、やわらかくて酸味が少なく甘いのが特徴です。樹高は庭植えで2〜3mほどになります。
適地・収穫時期
南関東より南の地域で栽培しましょう。現在では、鹿児島県の特産品「桜島小みかん」が有名です。収穫時期は11月下旬〜1月ごろ。
8. 南津海/極晩成
極晩生のちょっと変わった品種です。カラマンダリンとポンカンの交配によって誕生しました。正確にはオレンジやはっさくと同じ雑かん類なのですが、苗の販売店では「みかん」と表記されます。温州みかんの1.3倍糖度が高く、皮もむきやすいです。また、樹勢が強く毎年よく結実します。
適地・収穫時期
栽培適地は関東〜中国・四国・九州です。普通のみかんの収穫が終わる、4月下旬ごろから収穫がスタートし、貯蔵も夏までOK。5月に花が咲き、翌年実が熟すまで1年かかりますが、普通のみかんとは異なる時期に収穫できるのが魅力です!
内容 | 1年生接ぎ木苗 |
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ポットのサイズ | 4号 |
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苗木の高さ | 70cm前後 |
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時期ごとの収穫が楽しみに!好みのみかんを見つけよう
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酸っぱいみかんが好きな人には9〜10月に収穫できる品種、甘いみかんが好きな人には10月下旬以降に収穫できる品種がおすすめです。収穫シーズンの異なる品種を組み合わせれば、いろいろな味を長く楽しめますよ!