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- AGRI PICK 編集部
AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。…続きを読む
クリスマスが近づくと、お花屋さんの店先にはシクラメンの鉢植えが並び始めます。色鮮やかなシクラメンの花は、まるで冬の室内に暖かな明かりを灯してくれるよう。
そんなシクラメンには、存在感ある大型のものから、テーブルなどのちょっとした場所に飾れるミニシクラメンまで多くの種類があり、花の色や形も豊富で、シチュエーションに合わせて選ぶことができます。
この記事では、シクラメンのおすすめの品種をたっぷり紹介。日々多くの植物を扱う園芸家に、シクラメンの花を長く楽しむための育て方も聞きました。
園芸家の宇田川さんにシクラメンについて教えていただきました!
今回、シクラメンのおすすめの種類や育て方についてお話しを聞いたのは、園芸家の宇田川佳子さん。
代表を務める「Myu GardenWorks」で、有機栽培によるガーデンデザインやメンテナンスなどのコンサルタントを行うほか、クリスマスローズ協会理事、ガーデニング・園芸講座講師としても活躍されています。
著書
『はじめての小さな庭のつくり方』(新星出版社)
『フロントガーデン―家を飾る小さな庭つくり』(農山漁村文化協会)
冬にシクラメンを贈るのはなぜ?
シクラメンは地中海地方原産のサクラソウ科の植物。日本での開花期は10月から4月下旬ごろまでと長く、花の少ない真冬に豪華な花を次々に咲かせることから、クリスマスや年末年始の贈り物の定番になっています。
ギフト用としてよく選ばれるのは、やはりパッと目を引く赤やピンク色。このほかに、白や紫色、青紫色、サーモンピンク、黄色など花色はさまざまで、2色が楽しめるバイカラー種も人気があります。花の形は、最もベーシックな、花びらが外側に反り返ったパーシカム咲き、ボリューム感のある八重咲きやフリンジ咲きなどバリエーション豊富。選ぶ楽しみが多いのも、シクラメンの人気の秘密なのかもしれません。
ちなみに、シクラメンの花言葉は「憧れ」「遠慮」「内気」「はにかみ」と、やや控えめな印象を受けます。これは、うつむくように花を付けるシクラメンの姿に由来していると言われています。
シクラメンの種類
シクラメンは大まかに分類すると、「室内で楽しむシクラメン」「屋外で楽しむガーデンシクラメン」「原種シクラメン」の3種類になります。
1. 室内で楽しむシクラメン
原種シクラメン(野生シクラメン)の品種改良により生まれた、室内観賞用の園芸品種です。半耐寒性のため、屋外管理や地植えには適しません。寒さに当たると生育が止まってしまったり、0℃以下の環境では枯れてしまったりするので注意しましょう。花には大輪・中輪・小輪のバリエーションがあり、贈答品としてもよく扱われます。

2. 屋外で楽しむガーデンシクラメン
耐寒性のある屋外観賞用のシクラメンです。地植えで越冬できますが、気温が低くなり過ぎると葉が傷み、開花しなくなってしまいます。関東以北の地域では、寒さの当たらない屋外環境で管理するか、場所を移動できる鉢植えにすると良いでしょう。ガーデンシクラメンには、さまざまな商品名やブランド名などがありますが、品種は1種類のみになります。

3. 原種(野生)シクラメン
地中海沿岸~ヨーロッパ、イランなど、乾燥した地域に自生する原種(野生)のシクラメンです。小輪の花がかわいらしく、コンパクトな株姿を楽しむことができます。
原種のシクラメンは23種あると言われ、生息する地域により性質は異なります。近年では原種系を改良したシクラメンも出てきており、葉の形や色柄などバリエーションも増えています。原種シクラメンは基本的には半耐寒性のため、冬は強い寒さや霜が当たらない戸外の、十分日が当たる場所で育てましょう。また植え付ける際は、園芸品種のシクラメンとは異なり、球根は土の中に隠れるように埋めます。

園芸家おすすめ!シクラメンの品種5選
ここでは、園芸家・宇田川佳子さんがおすすめするシクラメンを紹介します。シンプルな単色タイプや花弁がウェーブしたものなど、5種類厳選してもらいました!
ビクトリア
「ビクトリア」は、フリルがついた花がゴージャスなシクラメン。花弁の色は白やピンクなどがあり、縁には赤や濃いピンクの覆輪(ふくりん)が入るのも特長です。大輪の花と大きな葉で、とても存在感のあるシクラメンです。
ゴールデン
黄色がかった花色が珍しい「ゴールデン」。花は小輪で、コンパクトに楽しめるシクラメンです。花の中心部が赤い「ゴールデンガール」や、シンプルな単色の「ゴールデンボーイ」などの種類があります。
ピアス
咲き始めは白色で、徐々に花弁が淡いピンク色に染まっていく「ピアス」。シルバーリーフも魅力のミニシクラメンです。
プラチナリーフ
銀灰色の葉がとても美しい「プラチナリーフ」。花の色は、白や赤、ピンクなどのバリエーションがあります。寄せ植えにしてもよく映えるシクラメンです。
パピヨン
「パピヨン」は、コンパクトな株姿に、小ぶりの花が可憐なガーデンシクラメンです。花弁の色は濃いピンクで、白い縁取りが入ります。
豪華な大型シクラメン6選
贈り物の定番である大型のシクラメン。スッと伸びた茎の先にゴージャスな花を付け、ひと鉢で部屋を華やかにしてくれます。価格は数千~1万円台と幅があり、同じ品種でも、株の大きさなどによって値段が変わります。
アイスプリンセス
白い花弁が淡いグリーンのフリルで縁取られた、まるで工芸品のように繊細なシクラメン。ちょっとめずらしい花を贈りたいときにもおすすめです。
セレナーディア
サントリーが開発した、気品あふれる紫色のシクラメン。爽やかな香りが楽しめる一重咲きの「アロマブルー」と、華やかな八重咲きの「ライラックフリル」の2種類が発売されています。
天使のフリル(カンパーナホワイト)
フリルが入った真っ白な花弁が珍しい「天使のフリル(カンパーナホワイト)」。ボリューム満点に咲き誇り、お部屋の中で存在感を発揮します。
ローゼスローズ
何とも豪華な、バラ咲きのシクラメンです。濃いピンク色の花弁がボールのように見えるのもキュート!生産量が少ないため、希少な品種となっています。
ウインクホワイト
農林水産大臣賞を受賞した品種で、小ぶりの八重咲きの花が次々と咲きます。花弁の数は一般的なシクラメンの倍の10枚で、ひと鉢でも存在感は十分。
聖夜のあかり
冬の室内を暖かに彩る深紅のシクラメンは、クリスマスの贈り物にぴったり!切れ込みのある葉も特徴的な品種です。
プチギフトにおすすめのミニシクラメン6選
数百円から1,000円台でたくさんのバリエーションがあるミニシクラメンは、手土産やプチギフトにおすすめ。花色に合わせたラッピングで、よりおしゃれな贈り物になります。基本的に室内栽培向きですが、ミニシクラメンとガーデンシクラメンは見た目があまり変わらないため、区別されていない場合も多く、品種によっては耐寒性の強いものもあります。
シャインレッド
白地に筆で赤をのせたような、おしゃれな色合い。株全体がコンパクトでかわいらしくまとまります。
グリーンティアラ
花弁にグリーン、薄いピンク、濃いピンクの3色が入る八重咲きのシクラメン。咲き進むうちに色合いの美しさが増していきます。
カール
真っ赤な花弁がくるんと外側にカールした、ユニークな品種。数鉢まとめて寄せ植えにしても華やかです。
ジャドール
フランス語で「大好き」という意味の「ジャドール」。丸く開いた花びらがかわいらしく、マットなピンク色もおしゃれ。丈夫でよく花を付けます。
ミニビクトリア
人気シリーズ「ビクトリア」のミニタイプ。寒さに強く、庭植えもできます。
アンジュ
上向きに花を付ける珍しいシクラメンで、オランダの国際園芸博覧会「フロリアード」優秀賞をはじめ、多くの賞を受賞しています。草丈10~15cmの手のひらサイズで、プチギフトにぴったり。
シクラメンの品種はこちらの記事でも紹介しています!
シクラメンの花を長く楽しむには?
シクラメンの鉢は、購入したときが最も美しい状態。その後のお手入れが良くないと、すぐにしおれたり、花数が減ったりしてしまいます。できるだけ長く美しい状態を保ち、春まで花を楽しむためのポイントを園芸家の宇田川さんに伺いました。
置き場所
シクラメンは、暑過ぎても寒過ぎてもNG。栽培に適した気温としては、10~15℃程度がベストです。そのため、夏は屋外の日陰、冬は日当たりの良い窓辺に置いてたっぷりと光を当てましょう。

水やり
土の状態をチェックして、乾いていたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりします。花に水をかけないように注意して、株元にそっと与えましょう。

肥料
肥料は、9~4月に置き肥を月1回程度与えます。シクラメンは開花期間が長いため、途中で肥料切れすることがあります。花付きが悪くなったり、葉の色が薄くなってきたら、シクラメン用の肥料を与えましょう。肥料の与え方は製品によって違うので、パッケージの記載を参考にしてください。
花がら・枯葉摘み
シクラメンは花が咲き終わると、花びらを落とし種を付けます。種を付けさせてしまうと株の体力が奪われて、その後の花付きが悪くなってしまうので、咲き終わった花は早めに摘み取りましょう。茎の付け根近くを持って軽くねじると、簡単に取れます。枯れた葉や黄色くなった葉も、そのままにしておくと見た目が悪く、病気の原因にもなるので、同様に摘み取ります。

シクラメンの詳しい育て方は、こちらの記事で紹介しています!
夏越しと植え替えで、翌年も花を楽しもう
春になり、気温が上がるとシクラメンの花数は少しずつ減り、4月下旬ごろには終わりを迎えます。でも、せっかくきれいに咲いたシクラメンをワンシーズンで終了させてしまうのは、ちょっともったいないですよね。次のシーズンも花を楽しみたいなら、ぜひ夏越しと植え替えに挑戦してみてください。
シクラメンの夏越し方法
シクラメンの花が終わる4月下旬ごろになったら、鉢を屋外に出して育てましょう。暑さには弱いので、風通しの良い日陰~半日陰に置くようにしてください。気温が20℃くらいになったら、徐々に日当たりの良い場所に移動して、置き肥を与えてください。
やがて夏になると、シクラメンは休眠期に入ります。開花が1カ月ほど遅くなりますが、夏の間は水を完全に切らして雨に当てず、休眠した球根のままにしておきましょう。球根が水に濡れると腐りやすくなるため、雨の当たらない軒下などで管理するのがおすすめです。

シクラメンの植え替え方法
鉢植えの場合、植えっぱなしにすると根詰まりを起こして花数が減ったり、開花が遅くなったりするので、ひと回り大きな鉢に植え替えて、リフレッシュさせるのがベスト。
植え替えは3〜4月に行います。この時期にできなければ、8月下旬〜9月でもOKです。

シクラメンをじょうずに育てれば、毎年花が楽しめる!
冬から春先までの長期間、次々と色鮮やかな花で目を楽しませてくれるシクラメン。うまく夏越しができれば、次の年もまた花を咲かせてくれます。可憐なミニシクラメンや豪華な大輪のシクラメンなど、さまざまな種類があるので、自分好みのものがきっと見つかるはず。ぜひ大切に育ててみてくださいね!































