- AGRI PICK 編集部
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この記事では、数あるニンジンの品種の中から、特におすすめのものをピックアップ。野菜種子のプロが選んだおすすめ品種ランキングは必見です!
ベランダでの栽培もOK!プランターでのニンジンの育て方をチェック
畑や庭などの家庭菜園で育てるニンジンの栽培方法を詳しくみる!
農業でニンジン栽培にチャレンジしたい人はこちら
豊富なニンジンの品種、どう選ぶ?
「ニンジンなんて、どれも同じ」なんて考えてはいませんか?実はニンジンの品種は、バラエティ豊か。食味はもちろん、色合いや大きさ、栄養価などでも違いがあり、向いている調理方法も変わってくるのです。そこで、まずはどんな点に注目してニンジンの品種を選べば良いのか、ポイント別に紹介していきます!Point1. 栄養価で選ぶ
緑黄色野菜の代表であるニンジンは、ベータカロテン、ビタミンB2、ビタミンC、葉酸などの栄養素を多く含んでいます。なかでもベータカロテンは、100g当たり8700μgと野菜の中でもトップクラス。体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の働きを正常に保ってくれるほか、抗酸化作用や免疫力をアップさせる働きがあります。最近では、改良によって、より多くのベータカロテンを含む品種も登場しているので、栄養価を重視する人はチェックしてみてください。Point2. 彩りで選ぶ
ニンジンといえばオレンジ色を思い浮かべますが、最近では、黄色や赤、紫などのカラフル品種も多数。道の駅や直売所などで見かけることがありますが、一般にはあまり流通していないので、ぜひ自分で育てて味わってみたい品種です。色の違うニンジンを組み合わせたスティックサラダなど、カラフルでおしゃれな料理が手軽に作れますよ。また、カラフルな品種は、栄養面でも普通の品種と多少異なります。赤みの濃い品種は、トマトでよく知られるリコピン、紫色の品種はブルーベリーや赤ワインなどと同じアントシアニン系の色素を含んでいます。
Point3. 栽培スペースに合わせて選ぶ
ニンジンは土の中に深く根を伸ばして育つ野菜です。最もスタンダードな「五寸ニンジン」は、根の長さが15~20cmで、畑で育てる場合は30cmほどの深さまで土を耕す必要があります。プランター栽培の場合も、深さが30cm程度あるものを準備します。もう少し手軽に育てたいという方には、長さ10cmほどの「三寸にんじん」など、ミニ品種がおすすめ。深さ15cm程度のプランターで十分育てられるので、ベランダやキッチン栽培にもぴったりです。Point4. 栽培時期で選ぶ
ニンジンの栽培は、大きく「春まき・夏どり」と「夏まき・秋冬どり」に分けられます。つまり、春と夏の2回種まきができるということですが、ニンジンは発芽後、本葉3~4枚のころに10℃以下の低温に当たると、とう立ち(花芽ができて根が太らなくなること)する性質があります。夏まきの場合は低温に当たる心配がないので、あまり失敗のリスクはありませんが、春まきで育てるときはちょっと注意が必要です。ニンジンの品種には「春まき用」「夏まき用」「兼用」の3タイプがあり、栽培時期に合った品種を選ぶことが大切です。春まき用や兼用の品種は、とう立ちが遅くなるように改良されているので、春からスタートするときは、こちらを選ぶようにしましょう。
野菜種子のプロが選ぶ!ニンジンのおすすめ品種ランキング
前述した通り、ニンジンには数多くの品種があります。いざ自分で育ててみようと思っても、どれを選べば良いのか迷ってしまいますよね。そこで、今回は種子販売会社「株式会社グリーンフィールドプロジェクト」で代表取締役を務める、松崎英(ひで)さんにおすすめのニンジン品種を聞いてみました。5位から1位まで、ランキング形式でご紹介します!
有機認証の中でも厳しいとされる「ヨーロッパ有機認証」を取得した、有機種子を輸入・販売。2017年には、日本の固定種を残すことを目的とした「SAVE THE SEED (セーブ・ザ・シード)プロジェクト」を開始。「有機栽培するなら、その種も有機種子であってほしい」という思いから、日本での有機種子の普及に尽力しています。
HP:http://gfp-japan.com/
第5位|「ベーターリッチ」サカタのタネ
甘いニンジンが食べたいなら、こちらの品種がおすすめ!ニンジン特有のにおいがないので、好き嫌いのある子どもでも、おいしく食べられちゃうかも!?濃いオレンジ色もとってもきれいで、食欲が進みます。第4位|「MNN-1801 ミニニンジン」松永種苗
直径10cm程度から収穫できる、細身で円筒型をしたミニニンジンです。直径20cm程度の長さまで大きく育てることも可能。甘味が強く、皮も薄いので生食にもおすすめです。栽培も簡単で、種まきから70日前後で収穫ができ、種を薄く筋まき(1cm程度の間隔)すれば、ほとんど間引きせずに収穫までいけます。ほぼ年中種まきできるので、酷暑期を避けたい家庭菜園から産直出荷の需要までマッチする品種です。※2020年夏に販売開始予定第3位|「向陽二号」タキイ種苗
暖地から冷地まで、どこでも育てやすい鉄板品種です。晩抽性(ばんちゅうせい)のため、ほぼ年中どこでも種まきできる優れもの。種まきから100日程度で収穫できる早生品種であるのもうれしいポイントです。育てやすさ、食味、容姿、肌つや、どれをとっても万能の品種といえます。第2位|「ナンテスニンジン 固定種」グリーンフィールドプロジェクト
ヨーロッパ品種のニンジンといえばコレ!日本の五寸ニンジンも良いですが、この「ナンテスニンジン」は珍しいソーセージ型で尻詰まりが良く、見た目にも楽しいのが魅力。肉質は柔らかく、適度な甘さがニンジンらしい味わいです。土壌はあまり選ばない早生タイプ。第1位|「黒田五寸 固定種」タキイ種苗
「日本のニンジン」といえばこちら。色が濃く形も良い黒田五寸は根強い人気を誇り、ニンジンを育てるならば一度は挑戦したい品種。種まきから100~120日で収穫ができます。ぜひ「日本のニンジン」を栽培して味わってみてください!ほかにもたくさん!ニンジン品種
ここからは、まだまだニンジンの品種をチェックしたいという人に向け、味や見た目など、特徴別におすすめをご紹介していきます。フルーツみたいに甘い品種
「甘美人」ナント種苗
糖度が高く、フルーツのような甘みが楽しめます。春まき、夏まきのどちらでも栽培でき、収穫までは130日ほど。多少とり遅れても根が割れにくいのが特徴です。「早どりにんじん 紅輝」トーホク
春まき、夏まきができる品種で、種まきから収穫までは最短で90日程度とスピーディー。長さ12~15cmとやや小ぶりで、中心まできれいなオレンジ色のニンジンが収穫できます。「オランジェ」タキイ種苗
従来の品種に比べて、カロテンの含有量が50%アップ!糖度が高いので、ジュースにもぴったりです。夏まき・冬どり専用で寒さに強く、雪下ニンジンのような貯蔵にも向いています。カラフルな品種
「金美プラス」みかど協和
明るいイエローのニンジンで、オレンジ色のニンジンと組み合わせてサラダなどにすると、カラフルで楽しい一品に!種まきから収穫までは90~100日と短期間で、甘みのあるおいしい品種です。「パープルターゲット」丸種種苗
アントシアニン系の色素を含む紫色のニンジン。酢を加えると色が鮮やかになるので、ピクルスやサラダに向いています。ゆでると紫色が流れ出てしまうので気をつけましょう。収穫までは120日ほどかかりますが、やや細めで収穫して、丸ごと調理もおすすめです。「金時ニンジン」タキイ種苗
夏まき専用品種で、30cm以上の長さになり、柔らかく甘みが強いのが特徴。関西以西ではお正月のおせち料理の材料としてよく知られ、「京にんじん」とも呼ばれます。赤い色素は、トマトなどにも含まれるリコピンによるものです。「ホワイトハーモニー」丸種種苗
外側も中も真っ白な珍しい品種。直径2~3cm、長さ20~25cmと細長く、スティックサラダなどにぴったりです。同じシリーズにはバイオレット、イエロー、オレンジ、クリームの計5色があり、ミックスして育てるのも楽しそう。ミニ品種
「ラブリーキャロット」中原採種場
直径3~4cmのボール型で、シチューや煮込み料理に丸ごと使えます。栽培期間は70~75日で、深さ10cm程度のプランターでも十分栽培できます。「ピッコロ」タキイ種苗
直径1.5~2cm、長さ10~12cmと細長く、丸ごとスティックサラダなどに使えます。甘みがあり、シャキッとみずみずしい食感も高ポイント。収穫までは70~90日で、小さなプランターや空き容器でも育てられます。栄養たっぷりのニンジンで毎日の食卓を健康に!
栄養豊富で、生でも加熱してもおいしいニンジンは、毎日の食卓に欠かせない野菜。自宅で育てれば、採れたての新鮮なニンジンが味わえます!お気に入りの品種を見つけて、ぜひ栽培に挑戦してみてくださいね。【AGRI PICKチャンネル】
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