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東京農業アカデミー第5期生インタビュー|「エンジニアから農業の道へ」高橋 功さん


東京農業の担い手を育てるために、東京都が設立した「東京農業アカデミー」第5期生にインタビュー。片腕に軽い障がいを抱えながらも就農を目指す高橋功さんは、「研修を通して自分にできること、できないことを見極めて、就農後に生かしていきたい」と語っています。

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小林 由弥

フリーの編集・ライター。 カントリースタイルの暮らしを楽しむ、という主旨のムックで主にガーデニングやDIYの記事を担当していました。 現在は集合住宅住まいで土のない生活を送っているため、花や紅葉を追っての小旅行が楽しみです。…続きを読む

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高橋功さん

撮影:上溝恭香
東京の農業の担い手を育成するため、2020年に誕生した東京農業アカデミー。第5期生として学ぶ高橋功さんに、就農を目指す理由、研修の印象、将来のビジョンなどを伺いました。

コロナ禍でこの先の生き方を考えた

高橋功さん
撮影:上溝恭香
大学の工学部を卒業後、電機メーカーで半導体デバイスの開発業務や製品評価業務に携わってきたという高橋さん。「物づくり」に興味があって続けてきた仕事だったので、不満があって辞めることにしたのではありません。コロナ禍で世界が一変し、今後のことを考えるようになりました。
高橋功さん
高橋功さん
いずれ起業したいという思いがあり、40歳を目前にして何をしていくのかを考えました。
半導体の知識を生かした会社経営、ずっと続けてきた趣味のテニスに関わる仕事なども選択肢にありました。

地元あきる野市への思い

高橋さんはあきる野市で幼少期を過ごしました。目の前に広がるトウモロコシ畑は高橋さんにとっての原風景。職場に近い埼玉から居住地をあきる野に戻したとき、地元に貢献できる仕事を見つけようと心に決めたのです。
高橋功さん
高橋功さん
子どものころに比べて、トウモロコシ畑がかなり減っているのを寂しく感じていました。
この風景をなくしたくない。それなら自分が農家になってトウモロコシ畑を残していこうと思ったんです。


就農を志そうと心に決めてから、いろいろな窓口に相談に行きました。けれども、東京都での農業は規模が小さく楽ではないことを説かれ、神奈川県や埼玉県などでの就農を勧められることもありました。
高橋功さん
高橋功さん
東京以外での就農も検討はしましたが、やはりあきる野市で目指したかったんです。
本気で東京での就農を目指すなら「東京農業アカデミー」に行って学ぶといい、と教えてもらって今ここにいます。

農業経験はまったくのゼロ

農作業はまったく体験したことがなかったという高橋さんですが、東京農業アカデミーは2年間みっちり栽培や農業経営について教えてくれると聞き、「ここしかない」と感じました。
高橋功さん
高橋功さん
SNSを使った宣伝の方法まで学べると書いてあったので、ここならやっていけるに違いないという確信がありました。

腕がやや不自由だけれど……

高橋功さん
撮影:上溝恭香
就農したいと思うようになったものの、ひとつ気がかりなことがありました。高橋さんは右腕が肩より上に上げづらい不自由さがあります。重いものを運んだり、右腕を高くあげたりするような作業が多いと自分にはできないかもしれない。その不安も東京農業アカデミーの説明会で正直に相談しました。
高橋功さん
高橋功さん
作業しづらいときはあるかもしれないけれど、就農は大丈夫でしょう、と言っていただけました。

研修を通してできること、できないことを見分ける

研修が始まる前は、もっと座学が多いんだろうというイメージを抱いていましたが、実際は9割くらいほ場で実習をしています。キュウリやトマト、トウモロコシなどを育てていると、腕に問題を抱える高橋さんには作業しづらいことも生じます。
高橋功さん
高橋功さん
できないことは、指導員や同期の人たちに助けてもらっています。
就農後は、ひとりでは難しい支柱建てなどが不要な作物を中心にして、どうしてもというときだけ誰かの手を借りればやっていけそうです。

指導員も一緒に考えてくれる

一緒に作業をしながら、指導員は「こうすれば腕に負担がかからないんじゃないか」といったことを教えてくれていると言います。
高橋功さん
高橋功さん
ここでいろいろ試せるのがありがたいです。トウモロコシの栽培は腕の問題があっても問題なくできています。

同期とはお互いの得意分野で助け合う

東京農業アカデミー5期生
撮影:上溝恭香
同期生5人は経歴がバラバラでそれぞれ得意なことも異なります。農業経験がある人、身長があって高いところの作業が得意な人、数字に強くて農薬の計算が得意な人。
高橋功さん
高橋功さん
意見が合わないこともあります。そんなときはそれぞれに自分の考えを出し合って、よく話しています。話し合いのなかから、お互いに学び合えるんです。

即売会で目にした先輩の姿

先輩たちは、1年経験が長い分、当然知識量も5期生とは違います。感じるのはそれぞれの野菜に対してよく勉強している、ということ。即売会では、珍しい野菜でも買いやすいように調理法の説明をしているのを見ました。
高橋功さん
高橋功さん
即売会でフェンネルを売るのに、どう説明したらいいのか手をこまねいていました。でも先輩たちは、部位ごとのおすすめの調理法を伝えていて、そういったところも勉強になりました。1年後には同じことができるように頑張りたいです。

自然の中で遊べるあきる野だからこその農業を

高橋功さん
撮影:上溝恭香
高橋さんは、研修後、トウモロコシの栽培をメインでやっていこうと決めています。その他の農産物については研修を通して、トウモロコシ栽培と相性がいい作物を探し、自分で栽培できるものを探している最中です。
高橋功さん
高橋功さん
まずは、トウモロコシをメインに、直売所で販売していくことを考えています。
いろいろと計画や希望はありますが、それは収入が安定してからですね。

あきる野市には、バーベキュー場やきれいな川が流れる秋川渓谷など、アウトドア好きにはたまらないスポットがたくさん。いずれは、そういうところに遊びに来た人たちが気軽に立ち寄れるような、農業体験ができる場もつくりたいと高橋さん。近い将来、その希望が実現することを応援したいものです。
ハンディキャップを抱えている人たちに、高橋さんはこう話してくれました。
高橋功さん
高橋功さん
片腕がやや不自由で農業ができるかどうか不安でしたが、実際に作業してみて、問題がないと感じています。程度にもよりますが、不安をもっていたら説明会で農場長に相談してみてください。
東京農業アカデミーは、農業に関することはもちろん人間力も身に付けられますよ。


アカデミー入講前は「自分にできるだろうか」と不安に感じていた高橋さん。指導員や仲間たちとの交流のなかで、着実に農家への道を歩み始めています。

「自分がほんとうやりたいこと目指す」その思いを胸に、日々努力を続ける高橋さん。地元あきる野市の景観を次世代へ継承するために、地域貢献にも力を注ぎながら活躍する姿が楽しみです。

Sponsored by 公益財団法人 東京都農林水産振興財団 東京農業アカデミー

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