さまざまな経験を経て、夢だった農業の道に
12年間の市役所勤務からの転職
加藤さんの前職は市役所勤務。庁舎管理や地域福祉に関する仕事に携わっていました。
加藤秀隆さん
市民団体と協力してまちづくりのための企画を立て、それを実施するという仕事もしておりました。
学生時代から漠然と抱いていた就農の夢
大学では社会学を専攻していた加藤さんですが、大学生のころから漠然といつか農業をやってみたいという気持ちを抱くようになりました。食品廃棄物の勉強をし、その一環で農家の手伝いや研修に行ったことで農業に興味をもつようになったのです。大学卒業後に就農することも考えていろいろと調べましたが、一筋縄ではいかないことがわかり、その時点では断念。一般的な就職活動をすることにしました。けれども、ずっと家庭菜園でミニトマトやキュウリ、ナスなどの野菜を育てることは続けていて、頭のどこかでいつかは就農したいという気持ちは抱き続けていました。
加藤秀隆さん
前職で10年以上働き続けて、30代半ばになって次のステップを考えたときに、ずっとやりたかった農業を始めようと思ったんです。
都市型農業を目指したかった
自分の食べるものがどこからくるのか
都市部で育った加藤さんは、子どものころから農業とは関わりのない生活を送ってきて、自分が食べているものがどうやって作られて、どこから来ているのかを意識したことがなかったと言います。農村地に生まれ育っていれば、当然のように日ごろから農業に触れる機会がありますが、都市部の子どもたちは、野菜をどういう人たちが育てているのかを知る機会がありません。加藤秀隆さん
たぶん、それって私だけじゃなくて、東京などの都市部に住んでいる人たちは大半が同じだと思うんです。ですから、東京に住む子どもたちにも農業のよさを広めたいと考えて、東京での就農を目指すことにしました。
自分の子どもたちにも食べ物の大切さを教えたい
加藤さんには3人の子どもがいます。自分が大人になるまで野菜がどこからくるのかを意識していなかった分、自分の子どもたちには知ってほしいと願っています。加藤秀隆さん
自分が口にする食べ物は誰かが作っているんだということを意識して、感謝できる人に育ってほしいと思います。
アカデミーの研修では頭も身体も使う
入講後、生活ががらっと変わった
実際に研修が始まってみて、事前に描いていたイメージから大きく外れることはなかったという加藤さん。ただ、前職ではデスクワークがメインだったため、日々の生活は変わりました。加藤秀隆さん
学生時代に農家に手伝いに行ったり、援農ボランティアも行っていたので、1つひとつの作業のイメージはできていましたし、そのころの経験が生かせています。
ただ、お手伝いと違って、自分たちで作業を組み立てて、それをやりきらないといけないので、思っていた以上に身体も頭も使いますね。
ただ、お手伝いと違って、自分たちで作業を組み立てて、それをやりきらないといけないので、思っていた以上に身体も頭も使いますね。
野菜の生長の早さに驚く
初夏の収穫期、キュウリは1日で数センチずつ育ちます。朝、8時50分からの朝礼を終えるとすぐにほ場に出て、収穫をしたり、虫や病気にやられていないかを確認したりという日々。ちゃんと毎日観察して、病気や虫の害があったらすぐに適切に対応しないと農作物は一気にだめになってしまう。そんな難しさも感じています。加藤秀隆さん
家庭菜園では、気が向いたときに見に行くくらいでしたが、毎日ほ場に出るようになって、植物の様子が日々変化していることにあらためて驚いています。
見て味わって感じる野菜
野菜を自分の手で育てて味わってみることで、さまざまな発見があります。加藤秀隆さん
例えばトマトは、露地物のほうが太陽の光をたっぷり浴びてたくさんの養分をたくわえて実がしっかりしているし、おいしく感じます。でも、大量に生産しようと思うとハウス栽培のほうが安定して収穫できますし、季節を問わず味のレベルも一定以上を保てます。
同期生は20歳もの差があるものの、男子校のような連帯感が！
アカデミーの指導員は実践的な知識を教えてくれる
加藤さんが東京農業アカデミーを選んだのは、週に5日、2年間しっかり学べるというところに魅力を感じたからでした。農作物を育てるのに週1回では足りないし、1年間だけ学校に通ってすぐに実践できる自信がなかったからです。実際に研修が始まってから、その選択は間違っていなかったと感じています。加藤秀隆さん
何かあると、指導員がすぐにその場でていねいに教えてくれます。本やインターネットで調べてもわからなかったことも教えてくれるので、就農後にすぐ役に立ちそうだと感じます。
先輩研修生も、質問すると教えてくれます。日々の先輩方の姿が1年後の自分なのだと思って、なるべく間近で見ています。
先輩研修生も、質問すると教えてくれます。日々の先輩方の姿が1年後の自分なのだと思って、なるべく間近で見ています。
同期生は精神的な支え
第4期生は全員が男性。年齢こそ20歳くらい離れている人もいますが、仲良くお互いに支え合って日々を過ごしています。一人では難しい作業も、仲間と一緒だからできることもあります。加藤秀隆さん
研修での作業はみんなで力を合わせてやることが多いのですが、就農後一人になったらそういうわけにもいきません。だからこそ、今、同期生や指導員と一緒にやっていることを一人だったら、二人だったらとイメージして作業しています。
新しい視点での農業を模索中
今の段階ではまだ具体的な就農像は描けていませんが、まずは質のいい野菜を育てて直売や学校給食に卸すことを考えているという加藤さん。けれども、夢はそこにとどまりません。加藤秀隆さん
もちろん、農業で収入を得ることは大切なのですが、安定だけを求めているわけではないんです。
農作業と販売が軌道にのってきたら、周りの農家がやっていないことにも挑戦したいと思っています。東京に住む方たちに興味をもってもらえる農家になることが最終目標です。
農作業と販売が軌道にのってきたら、周りの農家がやっていないことにも挑戦したいと思っています。東京に住む方たちに興味をもってもらえる農家になることが最終目標です。
思い描く一つの形は、地域と距離の近い農家なのだそう。従来の観光農園とも違う新しい体験農家を目指しているといいます。就農後の加藤さんが、どんな農家になっていくのか楽しみです。
ほかの受講生のインタビューはこちら。
東京農業アカデミー八王子研修農場
概要：就農希望者を都市農業の担い手として育成することを目的として東京都が開設した研修農場
対象：18歳以上で都内で就農を目指す人（毎年5名程度を受入れ）
研修農場 ： 八王子市大谷町（約20,000m2）
研修期間 ： 2年間（年間約220日）
問い合わせ：東京農業アカデミー八王子研修農場 042-649-3444、東京都産業労働局農林水産部農業振興課 03-5320-6221（直通）
第5期生応募に関する詳細情報
東京農業アカデミー八王子研修農場令和6年度研修生募集
======== オンライン説明会========
開催日程
９/23（土・祝） 13:00～15:00
※Zoomにて実施いたします。
お申し込みは下記URLよりお願いいたします。
オンライン説明会詳細はこちら
https://www.agreen.jp/job/detail.php?job_id=4242
======== 現地説明会========
【日程】
第１回：令和５年９月16日（土曜日）10:00～12:00
第２回：令和５年９月27日（水曜日）14:00～16:00
第３回：令和５年10月７日（土曜日）10:00～12:00
第４回：令和５年10月11日（水曜日）14:00～16:00
第５回：令和５年10月18日（水曜日）14:00～16:00
第６回：令和５年10月22日（日曜日）10:00～12:00
現地説明会オンラインお申し込みフォーム
https://www.nogyoacademy.tokyo/contact.php
皆さんのご応募をお待ちしています！
Sponsored by 公益財団法人 東京都農林水産振興財団 東京農業アカデミー
