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初めての収穫!最初にメロンの味見をしたのは誰だ?|脱・東京!北海道でメロン農家になりたい夫婦の農業研修記 No.8


北海道に移住して2年目の夏、初めてのメロンの収穫がスタートしました。メロンのおいしさを左右するポイントの一つが、収穫のタイミング。ちゃんと熟しているのか?糖度はしっかりと上がり切っているのか? メロンをじっくりと観察しながら収穫できるかどうかをチェックして、いよいよ初出荷です。
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小林麻衣子

北海道在住のライター。農業系出版社で編集者として雑誌制作に携わったのち、新規就農を目指して移住。現在は農家見習い兼ライターとして活動中。…続きを読む


メロン

撮影:小林麻衣子
新規就農をめざして東京から北海道にIターンした夫婦が、農業経験なし、土地なし、人脈なしの状態から研修をスタートし独立するまでの道のりをつづります。
夏に入り、いよいよメロンの収穫がスタート!来年からの独立に向けてビニールハウス建設も始まっています。

研修2年目の様子について紹介した前回の記事はこちら。

移住2年目の夏が到来!

支笏湖
撮影:小林麻衣子
梅雨明けから記録的な猛暑が続いたこの夏。猛暑日のニュースが連日テレビをにぎわせるなか、今年の北海道は、比較的涼しい夏を迎えていました。

昨年は干ばつで暑く、エアコンがない北海道の住宅の蒸し暑さの洗礼を受けたばかり。
「今年こそは快適な夏をすごすぞ!」と、大急ぎで寝室にエアコンを取り付けたのですが、稼働の出番は数日しかありませんでした。過ごしやすい気候なのはうれしいですが、ちょっと悲しいような残念な気持ちです。そうは言っても、7月下旬になると北海道にも短い夏がやってきます。

メロンの味見をしたのは誰!?

メロン食害
撮影:小林麻衣子
夏本番になると、いよいよメロンの収穫シーズンです。春先のは種から毎日欠かさず温度管理をして育ててきたメロンも、立派な大きさに育ちました。
「そろそろ収穫だし、試食して糖度を確認しよう」

そう話していた矢先、とある生き物に先に越されてしまいました。その生き物は白昼堂々ハウスに押し入って、メロンをつまみ食いしていったようです。しかも周りのメロンにも引っかき傷をつけていく始末。おかげでここまで大切に育ててきたメロンが、無残な姿で発見されることになりました。

人間よりも先に収穫時期を見極めて味見をした犯人の正体は、キタキツネです。収穫前からハウスのまわりをウロウロしているのが目撃されていました。ちゃんとメロンがおいしくなる時期を知っていたみたいですね。ハウスには電気柵を設置していましたが、人が出入りするドアから入り込んだ模様。そこで、電気柵のワイヤーの位置を調節してみたところ、その後食害に遭うことはありませんでした。

いよいよ初めての収穫へ

初収穫
撮影:小林麻衣子
キツネに先を越されましたが、いよいよやってきた初収穫の日。糖度も十分に上がって、16度を超えてきました。
メロンの収穫作業は、基本的に手作業です。収穫の日の朝は4時前からハウスに行って、中で実っているメロンを一つ一つ確認し、ちゃんと熟しているのか?糖度はしっかりと上がり切っているのかを見極めます。そして、およそ1週間でハウスの中のメロンを全て獲り切ります。

収穫のタイミングが肝!

メロンのおいしさを左右するポイントの一つが、収穫のタイミングです。早く収穫し過ぎると果肉が硬かったり、糖度が低くなってしまったりします。一方、収穫が遅れるとメロンがひび割れてしまって、売り物にならなくなってしまうのです。
熟練の農家にもなると、メロンの外側を見ただけで、一瞬で収穫できるかどうかわかってしまいます。今の私たちは、そういう技は持っていないので、メロンをじっくりと観察しながら収穫できるかどうかをチェックしています。

厳しい検査を受けて市場に出荷

畑で収穫したメロンは、一玉ずつ人の手で磨いていきます。そして等級別に箱詰めをして、共同選果場へ運ばれます。選果場では、メロンに傷がついていないか、ネット(メロンの網目)は美しいか、中身は傷んでいないか、しっかりと糖度があるかなどを生産組合の農家の目で厳しくチェックして、初めて市場に出荷されます。
初収穫の日にとれたのは、たった15箱分。それでも、初めて一から栽培したものが市場に運ばれていく様子を見ていると、我が子を送り出すような気持ちになりました。

自分が作ったものを「おいしい」と言ってもらえること

アサヒメロン
撮影:小林麻衣子
収穫したメロンは市場に出荷するのはもちろん、家族や友人にも送りました。自分の作った食べ物が、自分の大切な人に食べてもらえる。農家にとっては当たり前のことかもしれませんが、そのことがとてもうれしくて、とても緊張するものだということを初めて知りました。

メロンは、特別なときに食べたり、プレゼントとして贈られたりするフルーツです。そのため、食味に対する期待が高く、おいしくなかったときのがっかり度も大きいと言えます。だからこそ、「おいしかった」「また来年も食べたい」そう言ってもらえることが、とても大きな喜びになりました。一方で、「期待とは違った」と食べる人が感じないように、これからも修行を続けていかなければならないと思います。

収穫後も忙しい!? 秋の畑仕事

紅葉シーズン
撮影:小林麻衣子
メロンの収穫が一段落すると、すぐに圃場の片付けと土づくりを行います。収穫が終わったからと言って、気を抜いていられません。収穫し終わったメロンの株を1本ずつ土から引き抜き、ハウスの中でカラカラに乾燥させてから、残渣(ざんさ)として処分します。こう書くと簡単そうに思えるかもしれませんが、ハウス1棟分のメロンの残渣はトラクターで何度も運び出すほどの量になります。

もし、そのままメロンを放置していると、虫たちが勝手に受粉をして、メロンの玉が次から次へと実ってしまいます。こうして実ったメロンは、甘くないので食べることができず、捨てるしかありません。

しかし、放置していても玉は水を吸ってどんどん大きくなっていくので、放置すればするほど残渣が増えていく、という訳です。なので、ゆっくり休みたくなる気持ちを抑えて、なるべく早く片付けをしてしまうのが重要です。

残渣の片付けが終わると、マルチやハウスを覆っているビニールの片付けが待っています。それが終わると、ハウス内の土を耕して、肥料をやって、資材を片付けて…。「農家は収穫を終えたら暇なんでしょ?」と思われがちですが、じつは冬までにやらなければならないことが盛り沢山。
この秋は、来年度の就農に向けての準備も進めつつ、農作業に子育てにとバタバタの毎日です。ですが農繁期を乗り切れば、家族3人で迎える初めての冬がやってきます。またその様子は次回、報告したいと思います。それでは!

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小林さんコラムバナー脱・東京!北海道でメロン農家になりたい夫婦の農業研修記

小林麻衣子プロフィール
神奈川県出身、北海道在住。大学卒業後、農業系出版社で編集者として雑誌制作に携わったのち、新規就農を目指して夫婦で北海道安平町に移住。2021年4月からメロン農家見習いとして農業研修に励むかたわら、ライターとしても活動中。

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