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移住2年目に突入!我が家に新メンバーも加入!?|脱・東京!北海道でメロン農家になりたい夫婦の農業研修記 No.7


北海道に移住して2年目の春がやってきました。今年は町の農場を借りて、メロン栽培を実践する年です。その様子や我が家にやってきた新メンバーについても紹介します。
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小林麻衣子

北海道在住のライター。農業系出版社で編集者として雑誌制作に携わったのち、新規就農を目指して移住。現在は農家見習い兼ライターとして活動中。…続きを読む


メロンの苗

撮影:小林麻衣子
新規就農をめざして東京から北海道にIターンした夫婦が、農業経験なし、土地なし、人脈なしの状態から研修をスタートし独立するまでの道のりをつづります。

東京から北海道に移住して1年が経ちました。昨年は、メロン栽培について一から教えてもらったり、近年稀(まれ)にみる大雪に見舞われたり…と、いろいろなことを経験しました。ちなみに、前回の連載で触れていた土壌医検定3級にも無事合格しましたよ。春からはいよいよ農繁期に突入です!

冬の間の農家の過ごし方を紹介した前回の記事はこちら。

移住2年目はメロン栽培の実践編!

北海道の桜
撮影:小林麻衣子
3月に九州からスタートした桜前線が、本州を北上して北海道にやってくるのは4月下旬。この時期になると冬の間眠っていた緑がそこかしこで一気に芽吹き、北国に本格的な春がやってきます。春の訪れは、農家にとっては農繁期の始まりを意味します。農業研修生の私たちにとって、今年は移住2年目の年であり、2回目のメロン栽培が始まる年です。指導農家のもとでメロン栽培について一から学んだ昨年とは異なり、今年は町が所有する研修用の農場で、自分たちの手でメロン栽培を実践します。昨年学んだことを思い出しながら、師匠の手を借りずにメロン作りをしていくので毎日がドキドキです。

カッコウが鳴いたら種をまけ?

メロンの播種
撮影:小林麻衣子
農家に春を告げるのは桜や緑だけではありません。昔から「カッコウが鳴いたら種をまけ」といわれており、5月にカッコウの寂しげな鳴き声がどこからともなく畑に響いてきたら、本格的な農作業のスタートの合図です。この時期に畑を見回すと、忙しそうにトラクターを動かす農家の姿が目に入ります。ちなみにカッコウは渡り鳥で、豆をまく季節に日本にやってくることから「豆まき鳥」ともいわれているそう。

ただしメロン栽培の場合は、カッコウが鳴き始めるよりもずっと早く種まきをします。安平町のブランドメロン「アサヒメロン」は北海道内のメロン産地では最も早く、5月上旬に出荷が始まり、季節によって品種を変えながら10月まで出荷が続きます。メロンは、は種から収穫まで4カ月ほどかかるため、早い人は12月ごろから畑の準備を始めます。この時期のメロン栽培は温度管理に長年の経験と技術が必要なため、私たち研修生は雪解けが始まる3月に最初のは種をしました。

は種から発芽までは約3日。土をかぶせる量や、土壌の水分量、地温の管理など、どの要素が欠けても発芽はうまくいきません。「ちゃんと芽が出るかな?」と気をもみましたが、無事にほぼ全ての種を発芽させることができました。

温度管理がおいしいメロン作りの要

メロン苗
撮影:小林麻衣子
メロンの苗は、発芽からおよそ30日目にハウスの中に植え付ける「定植」をおこないます。定植は、ハウスの中にマルチを敷いて、穴をあけたところに一つひとつ手作業で苗を植え付けていく作業です。そしてメロン栽培はここからが本番。定植したメロンのつるを2本ずつ伸ばし、そこにメロンの玉を2つずつつけていきます。収穫まではハウスの中の温度管理が重要で、メロンが生長しやすい栽培適温になるよう、ハウスのビニールを開閉して温度を調整していきます。この温度管理がメロンのおいしさの決め手になるのです。7月には初めての収穫を迎える予定なので、結果はまた次回の連載でご報告しますね。

我が家に新メンバーも仲間入り!

我が家の新メンバー
撮影:小林麻衣子
じつは移住2年目の今年、我が家には新メンバーがやってきました。5月に生まれた息子です。移住当初、子育てはずっと先のことだと思っていましたが、昨年の秋に妊娠が判明。5月10日に第一子を出産しました。そのため今は半年ほど農業研修をお休みして、メロン栽培は夫に任せています。

人口約7,000人の町の子育て事情

放牧される馬
撮影:小林麻衣子
ここで、北海道の人口約7,000人の小さな町での妊娠・出産について少し書きたいと思います。まず、都会と異なるのは、近くに産院がないこと。町内に病院はありますが、分娩(ぶんべん)を扱っている産婦人科がありませんでした。そのため、車で隣の市の総合病院に通う必要がありました。自宅から病院へは車で30分ほど。冬に雪が降ると40分くらいかかります。この距離を毎回自分で運転して通わなければなりません。幸い私は妊娠中体調がよく、出産前日まで自力で病院に通うことができました。

背景には、北海道の産婦人科の少なさがあります。北海道の人口10万人あたりの産婦人科の医師の数は全国平均よりも少なく、子どもを産める場所が少ないのは、田舎に限った話ではないようです。知人に聞いた話によると、タクシーさえ来るのに時間がかかるような場所に住んでいる人の中は、陣痛がきてから自力で病院に運転していった猛者もいるそうです(絶対に真似しないでください)。

田舎ならではのよさも

ミズバショウ
撮影:小林麻衣子
一方、田舎に住んでいるよさもあります。一つはコロナ禍のなか、感染症にかかるリスクが低かったことです。満員電車で通勤していた会社員時代と比べても、畑までは車で移動できる上、人との接触はほとんどありません。また、ワクチン接種も都市部に比べて速やかに行えた印象でした。逆に、人とのふれあいがないので、孤独を感じやすいのがデメリットでしょうか。

とはいえ、こんな小さな町にも、同じタイミングで子どもが生まれるお母さんがいたので、仲良くなる機会もありました。また、農家仲間のお母さんたちからベビーベッドやベビーバス、子ども服などのお下がりをたくさんもらって、子育てアイテムを準備するのにも、苦労はありませんでした。

息子の誕生とこれから

アサヒメロンの初出荷を迎えた5月上旬。予定日を2日過ぎて、息子が誕生しました。コロナ禍のため、産院は家族も立ち入り禁止。一人での入院は心細いだろうと不安に思っていましたが、かえって誰にも気を使わずに安心して出産に臨むことができました。

今こうして原稿を書いている隣ですやすやと眠っている息子を見ると、愛おしいという思いと同時に、メロン栽培をなんとしてでも成功させねばという気持ちになってきます。新米農家、そして新米パパ・ママになった私たちの様子をぜひこの連載でも見守ってください。

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脱・東京!北海道でメロン農家になりたい夫婦の農業研修記

小林麻衣子プロフィール
神奈川県出身、北海道在住。大学卒業後、農業系出版社で編集者として雑誌制作に携わったのち、新規就農を目指して夫婦で北海道安平町に移住。2021年4月からメロン農家見習いとして農業研修に励むかたわら、ライターとしても活動中。

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