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ライター - たかはしひろみ
千葉大学園芸学部で造園を学び、卒業後は住宅メーカーの外構部門で設計・施工管理を担当。現在は自宅の庭をコツコツ改造しながら、庭づくりや花の育て方などの記事を執筆している。大好きなクスノキをなんとかして寒い地方で育てられないか、模索中。…続きを読む

出典:写真AC
育てやすくて庭木にもぴったりなツツジにはたくさんの種類があり、どの品種も魅力的です。でも豊富な種類があるとかえって、どれを選んでいいのか迷ってしまったり、よく似た種類は見分けがつかなくて困ってしまうことも。そこで代表的なツツジの種類や、プロがおすすめの種類を写真付きで紹介!花や葉の特徴などの見分け方も詳しく解説します。
代表的なツツジの種類を知ろう!

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「ツツジ」というと、一般的には半常緑性のツツジ科ツツジ属、ツツジ亜属のヤマツツジ(Rhododendron kaempferi)の仲間を指しますが、その
範囲を「ツツジ科」全体まで広げてみると、世界には約125属3,500種、日本に自生するものだけでも約22属108種あります。その中でも代表的なツツジの種類は、「ツツジ属」と「ドウダンツツジ属」です。
ツツジ属|株いっぱいに花が咲く!サツキツツジやクルメ(久留米)ツツジはこの種類

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「ツツジ」といわれたときに真っ先に思い浮かぶのがこの仲間です。日本に自生する種類もたくさんあり、
ヤマツツジやサタツツジ、ミツバツツジ、シャクナゲ、レンゲツツジなどがあります。また、これらの自生種をもとに改良された、園芸品種のクルメツツジやキリシマツツジ、サツキツツジなどもツツジ属の仲間になります。
ツツジ属の代表的な種類1|サツキツツジ

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一般的に流通しているサツキツツジは、中部地方から九州にかけて自生しているサツキツツジや、鹿児島県などで自生しているマルバサツキをもとに改良された園芸品種です。
ほかのツツジ属の花に比べて開花時期が遅く、5月中旬~7月下旬の初夏にピンクや赤、白などの小ぶりの花を株いっぱいに咲かせます。
ツツジ属の代表的な種類2|オオムラサキツツジ

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オオムラサキツツジは、奄美大島から沖縄諸島にかけて自生するケラマツツジと、中国・四国・九州地方に自生するキシツツジの自然交雑種です。
大輪の花と大きめの葉が特徴で、丈夫な性質なので公園や街路樹などにもよく植えられている種類です。
ツツジ属の代表的な種類3|クルメツツジ

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江戸時代末期に、鹿児島県など九州の野生ツツジであるキリシマツツジやサタツツジをもとに、人為的に交配させてできた園芸品種のクルメツツジ。
花びらが二重についている品種が多く、枝先に数十輪まとまって花が咲くのでとても華やかな印象です。
ツツジ属の代表的な品種4|シャクナゲ

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ほかのツツジ属の花と比べ、
シャクナゲは大きめの花が枝先に花束のようににまとまって咲くので、とても豪華な印象があります。アズマシャクナゲやハクサンシャクナゲなど、日本に自生するものは高山に分布するため暑さに弱いですが、一般に植えられているものは品種改良された園芸品種なので、丈夫で育てやすくなっています。
ドウダンツツジ属|紅葉も楽しめる落葉のツツジの種類

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ドウダンツツジ属は落葉性のツツジの仲間で、
可憐(かれん)な花だけではなく、美しい紅葉も楽しめる種類です。東アジアを中心に、10種類ほどが分布しています。
ドウダンツツジ属の代表的な種類1|ドウダンツツジ

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4月中旬~5月上旬に咲く白い小さなつぼ型の花、新緑の明るい葉の色、10月中旬~11月の真っ赤に紅葉した姿、と見どころ満載のドウダンツツジ。古くから愛されていた種類で、庭木や生垣などさまざまなシーンで植えられています。
ドウダンツツジ属の代表的な種類2|サラサドウダン

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サラサドウダンは、
4~5月に淡いピンク色に赤い縦のラインが入った、小さなベルのような形の花をまとまって咲かせます。ドウダンツツジよりも少し大きめの花で、華やかな印象です。
プロ厳選!庭木におすすめのツツジの種類 BEST5

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- ヤマツツジ|朱色に近い赤い花が咲く
- エゾムラサキツツジ|北海道の春を代表する品種
- ヤシオツツジ|花が桃、白、紅紫色の3種がある
- ミツバツツジ|紅紫色の花と枝先に付く3枚の葉が特徴
- ヨシノツツジ|ピンクの花が枝先にまとまって付く
それぞれこの後、詳しく紹介します!
庭木におすすめのツツジの種類No.1|ヤマツツジ

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ヤマツツジは全国各地の野山で自生するツツジで、古くから愛され庭木に利用されてきました。新緑の中でひときわ目を引く、鮮やかな赤色の花が特徴的です。
ヤマツツジの基本情報
属 | 樹高 | 耐寒性 | 耐暑性 | 花の色/時期 |
ツツジ属 | 1~3m | 強い | 普通 | 赤/4~6月 |
ヤマツツジの見分け方

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紫がかった色が多いほかのツツジに比べて、オレンジや朱色に近いような赤い花が特徴です。葉は先がとがった楕円形(だえんけい)で褐色の毛が生えていて、春に出て秋に落葉する「春葉」と夏から秋に出て温暖な地域では越冬する「夏葉」の2種類がありますよ。
ヤマツツジの育て方のポイント

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生長のスピードが遅いので、管理しやすい庭木です。刈り込みをしないで自然樹形で育てると、本来の美しい姿を楽しめます。
おすすめのヤマツツジの苗木
ヤマツツジ10.5cmポット 苗
・樹高:0.3m
庭木におすすめのツツジの種類No.2|エゾムラサキツツジ

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北海道の春を代表する春の花、エゾムラサキツツジ。街路樹や公園にもよく植えられています。サクラの花が咲く前の花が少ない時期に、美しく開花するエゾムラサキツツジの姿はとても印象的です。
エゾムラサキツツジの基本情報
属 | 樹高 | 耐寒性 | 耐暑性 | 花の色/時期 |
ツツジ属 | 0.3~1.2m | 強い | 弱い | 紅紫/5月 |
エゾムラサキツツジの見分け方

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ツツジの仲間の中では比較的背が低く、花は少し丸みを帯びた形で透き通るような美しい色をしています。花が咲いた後に茂る葉は艶のある緑色で、ヒノキのような爽やかな香りがありますよ。
エゾムラサキツツジの育て方のポイント
自然樹形を生かして育てると、上品でとても清楚(せいそ)な姿になります!
おすすめのエゾムラサキツツジの苗木
庭木におすすめのツツジの種類No.3|ヤシオツツジ

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ヤシオツツジは桃色の花が咲くアカヤシオ、紅紫色のムラサキヤシオ、白色のシロヤシオの3種の総称です。ムラサキヤシオは特に、新緑の中で比較的早く花を咲かせるので、北国の深山に春を告げる花として親しまれています。
ヤシオツツジの基本情報
属 | 樹高 | 耐寒性 | 耐暑性 | 花の色/時期 |
ツツジ属 | 2~7m | 強い | 弱い | 桃、紅紫、白/4~7月上旬 |
ヤシオツツジの見分け方

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シロヤシオは白い花びらの上部にある緑の斑点(蜜標)が、アカヤシオとムラサキヤシオは花びらの先がとがらずに丸みを帯びているのが特徴です。また、葉が5枚ずつつくので「ゴヨウツツジ」とも呼ばれています。
ヤシオツツジの育て方のポイント
大きくなりやすいので、広い場所に植えてあげると、存在感が際立ちます。また、多肥を好むので、肥料をしっかり与えることでより元気に育ちますよ。
おすすめのヤシオツツジの苗木
庭木におすすめのツツジの種類No.4|ミツバツツジ

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関東や東海、近畿地方の低い山に自生するミツバツツジ。トウゴクミツバツツジやトサノミツバツツジなどの、地域差による変種をまとめた、総称として使われることもあります。
ミツバツツジの基本情報
属 | 樹高 | 耐寒性 | 耐暑性 | 花の色/時期 |
ツツジ属 | 1~3m | 強い | 強い | 紅紫/4月下旬~5月上旬 |
ミツバツツジの見分け方

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その名の通り、枝先にまとまってつく3枚のひし形の葉が特徴です。本来のミツバツツジは、雄しべが5本であることでほかの近種と見分けられます。
ミツバツツジの育て方のポイント
たくさんあるツツジの仲間の中でも、ほかの種類に先駆けて花を咲かせ、春の訪れを告げてくれます。自然樹形でも楽しめますが、刈り込んで育てても、また違った美しさを楽しめますよ。
おすすめのミツバツツジの苗木
庭木におすすめのツツジの種類No.5|ヨシノツツジ

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ヨシノツツジは、ヒカゲツツジと中国産のシャクナゲを交配してできた園芸品種です。元になっているヒカゲツツジも「ツツジ」の名がついていますが、分類的には葉や子房に丸い鱗(うろこ)状の腺点がある種類の有鱗片(ゆうりんぺん)シャクナゲなので、ヨシノツツジも小輪系のシャクナゲに属します。
ヨシノツツジの基本情報
属 | 樹高 | 耐寒性 | 耐暑性 | 花の色/時期 |
ツツジ属(ゲンカイツツジ亜属) | 1~1.5m | 強い | 強い | ピンク/3~4月 |
ヨシノツツジの見分け方

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たくさんの花が枝先にまとまって球状につくのが特徴です。葉も艶があって大きめです。
ヨシノツツジの育て方のポイント
線が細くシュッとしていて、風になびくような軽やかなイメージに育つ種類なので、あまり手を加えない方が魅力を引き出せますよ。
おすすめのヨシノツツジの苗木
ヨシノツツジ 4号ポット苗
・樹高:0.4m(ポットを含む)
こんなものもツツジの仲間!魅力的な種類がほかにもいっぱい

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ツツジ科の仲間には、最初に紹介した代表的なツツジ属やドウダンツツジ属以外にも、たくさんの仲間があります。その中には少し意外に感じるツツジの仲間も。個性あふれるツツジの仲間を紹介します。
アセビ属|スズランのような小さな花がたくさん咲く

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ツツジ科アセビ属の仲間は世界に約10種類ありますが、日本で最も一般的なのは、アセビです。アセビは2月下旬ごろの春になる前のかなり早い時期に、小さなスズランのような花が、かんざしのように連なって咲きます。
花の色はピンクと白があり、どちらも艶のある濃い緑色の葉との対比が美しく印象的です。丈夫な性質で日陰でもよく育つので、古くからよく庭木として植えられている種類です。
スノキ属|美しい紅葉と果実が楽しめる

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真っ赤に紅葉した姿が美しいナツハゼや、高山植物のコケモモなどがこのスノキ属の仲間になります。また、
食用としておなじみのブルーベーリーやクランベリーなどの果実も、実はこの仲間なんです。よく見ると確かに、ナツハゼとブルーベーリーの花や実はよく似ていますよ。
ブルーベリーやクランベリーなどの品種や育て方に関する記事はこちら
エリカ属|枝いっぱいに咲く小さな花が印象的

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エリカ属は、南アフリカやヨーロッパに自生するツツジの仲間です。花自体はとても小さいですが、
細かい枝いっぱいに花が咲くので、とても見ごたえがありますよ。たくさんの園芸品種があり、さまざまな花の色や形のものがありますが、どれもよく茂るので、グランドカバーとして植えるのもおすすめです。
カルミア属|かわいらしい花やつぼみが目を引く

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カルミア属は北アメリカとキューバに自生するツツジの仲間で、その中の一種、ラティフォリア種が日本ではカルミアとして庭木や鉢植えで親しまれています。
金平糖のような形のつぼみと、小皿のような花が特徴的で、株いっぱいに花を咲かせ、樹高が2~3mと比較的大きくなるのでとても存在感がある種類です。
お気に入りのツツジの種類を見つけて育ててみよう

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たくさんの種類があり、日本の春を代表する花ともいえるツツジ。選ぶ種類によって、庭が華やかにも落ち着いた印象にもなります。どの種類も丈夫で育てやすいので、ぜひ皆さんの好みにぴったりの一本を見つけてみてください。