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- 株式会社クリアー 代表取締役
東 直斗(ひがし なおと)西研究所公認MGインストラクター。 和歌山県田辺市出身。ソフト開発会社でエンジニアとして勤務の後、(株)藤原農機(現:GROWLAND)にて、農機具の仕入販売に加えて修理やEC・物流運営・宅配レンタル事業の開発など経営幹部として経験し、グループ企業として株式会社クリアーを設立。 「経営者の家庭教師」として、会計や経営の知識に加えて地方ビジネスの知見、DXやデータ分析の知恵、豊富な実務経験を活かして各地で個別企業支援を行う。…続きを読む
「東さん、僕もAI使ってますよ!」というので、どう使っているのか詳しく聞いてみると、単に「わからないことを調べるため」の検索ボタン代わりに使っているケースがほとんどなんですよね。
しかも、その返ってきた情報が本当に正確かどうかも分からず、振り回されてしまっている。これではAIを使いこなしているどころか、「AIに使われている」状態になってしまいます。
実はそれ、AIの性能が悪いわけでも、あなたの使い方が悪いわけでもありません。
根本的な「AIとの付き合い方」を少し変えるだけで、AIはあなたの農園の頼れる「優秀な右腕」に変身します。
今回は、僕たち農業現場がAIとどう付き合っていけばいいのか、その基礎的な考え方をお話しします。
AIに「一般的なこと」を聞いても、なんとなくの答えしか返ってこない
まず、多くの人がやってしまいがちなのが、何も情報を与えない状態でAIに質問することです。
例えば、「今年のミカンの作柄はどうなりそう?」とか「どうすれば農業で儲かる?」といった聞き方。これだと、AIはネット上にある一般的な情報や、どこかで見たような汎用的なデータをもとに答えるしかありません。結果として、「天候に注意しましょう」「コストを削減しましょう」といった、薄っぺらい、どこかで聞いたような答えしか返ってこないんです。これでは現場の役には立ちませんよね。
AIを使うときの基本的な考え方であり、一番大切なこと。それは、「自分しか持てないデータ」をAIに入力するということです。
AIには、世界中の一般的な知識は最初から標準で搭載されています。足りないのは、「あなたの農園のリアルな情報」なんです。
「農園の歴史」を教えることで、AIは優秀なコンサルタントになる
もし、あなたがAIに向かって、こんな風に話しかけたらどうなるでしょうか。
「これが我が家のここ5年間の農業日誌と防除暦、日々の収穫情報です。さらに、こっちが園地ごとの売上と経費のデータ。これらを読んだ上で、今年の作業計画と経費の使い方を見直したいんだけど、どこを改善すればいい?」
こうなると、AIの目の色が変わります。
- 「この数年間、こういう傾向が出ているので、今年は〇〇の病害虫に注意して、この時期に防除した方がいいですよ」
- 「時間と経費の使い方を見ると、この園地に手間をかけすぎているので、見直した方がいいのでは?」
という風に、回答の質が劇的に上がります。一般論ではなく、「あなたのためだけの、世界に一つしかないアドバイス」をくれるようになるんです。
つまり、AIを活かせるかどうかは、ツールを使いこなす技術の差ではありません。「自分の農園のデータを、どれだけきちんと整理して持っているか」。ここで未来が大きく決まると言っても、過言ではないんです。
Excelや、紙情報をスキャンしたものでも全然OKなので、まずはデータを事前に整理しておくことが大事になってきます。
現場のデータを溜めたことで、収穫効率が劇的に上がった農園の事例
難しく考える必要は一切ありません。僕が実際にサポートした、ある農園さんの事例を紹介します。
その農園では、日々の資材の入出庫情報や、スタッフの毎日の日報を、スマホから「Googleフォーム」を使って入力してもらい、スプレッドシートに自動で溜まる仕組みを作りました。
さらに、複数の園地情報を整理し、「ここは作業がしやすい」「ここはしにくい」といった区分けをしました。そして、毎年の収穫量も園地ごとに細かく記録していったんです。
データが溜まったところで、「標準的な作業時間」を洗い出し、分析してみました。
すると、「どの園地に、どれだけ手間をかければ、一番効率よく利益が出るか」が数字でハッキリと見えてきたんです。結果として、収穫効率や生産効率の良い園地にしっかり手間をかける作業計画を立てることができ、業務の効率化に大成功しました。
仕組みを入れても定着しない。一番大事なのは「社長の意思」と「上司の役割」
ここで、すごく重要な話をさせてください。
「なんだ、Googleフォームを使えば簡単にデータが溜まる仕組みができるのか」と思うかもしれません。でも、勘違いしてほしくないのは、「ツールをどれだけ簡単にしても、それだけでは現場に定着しない」ということです。
仕組みを入れても、最初はみんな入力するのを忘れたり、面倒くさがったりします。だからこそ、きちんと入力できるようになるまで、毎日泥臭くチェックして声をかけ続けることが絶対に必要なんです。
この農園で僕がサポートしたときは、僕や社長が直接メンバーをチェックするのではなく、現場の「上司(リーダー)」から社員さんに伝えてもらう形をとりました。そして、「メンバーがうまく入力できているか確認すること、それが上司であるあなたの仕事だよ」という意識付けを徹底的に行ったんです。
社長一人が全員を見張るのではなく、組織として「当たり前に確認する文化」を作っていったわけです。
- 「農業だから、日報なんて適当でいいや」
- 「みんな忙しいから、データの入力なんて後回しでいいや」
そんな風に、農業であることを理由にして適当さを許容するのを、まずはやめませんか?
一般の製造業やIT企業、普通の会社だったら、日々の入出庫の管理や、今日誰が何の作業を何時間したかの記録なんて、やっていて「当たり前」のことです。
農業だからやらなくていい、なんてことはありません。「普通の会社では当たり前のようにやっていることを、うちの農園でも当たり前にやろう」と考える、社長の強い意思。これこそが、データ経営、そしてAI活用を成功させるための一番の土台になります。
まずは、今日の日報を「文字」にすることから始めよう
僕は元々システムエンジニア(SE)として5年間働いていたので、物事を分解して再現できる形に整えるのが得意です。そのあと農機具屋で10年間、たくさんの農家さんの現場を見てきました。
その経験から言えるのは、農業経営で一番もったいないのは「感覚だけでやって、ノウハウが頭の中にしか残らないこと」です。
経営を突き詰めると、最終的には「お金がいくら残っているのか」「どうすれば残せるのか」を考えることに尽きます。そのためには、現状がどうなっているかというデータが絶対に欠かせません。
最新のAIテクニックを学ぶことよりも、まずはあなたの農園のデータを、いつでも取り出せる形で残しておくこと。
なんとなく感覚でやってきたことが正解なら、データを取ることで「ほら、これで良かったんだ」と自信を持って証明できます。もし上手くいっていない部分があるなら、数字を見て早いうちに軌道修正すればいいだけです。
社長さん本人だけでなく、社員さんやご家族もみんなが楽しく過ごせるように、まずは「当たり前の記録」から始めてみませんか?
\ 経営のモヤモヤ、一緒に整理しませんか? /
株式会社クリアー 代表・東直斗が、あなたの農園の数字と向き合います。
まずはお気軽にご相談ください。
👉株式会社クリアー 公式サイト




















