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えんどう豆の花が咲いたらやること|実を落さない春管理術
花が咲いたのに実がつかず落ちると不安になりますが、多くの場合は異常ではなく、株が環境に反応している状態。春から見直せる管理のポイントを整理します。
花が実にならずに落ちる原因「生理落花」とは
生理落花とは、株が自分の状態や周囲の環境を見ながら、実をつける数を調整するために花を落とす現象。
えんどうでは、開花後に花が実にならず落ちることは珍しくありません。
この生理落花の考え方を知っておくと、次に何を見直せばよいかが見えてきます。
花が黄色くなって落ちるのは株からのサイン
花が黄色くなって落ちるのは、水分や栄養、気温など、どこかに負担がかかっているサインです。病気や失敗とは限らず、株が今の環境では実を支えきれないと判断し、数を調整しています。
管理を見直す合図として受け取ると、その後の判断がしやすくなります。
一番花が落ちても慌てなくていい理由
一番花とは、株が伸び始めて最初に咲く花のことです。生育初期のえんどうは、まだ株全体の体勢を整えている段階にあり、この一番花は落ちやすい傾向があります。
株が落ち着き、その後の管理が合ってくると、次に咲く花は実につながりやすくなります。
えんどうの花が落ちる主な5つの原因|管理チェックリスト
生理落花は、株が実を支えきれないと判断したときに起こり、その引き金になるのがこれから確認する5つの原因です。
気温、日当たり、肥料、水分、土の状態のどこかに負担がかかると、花が落ちやすくなります。
いまの栽培環境がどれに当てはまるか、順に確認してみましょう。
【えんどうの花が落ちる主な原因チェック表】
| 原因 | 状態の目安 | 起こりやすい影響 |
| 低温・霜 | 開花期に夜の冷え込みが続く | 花が傷み、受粉や着果が進まず落ちやすい |
| 日照不足 | つるや葉が混み合っている | 光合成不足で実を維持できない |
| 肥料過多 | 葉やつるばかり伸びている | 花や実に養分が回らない |
| 水分ストレス | 乾燥または過湿が続く | 根の働きが弱り、花が維持できない |
| 連作障害 | 同じ場所で続けて栽培 | 根の生育不良で着果しにくい |
【低温】開花期の寒の戻り・霜による影響
開花中のえんどうは、寒の戻りや霜の影響を受けやすく、花や幼い莢が傷みやすい時期です。夜の気温が3℃前後まで下がる日が続くと、花を維持できず落ちることがあります。
生育の目安は16〜20℃前後で、春後半に気温が高くなりすぎると、実がつきにくくなることもあります。
【日照】つるの込み合いによる日照不足
葉やつるが混み合うと、花まで十分な光が届きにくくなります。光合成が不足すると、株は実を育て続ける力を保てず、花や小さな実を落とすことがあります。
つるの込み合いによる風通しの悪さも、株の負担を大きくする要因です。
【肥料】窒素過多によるつるぼけ
花が咲き始めたら、葉やつるを伸ばすための肥料から、実を支えるための肥料へ意識を切り替えます。窒素は控えめにしますが、完全に抜くのではなく、葉色が濃くなりすぎない範囲で少量を目安にします。
株に負担をかけない量を心がけ、やりすぎないことが安定した着果につながります。
【水分】乾燥と過湿による根のストレス
えんどうは、開花から着果の時期に多くの水分が必要です。そのため乾燥が続くと、花を維持することができず、落ちることもあります。
過湿が続くと根の働きが弱まり、吸水や養分吸収がうまくいかなくなります。
【土壌】連作障害による生育不良
連作障害とは、同じ場所でえんどうを育て続けることで土の状態が偏り、株が本来の力を発揮しにくくなることです。
目安として、同じ場所では3〜4年ほど豆類の栽培をあけると、土の負担を減らせます。
豆類を続けて育てると土の中の環境が偏りやすくなり、根の働きが弱まりがちです。
その結果、落花や着果不良が起こりやすくなります。
えんどうの落花を防ぐための春の管理ポイント
春の落花対策は、花が咲き始めたあとの管理を少し整えることで対応できます。
| 管理 | ポイント | 目的 |
| 整枝・誘引 | つるを広げて誘引 | 日当たりと風通しを確保 |
| 水やり | 開花期は乾かしすぎない | 水分不足による落花防止 |
| 追肥 | 窒素控えめに切り替え | 実を安定して支える |
| 温度対策 | 不織布・マルチを使う | 寒の戻りの影響を減らす |
| 病害虫 | 早めに対処する | 株の弱りを防ぐ |
整枝・誘引で風通しと日当たりを確保する
つるが伸びてきたら、絡み合った部分をほどき、広げるように誘引しましょう。花の位置まで光が届くことで、株が実を維持しやすくなります。
同時に風通しも良くなり、揺れや蒸れによる株への負担を減らすことにつながります。
水やりは開花期からが勝負
開花が始まると、えんどうはこれまで以上に水分を必要とします。乾かしすぎないことを意識しましょう。
水分不足を防ぐことで、花や小さな実が落ちにくくなります。
追肥は花が咲き始めたら切り替える
花が咲き始めたら、葉やつるを伸ばすための肥料から、実を支えるための肥料へ意識を切り替えます。窒素を控えめにし株に負担をかけない量を心がけやりすぎないことが、安定した着果につながります。
不織布とマルチで温度ストレスを減らす
春先は寒の戻りや地温の低下が起こりやすく、落花のきっかけになる場合があります。不織布やマルチを使うことで、急な温度変化を和らげられます。
プランター栽培でも取り入れやすい方法です。
病害虫も落花を助長する要因のひとつ
病害虫は落花の直接の原因ではありませんが、株を弱らせることで影響が出ます。アブラムシやうどんこ病が見られた場合は、早めに対処してください。
日頃から風通しを保つことが、基本的な予防になります。
【種類別】落花・着果不良で気をつけたいポイント

スナップエンドウ:収穫遅れが次の花を落とす
スナップエンドウは、実を付けすぎると株が疲れやすい性質です。収穫が遅れると養分が実に集中し、次に咲く花を支えきれなくなることがあります。
こまめに収穫することで、安定して収穫しやすくなります。
グリーンピース:後半の肥料切れに注意
グリーンピースは、生育が進むにつれて養分の消耗が大きくなります。後半に肥料が不足すると、花や小さな莢(さや)が落ちやすくなることも。
生育の勢いが落ちてきたと感じたら、養分切れを疑ってみましょう。
きぬさや:咲き始めの低温対策が分かれ道
きぬさやは開花が早く、春先の寒さの影響を受けやすい種類です。咲き始めの時期に冷え込みが続くと、落花につながりやすくなります。
不織布などで保温することで、花を守れます。
えんどう栽培でよくある落花の疑問 Q&A

花は咲くのに小さい実のまま黄色くなるのはなぜ?
- 水分ストレスや肥料バランスの乱れ、低温や高温などが重なり、株が実を支えきれないと判断しているためです。
異常や失敗ではなく、生育を保つための調整として起こります。
人工授粉は必要?
- えんどうは自家受粉するため、人工授粉は基本的に不要です。
プランター栽培で落花が多い理由は?
- 水分変動が大きく、根にストレスがかかりやすいためです。
おすすめのえんどう豆 3選
スナップエンドウ:グルメ
肉厚で甘みが強く、さやごと食べられるスナップエンドウ。収穫サイズは9〜10cm前後。肉厚で甘みがあり、次々と収穫を楽しめます。きぬさや:舞姫(まいひめ)
極早生で育ち始めが早く、安定して実がつくきぬさや。低い位置から莢がそろい、曲がりや反りも少なめ。病気に強く、春の収穫を早く楽しめます。
グリーンピース:久留米豊(くるめゆたか)
濃緑で粒が大きく、甘みの強いグリーンピース。耐寒性があり育てやすく、草勢も旺盛で収量が安定します。
まとめ
えんどう豆の花が咲いても、花が落ちる場合は、生理落花としてよく見られる反応のひとつです。
まずは異常と決めつけず、株の状態を見ていきましょう。
春の管理は、次のポイントを意識すると判断しやすくなります。
- 気温、日当たり、水分、肥料、土の状態を順に確認する
- 開花期は乾かしすぎず、肥料は窒素控えめに切り替える
- つるの整理と風通しを意識し、株の負担を減らす
春は, 株の反応を見ながら管理を整えていくことで、実のつき方が変わってきます。















