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クリスマスローズの咲き終わりにやるべき剪定と追肥のコツ


花が終わったあとのひと手間で、翌年の咲き方が変わります。クリスマスローズの咲き終わりをどう見極め、どう切り、肥料をどう与えるかを整理します。

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さつき

植木屋&ガーデニングライターです。1級造園施工管理技士・2級造園技能士の資格を活かし、植物と暮らしをつなぐガーデニングをお手伝いしています。「何を植えればいい?」「うまく育たない…」そんな悩みに寄り添いながら、植物がもっと元気に育つ小さな工夫やコツを丁寧にお伝えしています。「楽しそう!」「やってみたい!」と思える、実践しやすく役立つ記事を目指しています。…続きを読む

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クリスマスローズの咲き終わりにやるべき剪定と追肥のコツ

クリスマスローズの咲き終わりはいつ?見極めのサイン

クリスマスローズの咲き終わりはいつ?見極めのサイン
クリスマスローズは、花の終わりがわかりづらい植物です。

咲いている期間が長く、花びらのように見える部分もなかなか傷まないため、どのタイミングで切ればいいのか迷ってしまう方も多いと思います。

咲き終わりは、次のような変化が見られたときが目安です。
  1. 花の中心にある蜜腺(本来の花びら)が落ち始める
  2. 花色がくすみ、白やピンクだった部分が次第に緑がかってくる
  3. 中心部分が崩れ、しべがポロポロと落ちてくる
種を採りたい場合はそのまま残して育てても構いませんが、種を採らない場合は、このタイミングで花茎を切ります。

株の体力を温存する花がら摘みと剪定の基本

株の体力を温存する花がら摘みと剪定の基本
咲き終わりのサインが見えてきたら、次に考えたいのが花がら摘みです。

この作業は、見た目を整えるためのものではなく、株の体力を無駄に消耗させないための手入れです。

まずは、なぜ花がら摘みが必要なのかを確認しておきましょう。

なぜ花がら摘みが必要?

花がら摘みは、株の体力を無駄に消耗させず、翌年の開花につなげるための作業です。

花を残したままにすると、株は種をつくろうとして養分を使い続けます。

咲き終わりのタイミングで花を摘み取ることで、養分を株の回復に回せ、翌年の花につながりやすくなります。

花茎はどこで切る?

花茎はどこで切る?
花茎は、株元から5センチ程度上を目安に剪定。 根元ぎりぎりで切ると、枯れ込みやトラブルが起きやすくなります。

この位置で切ることで、株への負担を最小限で抑えられます。

葉は切る?切らない?

花が咲いたあとは、基本的に葉を切りません

葉は養分をつくる器官で、開花で疲れた株の回復を支える役割があります。

この時期の剪定は、明らかに傷んでいる葉や病気が出ている葉だけにとどめましょう。

有茎種と無茎種の花後の剪定

クリスマスローズには有茎種と無茎種がありますが、花後の剪定の考え方は同じです。

咲き終わったあとは、花茎のみを整理し、葉は残して株の回復を優先します。

株の形が違って見えても、花の後は葉を切りすぎないと覚えておくと判断に迷いにくくなります。

翌年の花芽を育てる追肥の考え方

翌年の花芽を育てる追肥の考え方
花後の追肥は花を増やすためではなく、開花で消耗した株を回復させ、次の生育に備えるために行います。

この時期に無理をさせず体力を立て直すことが、翌年の花芽形成につながります。

花後に追肥は必要?役割は回復と養分の貯蔵

花を咲かせたあとのクリスマスローズは、株の中の養分をかなり使っています。

花後に追肥を行うのは、その消耗を補い、次の生育につなげるためです。

この回復が十分でないと、株の動きが鈍くなり、翌年の花付きにも差が出てきます。

追肥のタイミングは花後から梅雨入り前まで

追肥は、開花後から梅雨入り前までに終えるのが基本です。

クリスマスローズは夏場に休眠に入り、高温期は根の動きが鈍くなります。

そのため、暑くなる前に肥料の効果が切れるよう調整することで、夏の根トラブルを防ぎやすくなります。

花後の追肥|コツと肥料選び

花後の追肥|コツと肥料選び
花後の追肥は、量や種類を間違えると、回復を助けるどころか株の負担になることがあります。

ここでは、花後管理に向いた肥料の考え方と、与えすぎを防ぐためのポイントを整理します。

緩効性肥料・化成肥料・液肥の使い分け

花後の追肥は、時期によって使う肥料を切り替えると判断しやすくなります。 目安は4月です。

【花後の時期別・肥料の使い分け】

時期肥料の種類使い方のポイント注意点
4月頃までクリスマスローズ専用肥料・化成肥料少量を一度だけ与える効きすぎないよう控えめに
4月以降液肥薄めて様子を見ながら使う回数を増やしすぎない
この時期は、緩効性肥料は控える方が無難です。 花後の追肥では、夏まで肥料分を残さないよう調整することが大切です。

おすすめクリスマスローズの肥料 活動期に合わせて、安心して使える専用肥料。

9月から4月に与え、リン酸多めで花つきをしっかりサポート。根を傷めにくいのも特長です。


追肥量は控えめが基本

花後の追肥は、量を控えめにするのが基本です。 葉色が濃い株や生育が強い株ほど、多くを必要としません。

まずは少量から始め、足りない場合は後から補う考え方が安全です。

咲き終わりの剪定と追肥でよくある失敗

咲き終わりの剪定と追肥でよくある失敗
花後の管理は、やりすぎないことが何より大切です。 ここでは、剪定と追肥で起こりやすい失敗と、その避け方を整理します。

花と一緒に葉を切りすぎてしまう

開花の後に葉を切りすぎると、株の回復が遅れます。

葉は養分をつくる役割を担っており、失いすぎると株が弱り、翌年の花数にも影響します。

【解決策】

  1. 花後は花茎のみを整理し、葉は剪定しない
  2. 整理するのは、明らかに傷んだ葉や病気の葉だけ

弱っている株にも追肥してしまう

弱っている株に追肥をしても、回復は早まりません。

葉が黄ばんだり垂れたりしている株は、まだ回復途中で、根の吸収力も落ちています。

その状態で追肥をすると、肥料を吸えず、かえって株を傷めてしまうことがあります。

【解決策】

  1. 追肥を急がない
  2. 剪定や置き場所の見直しなど、環境改善を優先する
  3. 活力剤で様子を見て、新葉が動き出してから追肥を検討する

追肥のタイミングが遅れてしまう

追肥が遅れると夏の根トラブルにつながりやすくなります。 高温期に肥料が残ると、根への負担が大きくなります。

【解決策】

  1. 追肥の時期をあらかじめ区切る
  2. 花後の追肥は、梅雨入り前までに終える
  3. 暑くなる前に肥料の効果が切れるよう調整する

剪定・追肥とあわせて行いたい株のメンテナンス

剪定・追肥とあわせて行いたい株のメンテナンス
クリスマスローズの花後管理では、剪定や追肥に加えて、夏を乗り切るための環境づくりも大切です。

ここでは、花後に意識しておきたい基本的なメンテナンスのポイントを整理します。

風通しを改善して灰色かび病を予防する

花後は株元が混み合いやすく、湿気がこもることで、灰色かび病などの病気が出やすくなります。

【予防策】

  1. 混み合った部分を軽く整理し、株元に空気が通る状態をつくる
  2. 配置や置き場所を見直し、湿気がたまりにくい環境を意識する

健康な葉は残し、傷んだ葉だけを外す

花後は葉を整理しすぎず、病気が出ている葉や明らかに傷んだ葉だけを切ります。

健康な葉は光合成によって養分をつくり、開花で疲れた株の回復を支えています。

本格的な古葉取りは秋以降に回すのが基本です。

アブラムシなど害虫の早期発見と対策

花後は新芽まわりにアブラムシがつくことがあります。

【予防策】

  1. 新芽や葉裏を定期的に確認する
  2. 少数なら指で取り除く、または水で洗い流す
  3. 発生が続く場合はアブラムシ用の薬剤を散布する

ウイルス病を防ぐためにハサミを消毒する

剪定時にハサミを使い回すと、目に見えないウイルス病を広げてしまうことがあります。

【予防策】

  1. 剪定の前後に刃を消毒する
  2. 株ごとにハサミを変えて使い回さない
ひと手間ですが、トラブルを防ぐために欠かせない作業です。

おすすめのクリスマスローズ

ダブルファンタジー

上品な純白の八重咲きが魅力。コンパクトにまとまり、年々花姿が充実し冬の庭を凛と明るく彩る、安定感のある人気品種です。


ホワイトプリマドレス

柔らかなオフホワイトに、花弁が幾重にも重なるフリル咲き。花型の整った中輪で、冬の庭を華やかに引き立てる存在感ある一株です。


雪の妖精 ‘ケイティ’

ピンクと白のグラデーションが美しい雪の妖精シリーズ。ニゲル由来のコンパクトな草姿で、庭でも鉢でも育てやすい早咲き品種です。


まとめ

まとめ
花後の管理は、以下のポイントを意識すると、株が充実し翌年の花付きが良くなります。
  1. 咲き終わりは花の中心を見て判断する
  2. 剪定は花茎のみ行い、葉は基本的に残す
  3. 追肥は控えめに行い、梅雨前までに終える
なお、クリスマスローズはこぼれ種でも増える植物です。 種を採って増やしたい場合は、花茎をすべて切らず、数本だけ残しておく方法もあります。

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