ビオラの花色を長持ちさせるポイント
ビオラの花色は、環境や管理のちょっとした違いで変わります。まずは、花色が薄くなる理由と、それを防ぐポイントを整理しておきましょう。
花色が薄くなる主な原因
ビオラの花色が淡くなるときは、次のような理由が考えられます。
- 光不足:紫や黄色の色素が作られにくくなる
- 低温:色づきの材料となる糖の蓄積が落ちる
- 花がら放置:種づくりが進み、花に回るエネルギーが減る
花を長く楽しむ三本柱
花色を長く保つには、こうした原因に「どう手を打つか」が大切です。環境(光・温度)は変えにくいですが、株の状態と栄養バランスを整えることで、色あせを起こしにくくできます。
花色を守る三つのポイント
| ポイント | 理由 |
| 花がらを残さない | 種づくりを止め、花へエネルギーを回す |
| 冬に切り戻す | 若い枝に更新され、色素をつくる力が高まる |
| リン酸を補う | 色素づくりや花芽形成の材料を不足させない |
これらを意識しておくと、春まで安定した花色が期待できます。
ここからは、それぞれの対策をもう少し詳しく見ていきましょう。
花がら摘みで花色を長持ちさせるコツ
まずは、もっとも効果が出やすい花がら摘みのポイントからお話しします。
花色の安定には、株の力を花に向け続けることが大切です。
そのために欠かせないのが花がら摘みです。
種子を作らせないことが花色維持の第一条件
ビオラは、種づくりが始まると花色があせる場合があります。種を育てるほうに力が回ってしまい、色素の維持や新しい花芽づくりに使うエネルギーが足りなくなるためです。
しぼみかけた花は、色がまだ残っていても早めに外して、種子形成へ進ませないことが大切です。
蒸れと病気を防いで、株を健康に保つ
花がらを残すと湿気がこもりやすく、灰色かび病のきっかけになる場合があります。病気が進むと株全体が弱り、花色どころか生育そのものに影響がでることも。
とくに気温差が大きくなる春先は蒸れやすいので、こまめな花がら摘みが株の健康維持につながります。
花茎は根元から取る
花がらを取るときは、花弁だけではなく、花茎ごと根元から外すのが基本です。花弁だけを外すと子房が残り、そこから種づくりが進んでしまいます。
見た目はきれいになっても、株のエネルギーが種へ向かってしまい、花色や花もちが悪くなります。
冬(1〜2月)の切り戻し|春の色づきを左右する大事な作業
冬の寒い時期に株を整えておくと、春の立ち上がりがぐっと良くなり、花色の濃さや花数にも違いが出てきます。
冬に切ると春の花色が濃くなる理由
冬に切り戻しておくと、春は若い枝が中心になり、色がのりやすくなります。古い枝のまま咲かせるよりも、若い枝のほうが色素をつくる力が強く、花色が冴えやすくなるためです。
さらに株全体がいったんリセットされるため姿が整い、春のボリューム感も出やすくなります。
切る位置の基本|高さの1/2〜1/3を目安に
冬のビオラは、思い切った強剪定ができる時期です。株全体の高さの1/2〜1/3程度まで切り戻すのが目安です(地域や気温によって加減してください)。
節の近くで切ることで、新しい芽が勢いよく伸び、春の開花がそろいやすくなります。
剪定後は日光・水やり・薄めの液肥を
切り戻し直後の株は、少しつかれた状態になっています。この回復が春の花色を左右するので、無理をさせない管理が大切です。
剪定後の基本ケア
- 日光:よく当てて光合成を促し、回復を助ける
- 水やり:土が乾いてから控えめに与え、過湿を防ぐ
- 液肥:与えるなら少し薄めにし、根への負担を避ける
春(3〜4月)の軽い切り戻し|色と花数を維持するために
春はビオラが一気に動き出す時期です。
冬に比べて生育が早いぶん、姿が乱れやすく、花色も薄くなりがち。
ここでは、株を弱らせない範囲で整える「軽い切り戻し」がポイントになります。
切りすぎると弱るので葉を残す
春は気温が上がり、蒸散量が増えるため、冬のような強剪定は向いていません。葉を多く取りすぎると水分バランスが崩れ、株が弱りやすくなります。
切る場合は最低限にとどめ、葉をしっかり残すのが基本です。
徒長枝だけを選んで短くする
春の切り戻しは、全体を短くするのではなく、徒長した枝だけを軽く整えましょう。伸びすぎた枝を少し詰めることで草姿が整い、日当たりや風通しが良くなるため、花色も安定します。
切る位置は、葉のすぐ上を意識すると自然な姿に仕上がります。
5月以降は切らずに花がら摘みだけ
気温が上がる5月以降のビオラは、剪定によるダメージから回復しにくくなります。高温に弱い植物なので、強く切るとそのまま衰弱してしまうことも。
この時期は切り戻しは行わず、花がら摘みだけにしておきましょう
















