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2月は玉ねぎの追肥効果が最も出るタイミング
2月は、玉ねぎの根が動き始め、追肥が効いてくる時期です。
気温や地温が徐々に上がってくると根の動きだし、寒さで紫がかっていた葉色も少しずつ緑に近づいていきます。
そのため、この時期の追肥は球の肥大に直結します。
ここからは、2月にどのように肥料を与えると効果を引き出しやすいのか、具体的なポイントを見ていきましょう。
玉ねぎを大きくする2月の追肥ポイント

追肥のタイミングは「温度」と「葉色」で判断
追肥のタイミングは、温度と葉色で判断できます。【温度のサイン】
- 日中が10℃前後まで上がる日が続いたら追肥の合図
- 寒い日ばかりの時期は根が動かず、追肥は様子見
【葉色のサイン】
- 薄い黄緑:肥料が不足ぎみ
- 濃い緑:肥料がやや多め
- 紫がかった葉が緑に戻る:根が動き出した合図
肥料選びのポイント|化成・有機・液肥の特徴
2月はまだ地温が低く、肥料の効き方に差が出る時期です。ここでどの肥料を選ぶかが、春の立ち上がりに影響します。
まずは、各肥料の特徴をざっくりつかみましょう。
【肥料タイプ別の特徴】
| 肥料の種類 | 特徴 |
| 化成肥料 | 即効性が高く扱いやすい |
| 有機肥料(発酵ボカシ) | ゆっくり効く・土を整える |
| 液体肥料 | 効きが早く微調整がしやすい |
2月の肥料選びの基本
この時期の肥料は「即効性」が大事です。- 迷ったら化成肥料(8-8-8)か玉ねぎ専用肥料
- 有機を使うなら発酵済みボカシを少量だけ
- 効かせたい時期に合わせて量を調整する
家庭菜園におすすめの肥料
化成8-8-8速効性があり、2月の玉ねぎ追肥に使いやすいタイプ。少量でしっかり効いて葉色も戻りやすく、家庭菜園の定番肥料です。
アミノール化学 玉ねぎ・ねぎ専用肥料
専用品だから迷わず使えるのが魅力。吸収されやすいアミノ酸入りで、元肥にも追肥にも使いやすく、玉ねぎの味づくりに役立ちます。
乾燥しやすい畑は「液体肥料」が安全
パフォームCaは、速効性のカルシウム補給ができる葉面散布液。カルシウムは細胞壁を強くして病気を防ぎ、玉ねぎの肥大を助ける成分のひとつです。
パフォームCa500ml|肥料 液肥 液体肥料
有機肥料を使いたい場合は「発酵済みボカシ」
発酵済みのぼかし肥料は有機肥料ですが、普通の有機より効き始めが早く、土をふかふかにしながら栄養も補えます。2月の玉ねぎには化成肥料や液肥がメインですが、ぼかしを少し足すと春からの土づくりに役立ちます。
家庭菜園で失敗しない施肥量の目安
化成も液肥も、少なめをこまめに使う方が安全です。特に2月は根の動きがまだゆっくりなので、控えめスタートが基本です。
【施肥量の目安】
| 肥料の種類 | 使用量の目安 | ポイント |
| 化成肥料8-8-8 | 1㎡あたり30〜40g | 少量をばらまき、軽く混ぜる |
| 液体肥料 | 10〜14日に1回、規定倍率で | 乾燥時でも効きやすい |
| 発酵済みボカシ(有機) | 1㎡あたり30g前後 | 低温時は効果が出にくい |
失敗しないためのコツ
- 乾いた土は肥料が入りにくい → 施肥後に軽く潅水
- 入れすぎは肥料焼けの原因 → 少量を分けて使うのが安全
- 葉色が薄いときは少しプラス、濃すぎる時はストップ
止め肥はいつまで?早生は2月中旬、中生は3月上旬が目安
玉ねぎは春が近づくと、一気に肥大が始まります。
このタイミングで大事になるのが、肥料を入れるのをやめる時期=止め肥です。
止め肥とは?
止め肥とは、玉ねぎへの追肥を「ここで終わり」と区切ることです。追肥をやめることで、葉を伸ばす成長よりも、球を太らせるほうへ栄養の流れが向きやすくなります。
逆に、いつまでも追肥を続けると葉ばかり育ち、球が太りにくくなるため、この「やめどき」を決めることが大切です。
止め肥を遅らせた場合に起きるトラブル
止め肥が遅れると、肥料が効き続けて葉ばかりが育ち、球への養分移行が進みにくくなります。その結果、次のようなトラブルが起きやすくなります。
【止め肥が遅れたときに起こる主なトラブル】
- 青立ち:葉が倒れず、収穫が遅れる
- 首太り:首が締まらず、貯蔵性が大幅に低下
- 腐敗リスクの増大:軟腐病・灰色かび病が出やすくなる
止め肥の時期|早生・中生・晩生
品種によって肥大が始まるタイミングが異なるため、止め肥の時期も変わります。【品種別の止め肥目安】
| 品種区分 | 止め肥のタイミング | 理由 |
| 早生 | 2月中旬ごろ | 肥大が早く進むため、早めに切り上げる |
| 中生 | 3月上旬まで | 生育期間が中くらい |
| 晩生 | 中生より少し遅れてOK | ゆっくり育つため余裕がある |
地域別の止め肥目安
地域の気温によって玉ねぎの育つスピードは大きく変わります。下の表を目安に、あなたの地域に合わせて止め肥のタイミングを調整してください。
| 地域 | 止め肥の目安 | 補足 |
| 暖地 | 早生は2月上旬まで | 肥大が早く始まるため止め肥も早めに設定 |
| 中間地 | 2月中旬まで | 多くの品種で最も扱いやすい標準タイミング |
| 寒冷地 | 雪解け直後に追肥1回 → すぐ止め肥 | 肥大期が短く、追肥と止め肥をほぼ同時に行うイメージ |
【凡例】
- 暖地:九州・四国・南関東沿岸など
- 中間地:関西・東海・北関東・南東北など
- 寒冷地:北海道・東北日本海側・山間部など
2月の除草は必須作業|雑草に負けないためのポイント
玉ねぎは春先、雑草に負けることがあります。
そのままにしておくと 光・水・肥料が奪われ、肥大が進みにくくなります。
【2月に増える主な雑草】
- ホトケノザ
- ナズナ
- ヒメオドリコソウ
2月の除草も、春の肥大を助ける準備になります。
べと病・アザミウマを2月に見抜くコツ
2月は気温がゆるみ始め、病害虫がじわっと動き出す季節です。
玉ねぎは初期症状を見逃すと一気に弱り、肥大にも影響が出ます。
ここでは、2月に特に注意したい「べと病」と「アザミウマ」の早期発見ポイントをまとめました。
べと病の初期症状を見逃さない
べと病は、早期発見できれば広がりを抑えられます。まずは下の表をチェックしてください。
【べと病の初期サイン】
| 症状 | 見分け方のポイント |
| 葉が湾曲 | 外側にゆるく曲がり、不自然な姿になる |
| 葉が淡い黄色に変色 | スーッと抜けるような黄変。筋状に出ることも |
| 生育停止 | 株がぴたっと止まり、元気が戻らない |
周囲の株に移りやすいため、早めの処理が最も効果的です。
アザミウマの発生を早期に察知する
アザミウマは体が小さいため、症状から見つけるのがコツです。暖地では、2月頃から葉裏で見かけることがあります。
3月以降は一気に数が増えやすいので、この頃から様子を見ておくと、変化に気づきやすくなります。
【アザミウマのサイン】
- 葉に白いカスレ状の傷が出る
- 葉裏に極小の虫がつく
- 生育がじわっと鈍ることがある
光を反射させながら見ると見つけやすくなります。
肥料の入れすぎが病害虫の発生を招く
2月は追肥の時期でもありますが、入れすぎると玉ねぎが軟弱になり、病害虫が寄りつきやすくなります。【肥料過多で起こるトラブル】
- 軟弱徒長:細胞壁が薄くなり、べと病に弱くなる
- 湿度がこもる:密植・肥料多めだと灰色かび病も発生
- 止め肥を守れない:後半の肥大にも悪影響
2月にやっておきたい玉ねぎの管理チェックリスト
追肥・除草・病害虫チェックなど、肥大に向けた下準備はこの2月が肝心です。【2月の管理チェックリスト】
| 作業内容 | ポイント |
| 追肥のタイミング | 最高気温10℃前後、葉色の回復を合図にする |
| 施肥量の調整 | 少量をこまめに。入れすぎは徒長・病気の原因 |
| 除草 | 越冬雑草を早めに除去。土を軽くほぐしておく |
| 病害虫チェック | べと病・アザミウマの初期症状を見逃さない |
| 止め肥の時期確認 | 早生2月中旬/中生3月上旬が目安 |
| 乾燥対策 | 潅水で吸収をサポート |
よくある質問(FAQ)

米ぬかはそのまま肥料に使えますか?
そのまま土に入れるのはおすすめできません。未発酵の米ぬかは分解時にガスが出て根を傷めたり、逆に窒素飢餓を起こすことがあります。
使う場合は「発酵させたボカシ肥料」の形で少量だけ混ぜるのが安全です。
玉ねぎの追肥はいつまですればいいですか?
追肥は、早生で2月中旬・中生で3月上旬までが目安です。これを過ぎて追肥すると、葉が倒れにくくなる青立ちや、首が締まらず貯蔵に弱い首太りの原因になります。
状態の良い玉ねぎを収穫するには、この「止め肥のタイミング」が大切になります。
玉ねぎの肥料不足の症状は?
肥料不足の主なサインは次のとおりです。- 葉色が薄い黄緑になる
- 葉の伸びがゆっくりで細く見える
- 全体の勢いが弱い
2月は「薄い黄緑なら少しプラス、濃い緑なら控える」のバランスで判断すると、失敗しにくくなります。
まとめ
2月は、玉ねぎがしっかり太るための土台をつくる大事な時期です。追肥のタイミングや肥料の種類、止め肥、除草、病害虫チェック、どれも春の肥大に影響しやすい管理ポイントです。
2月のていねいな作業は、収穫時の玉の大きさや仕上がりにも影響しやすいところです
















