目次
ソラマメに支柱が必要な理由
そのため支柱を立てて株を安定させる必要があります。
支柱の効果
支柱を使うことで、次のような効果が得られます。- 草丈が1m前後まで伸びても株をしっかり支えられる
- 春先の強風や雨から株を守り、倒伏を防げる
- 莢(さや)の重みで傾くのを防ぎ、収穫期まで株を維持できる
- 苗期の揺れを抑え、根の定着を助ける
- 全体を支えることで管理や収穫作業がしやすくなる
支柱の立て方3タイプ|メリット・デメリット
ソラマメの支柱立てには大きく分けて「一本支柱(直立式)」「合掌式(A字・V字型)」「囲い型(行灯仕立て)」の3種類があります。
それぞれ特徴があり、作業性や安定感に違いがあります。
支柱の立て方3タイプ|メリット・デメリット
立て方 | メリット | デメリット | おすすめ度 |
一本支柱(直立式) | ・省スペース ・設置が簡単で手軽 ・株周りの作業がしやすい | ・側枝を支えにくい ・風で茎が折れやすい ・強風に弱く不安定 | ★☆☆ |
合掌式(A字・V字型) | ・頑丈で安定感がある ・風や実の重みに強い ・ネットを張って応用可能 | ・設置に手間がかかる ・支柱や固定具が必要 ・株の内側を管理しづらい | ★★☆ |
囲い型(行灯仕立て) | ・四方から支えて安定感抜群 ・少ない材料で対応できる ・初心者でも扱いやすい | ・株数が多いと支柱が増える ・生長に合わせて紐を調整 ・やや見た目がゴチャつく | ★★★ |
- ★☆☆:条件が限られれば使える
- ★★☆:中級者向け、工夫すれば安定する
- ★★★:初心者にもおすすめで安心
ソラマメの支柱は段階的に行うのがコツ
支柱は一度に完成させるのではなく、生育ステージに合わせて段階的に行うのがポイントです。
秋〜冬の苗期は仮支柱と防風対策で根を守る
苗が小さい時期は「まだ支柱は不要」と思いがちですが、風で揺れると根が定着せず、生育が遅れてしまいます。そこで、仮支柱を立ててぐらつきを抑えることが大切です。
さらに、霜や冷たい風から守るために不織布や寒冷紗でトンネルをかけておけば、苗を守りながら冬を安全に越せます。
春先は追肥・土寄せと同時に本支柱を設置
気温が上がる春先は、ソラマメが一気に生長を始める時期です。草丈が30〜40cmに伸びたら、早めに本支柱を立てておきましょう。
支柱は株元から10〜15cm離して挿すと、根を傷めずに設置できます。
さらに追肥をほどこし株元に土を寄せて盛り土をして、株全体をしっかり安定させることが大切です。
ここで支柱を整えておけば、その後の誘引や収穫作業がぐっと楽になり、倒れにくい株に育てられます。
開花期(4〜5月)は2〜3段の誘引+整枝・摘心が重要
4〜5月の開花期は、ソラマメがもっとも大きく成長する時期です。草丈が50〜60cmに達したら、まず下段に紐を張って株全体を囲いましょう。
その後、60cm・80〜90cmの高さに2〜3段目の紐を追加していくと、強風や実の重みで倒れる心配が少なくなります。
同時に、枝が混み合わないように6〜7本の太い側枝だけを残して整枝すると、風通しと日当たりが良くなり、元気な株に育ちます。
さらに、先端を切る摘心を行えば背丈の伸びすぎを防ぎ、栄養が実に集中して莢(さや)がふっくらと育ちやすくなります。
この時期にきちんと支柱と誘引を整えておくと、収穫まで安定した株を維持できるので、作業を後回しにせず早めにすませておきましょう。
収穫期(5〜6月)は支柱を残したまま収穫
いよいよ収穫期を迎える5〜6月のソラマメは、さやの重みで株がさらに傾きやすくなります。この時期でも支柱や紐を外さず、そのまま残して収穫作業を行うのが基本です。
下段のさやを収穫する際は、枝を引っ張ると折れてしまうことがあるため、ハサミで丁寧に切り取ります。
作業中に紐が緩んでいたら、その場で締め直しておきましょう。
収穫後は支柱や紐を丁寧に回収し、ビニタイや支柱は泥を落として乾燥させれば翌年も再利用できます。
倒れない誘引方法のコツ
ここでは、初心者でも失敗しにくい誘引の工夫を紹介します。茎を直接縛らず株全体を囲んで支えるのが基本
ソラマメの茎は折れやすいため、強く結ぶと風に揺れた拍子に簡単に折れてしまいます。そこで、茎を1本ずつ縛るのではなく、株全体をぐるりと囲むように紐を張り、やさしくまとめるのが安全な方法です。
紐は30cm・60cm・80〜90cmの高さに2〜3段で張る
誘引用の紐は株の高さに合わせて段階的に張るのがコツです。低い位置だけだと上部が倒れやすく、高い位置だけでは根元から株が傾いてしまいます。
30cm・60cm・80〜90cmと2〜3段で囲えば、株全体をバランスよく支えられます。
麻紐・ソフトタイ・シルバーリボンがおすすめ
茎を傷めにくい柔らかい素材を選ぶことも大切です。麻紐は自然素材で扱いやすく、土に戻せる点もメリット。
ビニール製のソフトタイは弾力があり、初心者でも結びやすい資材です。
さらに、シルバーリボンを使えば光の反射でアブラムシを避ける効果も期待でき、倒伏防止と害虫対策を兼ねられます。
ソラマメ栽培でよくある失敗とその防ぎ方
ソラマメは風や雨に弱く、支柱や誘引の方法を誤ると株が倒れてしまうことがあります。
ここでは初心者が陥りやすい失敗と、その対策を紹介します。
支柱立てが遅れて強風で倒れてしまう
支柱を「もう少し伸びてから」と後回しにすると、春の強風で株ごと倒れることがあります。草丈50〜60cmに達する前に必ず支柱を設置しましょう。支柱を株元に立てて根を傷める
株のすぐ横に支柱を挿すと、太い根を傷つけてしまい生育が弱る原因になります。支柱は株から10〜15cmほど離して立てるのが安全です。茎を強く縛って折れてしまう
茎を直接強く縛ると、風で揺れた際に折れやすくなります。株全体を囲う方法や、どうしても茎を支柱に寄せたい場合は「8の字結び」でゆとりを持たせるのがコツです。支柱や紐が弱く支えきれない
細すぎる支柱や緩い紐では、株が大きくなると支えきれません。太めで長さのある支柱を選び、紐は二重三重に補強すると安心です。枝を間引かず混み合う
枝を放置すると株が込み合い、風通しが悪くなって倒れやすくなります。草丈50〜60cmの頃に側枝を6〜7本だけ残して整枝し、株の内部まで日が当たるようにしましょう。土寄せ不足で株元がぐらつく
根が浅いソラマメは、土寄せをしないと株元がぐらつきやすくなります。追肥のタイミングで盛り土をして、根元から安定させることが大切です。ソラマメ家庭菜園向けおすすめ3選
ソラマメにはさまざまな品種がありますが、家庭菜園では「育てやすさ」「味の良さ」「収穫時期の早さ」などを基準に選ぶと失敗が少なくなります。ここでは初心者から中級者まで安心して育てられるおすすめ品種を紹介します。
一寸そらまめ:大粒で作りやすい、家庭菜園の定番
名前の通り一寸(約3cm)ほどの大きな粒が特徴で、食べごたえのある品種です。栽培適応性が高く、失敗が少ないため家庭菜園の入門品種として人気があります。
仁徳一寸:ふっくら粒で甘みも濃い
粒がふっくらとして大きく、味は上品で甘みが強いのが魅力。食味が良いので家庭用はもちろん、贈答用にも向く品種です。見た目も立派で育てがいがあります。
早生そらまめ:暖地で春の早どりを狙うならこれ
他の品種より生育が早く、春先に早どりができるタイプ。暖かい地域や家庭菜園で「なるべく早く収穫したい」という方にぴったりです。
ソラマメ栽培で揃えたいおすすめ資材
ソラマメをしっかり育てるためには、支柱や紐などの基本的な資材が欠かせません。どれも家庭菜園で扱いやすく、再利用できるものばかりなので、最初に揃えておくと安心です。
まとめ
ソラマメは成長すると1m近くまで伸びるため、風や実の重みで倒れやすい特徴があります。
支柱を立てて株全体を囲い、段階的に誘引することで根が守られ、安定して育ちます。
支柱立てと誘引のコツを押さえれば、しっかり根付いた株から美味しいソラマメをたっぷり収穫できます。