サツマイモが細い…それ、つるぼけ？原因・対策・おすすめ品種

家庭菜園で起こるサツマイモのつるぼけとは？

サツマイモのつるぼけとは、茎や葉ばかりが元気に育ち、肝心のイモが太らなくなる生育不良のことです。

「葉はわさわさしてるし、順調そう！」と思っていたのに、掘ってみたら細いイモばかり…

見た目にはすごく育っているように見えるのが、つるぼけの厄介なところです。

これは栄養が、地下のイモではなく、地上部のつるや葉にばかり使われてしまうために起こります。

結果として、細い芋ばかりになってしまうのです。

家庭菜園ではよくある現象なので、「葉が良く茂っている＝順調」と思い込まず、葉や茎の様子にも気を配ることが大切です。

つるぼけの見分け方と早期発見のポイント

つるぼけは早く気づいて対処すれば、イモの太りを取り戻せる可能性があります。

見た目の「育ちすぎ」に気づくことが、最大のヒントです。

地上部の葉だけでなく、地下部のイモの様子も想像しながら管理してみてくださいね。

サツマイモのつるぼけの4つの原因

家庭菜園では「いいと思ってやったこと」が、つるぼけの引き金になることもあります。

つるぼけを招きやすい代表的な4つの原因は以下のとおりです。

1. 窒素過多
2. 水の与えすぎや排水性の悪さ
3. つるの伸びすぎと不定根※の発生
4. 天候不順

※不定根とは、伸びたつるの節からでる根のことを言います。

天候不順など、どうしようもない要因もありますが、肥料や水の管理、つるの処理など、できる対策もたくさんあります。

いくつかの原因が重なることでつるぼけは進みやすくなるので、思い当たるところがあれば、少しずつ見直していきましょう。

家庭菜園でつるぼけを防ぐ育て方と管理のコツ

つるぼけは、ちょっとした管理の工夫で防げます。

ここでは、家庭菜園でもすぐに取り入れやすい4つのポイントをご紹介します。

肥料は「控えめ」が正解！土づくりのポイント

サツマイモは、もともと痩せた土地でも元気に育つ作物です。

つるぼけを防ぐためには、肥料のバランスを次のように意識しましょう。

• 窒素は控えめに、リン酸とカリをやや多めに
• 土が肥えている場合は、元肥を入れずに植え付けてもOK
• 前作でしっかり肥料を使っていた場合も控えめに

「ちょっと足りないかも？」くらいの量が、実はちょうどいい育ち方につながります。

高畝（たかうね）と水管理で通気性・排水性を確保

サツマイモは、水が多すぎるとつるばかりが伸びてしまいます。

とくに雨が続く時期は、水のたまりに注意が必要です。

イモをしっかり太らせるには、少し乾燥気味に育てることがポイントです。

• うねは高めにして、水がたまらないようにする
• 雨上がりにはうねの横に溝を作って水の流れをよくする

水たまりができないようにして、風通しよく育てることで、つるぼけをぐっと防ぎやすくなります。

つる返しのタイミング

つるが地面に触れると、節から根が出てイモに届くはずの栄養が分散してしまいます。

それを防ぐために行うのが「つる返し」です。

つる返しのやり方

1. つるをやさしく持ち上げる
2. 出ている根を土からはがす
3. 持ち上げたつるを畝（うね）の上にひっくり返すようにもどす

最近の品種では、つる返しをしなくてもつるボケしにくい品種もあります。

むしろ、無理につる返しをすることで株を傷めてしまう可能性もあるため、株の様子を見ながら判断するようにしましょう。

つるを軽く切って伸びすぎをコントロール

つるを軽く切って伸びすぎを抑えるのも、つるぼけ対策として有効です。

つるがどんどん広がって手に負えなくなったら、先端を少しだけ切ってみましょう。

伸びすぎを抑えることで、つるや葉への栄養をおさえ、イモにしっかり栄養が届いてくれます。

ただし、切りすぎると光合成が減ってしまい、イモの生長に悪影響を与えることもあります。

全体の様子を見ながら、切っていきましょう。

サツマイモのつるぼけのリカバリー方法

「つるぼけしたかも…」と気づいたら、できるだけ早く対策を始めましょう。

完全な回復は難しくても、ちょっとした工夫でイモの太りを少し取り戻せることもあります。


できることから少しずつ見直して、無理のない範囲で手入れしてみてください。

秋の収穫に向けて、まだ間に合う可能性もあります。

つるぼけしにくくて美味しいサツマイモ3品種

ここでは、家庭菜園でも育てやすく、つるぼけしにくい人気の品種を3つご紹介します。

べにはるか｜ねっとり甘みが強く人気の品種

甘みの強い品種で、しっとりとしたねっとり食感が特徴です。

特に焼き芋にすると、蜜がにじむほどの甘さになり人気があります。

収穫直後よりも、1〜2ヶ月ほど貯蔵することで甘みがぐっと増します。

比較的つるぼけしにくく、家庭菜園でも育てやすいとされる品種です。

クイックスイート｜早く収穫できてホクホク系

育成期間が短く、植え付けからおよそ100〜110日で収穫できます。

ほかの品種より早めに収穫できるため、家庭菜園でも人気です。

食感はホクホク系で、クセがなくさっぱりとした甘さ。

煮物や素揚げなど、料理にも幅広く使えます。

育てる期間が短いため、植え付けが遅れた年や、秋の早いうちに収穫したいときにもおすすめの品種です。

ベニアズマ｜家庭菜園の定番で育てやすい

ホクホクとした食感に、しっかりとした甘みが魅力のサツマイモ。

焼き芋はもちろん、天ぷらや煮物など、幅広い料理に使える万能品種です。

早生タイプで、植え付けから収穫までは約120日が目安。

肥料を控えめにすればつるぼけもしにくく、家庭菜園でも育てやすいです。

サツマイモ栽培のよくある質問Q&A

ここでは、サツマイモの「つるぼけ」に関する疑問をまとめました。

つるぼけかどうか、いつ頃わかりますか？

つるぼけしているかどうかは、7月〜8月頃の茎や葉の様子を見ることでわかります。

葉が濃い緑で大きく、茎が太く、つるが勢いよく広がっている場合は、つるぼけのサインかもしれません。

確認したい場合は、9月以降に試し掘りをしてみるのがおすすめです。

イモが細くて数が少なければ、つるぼけが進んでいる可能性があります。

生育の様子を早めにチェックして、必要な対策をとっていきましょう。

つるぼけ対策で無肥料で育てるのは大丈夫？

はい、大丈夫です。

サツマイモは肥料が少ない環境でも育ちやすい作物なので、土にある程度栄養が残っていれば無肥料でも問題ありません。

むしろ、肥料を与えすぎるとかえってつるぼけしやすくなるため、元肥を入れずに植え付ける方がうまくいくこともあります。

つるぼけしてしまったけど、食べられる？

はい、つるぼけしたサツマイモでも食べられます。

ただし、イモが細くて小さめだったり、甘みやホクホク感が物足りないこともあります。

少しでも太らせたいときは、収穫時期を1〜2週間遅らせて様子を見るのがおすすめです。

時間をかけることで、多少の改善が見込めることがあります。

 

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まとめ

つるぼけは、サツマイモのつるや葉ばかりが育ち、肝心のイモが太らなくなる状態のことです。

家庭菜園では肥料のやりすぎや水の与えすぎが原因になりやすく、早めに気づいて対処することが大切です。

肥料は控えめ、水はけのよい土づくり、つる返しなど、ちょっとした工夫でつるぼけは防げます。

育てやすい品種を選ぶのも、失敗を減らすポイントです。

日々の観察を大切にして、甘くてホクホクのサツマイモを楽しんでくださいね。