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菜園家・ブルーベリー研究家
福田 俊東京農工大学農学部農学科卒。「どうすればおいしい野菜がたくさん採れるか」「いかにラクで楽しい野菜づくりができるか」を追求し、「フクダ流」自然農的有機栽培を実践。16平米という限られたスペースの市民農園で、年間50品目以上の野菜を有機・無農薬で栽培しています。監修を務めた家庭菜園誌や著書も多数。 ■関連サイト HP:http://www.fukuberry.com/ Youtube:https://www.youtube.com/user/f104ryo Instagram:https://www.instagram.com/fukuberry104/?hl=ja Twitter:https://twitter.com/29da104 facebook:https://www.facebook.com/toshi.fukuda.73 ■著書:『市民農園1区画で年間50品目の野菜を育てる本』(学研プラス)、『フクダ流家庭菜園術』(誠文堂新光社)、『福田さんのラクラク大収穫!野菜づくり』(学研パブリッシング)…続きを読む
今回は、そんなモロヘイヤの栽培方法を家庭菜園のプロに聞きました!
モロヘイヤってどんな野菜?
日本には1980年代に入ってきた、比較的新しい野菜「モロヘイヤ」。スーパーなどでもよく見かけますが、いったいどんな野菜なのでしょうか。ルーツや栄養素、食べ方など、さまざまな方面からスポットを当ててみましょう。
古代エジプト王も食べた、高貴な野菜!?
モロヘイヤの原産地はインド西部~アフリカ北部。古代エジプトですでに食用にされていたという記録があることから、その歴史の古さが伺えます。モロヘイヤの語源は、アラビア語で「王家の野菜」を意味する「ムルキーヤ」。王がモロヘイヤのスープを飲んで病気を治した、という故事に由来しているそうです。また、美貌の女王として知られるクレオパトラも、モロヘイヤのスープを好んで飲んだといわれています。モロヘイヤの栄養素は?
モロヘイヤは、ビタミンA、B群、C、E、K、カルシウム、カリウム、食物繊維など、体に必要な栄養素をバランス良く含み、美容や健康、生活習慣予防、老化予防などに効果があるといわれています。ネバネバ成分が胃粘膜を保護して消化を促し、肝臓や腎臓の機能を高める働きもあるとされるので、夏バテ対策にもぴったりです。モロヘイヤのおいしい食べ方は?
原産地に近いエジプトでは、葉を細かく刻んで、ニンニクで香りづけしたチキンスープにたっぷりと入れるモロヘイヤのスープが代表的な料理。コリアンダーシードやクミンシードなどを加えるとより本格的です。和食なら、サッとゆでておひたしにしたり、お味噌汁の具にしたりするのが手軽。ネバネバ好きの方には、ゆでてから刻んで、納豆に混ぜるのもおすすめです。
モロヘイヤの栄養素を逃さない調理法
モロヘイヤの葉は火が通りやすく、また、加熱し過ぎるとせっかくの栄養素が損なわれてしまいます。おひたしなどにする場合は、熱湯に入れて20秒ほどゆで、葉の色が変わったらすぐざるに上げて、冷水で冷まします。スープや味噌汁に入れる場合も、最後の仕上げに入れて、火を通し過ぎないようにしましょう。モロヘイヤの育て方のポイント
- 夏は土の表面が乾いたらたっぷりと水やりして、葉が硬くなるのを防ぐ
- 肥料がたらなくても葉が硬くなるため、水やりを兼ねて週1回程度、液肥を施す
- 草丈が数10cmほどになったら、葉が「伸びたら摘む」ことで株の広がりを抑える
- やせ地でも十分育つが、多収穫を目指すなら有機質たっぷりの土で育てるのが◎
モロヘイヤの栽培時期
モロヘイヤは寒さに弱く、25~30℃の気温が生育に適しています。種を直まきする場合は、気温が十分に上がる5月に行います。自分で育苗栽培をする場合は、4月に種まきし、5月から6月に植え付けると良いでしょう。家庭菜園には手軽な直まきがおすすめです。
栽培カレンダー
栽培適温
25~30℃【畑編】モロヘイヤの育て方|摘芯のコツも紹介!
Step1. 土作り
一般的な堆肥の多いふかふかの土は理想ですが、モロヘイヤはやせ地でも十分育つ野菜です。追肥も特に必要ありません。福田先生解説!「有機質たっぷりの土づくり」
必要な栽培スペースと植え付け方
・A:畝の幅/70cm・B:畝の高さ/10cm
・C:株間/30~50cm(点まきで1条)
※苗を植え付ける場合、株間は30~50cm(1条植え)
Step2. 種まき
・直まき:30~50cmの間隔で、1穴2~3粒ずつの点まきにします。軽く土を被せ、鎮圧します。・育苗ポット:土に指で穴を開けたら、2~3粒種を落とし、軽く覆土して鎮圧します。
フクダ流裏技!「混植でスペース活用」
モロヘイヤは、ホウレンソウとの混植がおすすめです。上の写真は、ホウレンソウを種まきした条間に、モロヘイヤの種をまいている様子です。モロヘイヤが大きくなる前にホウレンソウが収穫できるので、菜園のスペースを効率良く使えます。