目次
- AGRI PICK 編集部
AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。…続きを読む
野菜や花の肥料や堆肥といった農業での活用法はもちろん、虫除けや猫除け、消臭剤、染め物など、生活を便利に、楽しくする活用法もご紹介。コーヒーかすの上手な活用方法をマスターして、エコで豊かなコーヒーライフを楽しみましょう!
コーヒーかすは再利用できる!
抽出後のコーヒーの粉を「コーヒーかす」と言いますが、コーヒーかすをタダのゴミだと思って捨てている人も多いのではないでしょうか。実はコーヒーかすはいろんなことに再利用できる優れものなんです!コーヒーは「多孔質」と言って表面に小さな穴がいくつも空いています、そのお陰で家庭菜園の堆肥として利用したり、消臭剤として利用することができるのです。活用法1. コーヒーかすを肥料や堆肥として活用する
コーヒーかすをそのまま土にまくのはNG!
家庭菜園や農業に興味のある人なら、コーヒーかすを肥料や堆肥に使ってみたいと考える人も多いのではないでしょうか。でも、コーヒーかすをそのまま畑やプランターの土に混ぜるのはNGです。コーヒーかすに含まれる、カフェイン、タンニン、クロロゲン酸などの成分が、植物の発芽や生育を阻害する可能性があるからです。また、コーヒーかすには肥料としての効果もあまり期待できません。コーヒーかすは、その多くが炭素成分。肥料の必須元素である窒素、リン酸、カリウムはそれぞれ、2%、0.2%、0.3%程度しか含まれません。コーヒーかすに含まれる窒素は、土の中の微生物が分解しにくい形状のため、コーヒーかすをそのまま畑に施用すると窒素がガスとなって空気中に放出されて、逆に土壌中の窒素成分を減少させてしまう可能性もあります。コーヒーかすは堆肥にしてから土に混ぜる
コーヒーかすを畑やプランターで使う場合、落ち葉や腐葉土などと一緒に発酵させる、堆肥として活用するのがおすすめです。堆肥には、土の中の微生物を増やしたり、保水性や保肥力を高めたりする土壌改良剤としての作用があります。この堆肥にコーヒーかすを加えることで、他の資材から発生する水分や悪臭物質がコーヒーかすに吸着されて、堆肥全体の性状が良くなることが期待できます。コーヒーかすに含まれるカフェイン、タンニンといった植物の生育を阻害する成分も堆肥化することで分解されるため、生育が阻害される心配もありません。堆肥にはさまざまなつくり方がありますが、少ない材料で、ベランダなどでも作れる段ボール堆肥の作り方をご紹介します。
コーヒーかすを使った堆肥づくりの方法はこちらの記事で解説!
活用法2. コーヒーかすを除草に使用する
堆肥にすることで植物の生育促進に活用できるコーヒーかすですが、畑や庭にそのまままくことで、コーヒーかすに含まれるカフェインやクロロゲン酸といった、植物の発芽や生育を阻害する物質が作用し、雑草の生育を防ぐ除草効果を期待することもできます。ただし、除草効果を得るには、ある程度まとまった量のコーヒーかすが必要です。UCC上島珈琲株式会社の研究結果によると、除草効果を得るのに必要なコーヒーかすの量は1㎡に対して約10kg。もっと少ない量で効果が得られたというネット上の情報もあるので一概にはいえませんが、少量をまいても効果はあまり期待できないようです。コーヒーを飲む度に乾燥させて保存したり、カフェや飲食店で譲ってもらったりして、コーヒーかすを手に入れるのがおすすめです。一度乾燥させてから庭や畑にまくと、カビや虫の発生が抑えられ、均一にまきやすくなります。
活用法3. コーヒーかすを虫除けや猫避けに使用する
コーヒーかすは防虫対策にも活用できます。特に、ナメクジやカタツムリはコーヒーかすに含まれるカフェインが苦手。日の当たらない裏庭や鉢の下などにコーヒーかすをまいておくと、これらの虫の増殖を防ぐことができます。そのほか、よく乾燥したコーヒーかすを耐熱容器に入れて燃やすと、蚊取り線香のような虫除け効果が期待できます。コーヒーかすだけでも効果がありますが、柑橘系のアロマオイルを混ぜるとより効果が高まります。また、猫はコーヒーかすの臭いを嫌うため、猫がくる場所にコーヒーかすをまいておくと猫避けになり、のら猫対策として有効です。
虫除けや猫よけにはハーブも効果的!
活用法4. コーヒーかすを消臭剤や脱臭剤に使用する
コーヒーかすは、炭と同じように、粒子にたくさんの小さな穴が開いている「多孔質」と呼ばれる構造をしています。そのため、アンモニアなどイヤなニオイの原因となる物質を吸着する性質を持ち、消臭効果が期待できます。少ない材料で、手軽に作れる方法を紹介します。Step1. コーヒーのかすを乾燥させる
ドリップした後のコーヒーかすを天日干し、もしくは電子レンジで乾燥させます。湿っているとカビの原因になるので、触って手につかないくらいサラサラになるまで、十分に乾燥させてください。フライパンに入れて弱火で火にかけ、水分を蒸発させてもOKです。Step2. 乾いたコーヒーかすを袋に詰める
コーヒーかすが乾いたら布製の袋に詰めます。袋は不織布やガーゼのような通気性の良い素材を選ぶとよいでしょう。細かい粒子がこぼれないようにしっかりと口をすれば、コーヒーかすの脱臭剤の完成です。冷蔵庫内や食器棚、靴箱、クローゼット、トイレのサニタリーボックスの中など、臭いがこもりやすい場所に置いて使用しましょう。活用法5. コーヒーかすを洗剤として使う
多孔質のと構造を持つコーヒーかすには、油を吸着する効果があります。揚げ物や炒め物などで油汚れがついたフライパンの中にコーヒーかすを入れて、よくなじませたあとキッチンペーパーなどで拭き取ると、油汚れを楽にとることができます。また、コーヒーかすの粒子は細かいので、研磨剤のような効果も発揮します。グラスなどにコーヒーかすを入れて、スポンジでこするようにして洗うと、洗剤を使わなくても汚れやくすみがとれてピカピカに。細長いグラスなら、コーヒーかすを水と一緒に入れて、振り洗いするのもおすすめです。
活用法6. コーヒーかすを染料として活用する
コーヒーかすを使えば、手軽な染め物を楽しむこともできます。木綿や羊毛、シルクなどの天然素材の白い布をコーヒーかすで染めると、薄いブラウンのアンティークな風合いに仕上がります。手法は、植物の花や葉、茎、根などを使って衣類や繊維を染める、草木染めと同じです。Step1. 染色液をつくる
鍋に水とコーヒーかすを入れて30分ほど火にかけて煮出し、ガーゼやキッチンペーパーなどを使ってこします。分量の目安は、水1Lに対してコーヒーかす大さじ3杯程度です。Step2. 染色する
染色液が温かいうちに染めたい布や繊維を入れて、しっかりと浸します。布が大きい場合は、生地を一度広げて、カーテンを閉じるときのような屏風状に畳んで鍋に入れ、ときどきゆらゆらと揺らすようにすると、染めムラを防ぐことができます。Step3. 色止めする
染まり具合を確認しながら5分ほど浸し、好みの色になったら、塩を水1Lに対し大さじ1杯加えます。菜箸などを使って混ぜ、塩がきれいに溶けたら、さらにそのまま5分以上置きます。Step4. 洗って乾かす
水でしっかりとすすぎ、すすぎ水に色が着かなくなったら、乾かします。同じ染色液でも、羊毛や絹などの動物由来の素材は濃く、木綿や麻などの植物由来の素材は薄い色に染まります。染める素材と染色液の濃さ、浸した時間などで染まり方が変わりますので、いろいろ試して好みの色合いを見付けてください。活用法7. コーヒーかすを入浴剤として活用する
コーヒーの香りのリラックス効果が期待できるコーヒー風呂。コーヒーかすを使えば、手軽にエコに、コーヒー風呂を楽しむことができます。Step1. コーヒーのかすを乾燥させる
ドリップした後のコーヒーかすを干して乾燥させます。電子レンジやフライパンを使うと、熱でコーヒーの香りが飛んでしまうので、天日で乾燥するようにしましょう。Step2. 乾いたコーヒーかすを袋に詰める
コーヒーかすがサラサラになるまで乾いたら、袋に詰めます。お湯に入れたときにコーヒーかすが漏れないよう、ストッキングやタイツ、お茶パックのような目が細かい素材のものを選び、コーヒーかすを入れた後はしっかり口を縛りましょう。一回の入浴で使うコーヒーかすは大さじ3杯程度。量が足りない場合は、手浴や足浴などに使用するのもおすすめです。入浴後お湯をそのままにしておくと、浴槽にコーヒーの色が着いてしまうことがあります。コーヒー風呂を楽しんだ後はすぐにお湯を流し、掃除するようにしましょう。