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農業用遮光ネットは白?黒?シルバー?色ごとの特徴や効果、張り方を教えます!


農業用遮光ネットは、ハウスやトンネル内の温度上昇を抑える効果があります。黒以外にも、農業では白やシルバー、ブルーのネットも使われています。この記事では、色別の遮光率や効果、遮光ネットの張り方などを紹介。作物別の遮光率、寒冷紗との違いについてもお届けします!

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遮光ネット

出典:PIXTA
太陽光を遮り、ハウスやトンネル内の温度上昇を抑制する「遮光ネット」。近年の夏は酷暑になることが多く、作物の高温障害を防ぐためにもぜひ取り入れたい資材です。
この記事では、遮光ネットの特徴や効果、種類などについて解説。遮光ネットの張り方も紹介します!

遮光ネットの効果

遮光ネット
遮光ネットには、文字通り「光を遮る」働きがあります。 遮光ネットを用いることで、強い直射日光を遮断したり、太陽光によってこもりがちになる熱を防ぐ効果が期待できます。素材は高密度ポリエチレンが多く使われ、軽く丈夫なのが特徴です。農業では、作物に適した明るさや温度に調整するために、ビニールハウスやトンネル、苗床などに設置されます。

植物の成長には太陽光が欠かせませんが、植物の中には強い光を好むもの(好光性)と、半日陰のような弱い日差しを好む(嫌光性)のものがあります。半日陰や日陰を好む植物を育てる際、周りに光を遮るものが何もなく、長時間直射日光に晒される環境に置いておくと、植物自体が弱ってしまいます。そんなときに遮光ネットを利用すると、嫌光性植物の育ちやすい環境が作れるのです。

遮光ネットには遮光以外にどんな効果があるの?

遮光ネットを張ったシイタケ畑
出典:写真AC
遮光ネットの効果は、強過ぎる日差しをやわらげるだけではありません。ここでは、作物の栽培に遮光ネットを利用することで得られる効果を紹介します。

1. 遮熱効果で植物の日焼けを防ぐ

植物の芽
出典:pixabay
遮光ネットの中には、強い直射日光を遮る働きのあるものだけでなく、遮熱効果をもつものもあります。このような遮熱効果のあるネットを用いることで、真夏でも地温を適切な温度に保つことができます。

適切な地温に保つことは、灌水(かんすい)作業の省力につながるだけでなく、作物の葉面温度の上昇を抑え、直射日光によって植物の葉が日焼けしてしまう「葉焼け」も防ぐことができます。

2. 嫌光性植物の環境づくりに最適

シイタケの原木
出典:pixabay
遮光ネットは、農業用ハウスの外側や内側に張って、夏場のハウス内の光量や温度を調整する目的で使用することもあります。例えば、洋ランのように木漏れ日のような比較的緩やかな光によって美しい花を咲かせる植物や、しいたけなど、ほとんど光が当たらない場所で育つキノコ類の栽培などに用いられます。このように、遮光率が高めのネットを利用すると、嫌光性植物の栽培環境づくりに役立ちます

3. 播種時の発芽適温を保つ

種まき
出典:写真AC
ほかにも遮光ネットは、播種(種まき)のときに使用すると効果があります。植物の種には「発芽適温」というものがあります。一般的には15~25℃ぐらいのものが多いようです。真夏時など、それ以上に気温が上がってしまう時期には遮光ネットを利用してみましょう。
種まきしたポットや畝(うね)に遮光ネットを張っておくと、発芽適温に保つことができ、発芽が安定します。

遮光率とは?作物に適した数値もチェック!

日光
出典:写真AC
遮光率とは、光を遮る割合のことです。パーセンテージで表しますが、数値が高いほど光を遮断し、暗くする効果があります。遮光ネットの遮光率は、色や目の詰まり具合によって変わります。購入する際は、各作物に適した数値のネットを選びましょう。

作物別・遮光率の目安

一般的な野菜や果物類の遮光率は、33~40%程度が適しています。日陰に生えるキノコ類には、70~80%以上の高遮光率のネットを使用すると効果的です。このほか、草花は40%程度、観葉植物は50%前後の遮光率が目安になります。

品目別・遮光率一例

品目遮光率
 穀物類 イネ、オオムギ、ソバ 33%
 コムギ 40%
 野菜類 ジャガイモ、サツマイモ、カブ、キャベツ、セロリ、チンゲンサイ、ハクサイ、キュウリ、カボチャ、トマト、ナス、ピーマン 33%
 コマツナ、シソ、シュンギク、ニラ、ホウレンソウ、レタス、インゲン、エダマメ、エンドウ 40%
 果実的野菜類 メロン、スイカ 33%
 イチゴ 40%
 果樹類 ナシ(幸水)、ブドウ(巨峰、デラウェア)モモ(白鳳) 33%

遮光率を選ぶときの注意点

野菜や花などで高遮光率のネットを使用すると、作物が徒長してしまう(ひょろひょろに伸びる)など、 健全に育たない場合があるので注意しましょう。

カラーによる効果の違い|おすすめの使い分け方法

白と青色の遮光ネット 市販されている遮光ネットは、主に黒と白、シルバーの3色。色によって、特徴や用途が異なります。

黒・白・シルバーの遮光性、遮熱性、汚れにくさの比較表

黒、白、シルバーの3色を表にしてそれぞれの機能性を比較しました。シルバーの遮光ネットは、機能面でも黒と白のちょうど間をとったものだということがわかります。
遮光性遮熱性汚れの目立ちにくさ
シルバー

遮熱性が高い白は、野菜の栽培などにも最適!

白い遮光ネットをかけたハウス
白色は、可視光線と赤外線を反射するので、温度上昇を防ぐ効果が高いとされています。遮光性は低いですが、ハウス内を明るく保つことができるため、作業性が向上します。
作物の徒長を防止しつつ、温度上昇も軽減することができるので、野菜の栽培時にもおすすめ。トマトやホウレンソウなど、太陽光によって色づきや味が影響する野菜から花卉(かき)まで幅広く使えます。

ダイオクールホワイト 620SW

白色による高い光線透過率により、熱線をしっかりカットしながら、ハウスの中は明るく爽やかに保ちます。チタンホワイト&温度上昇防止剤入りなので、優れた遮熱効果を発揮します。

サイズ幅2×長さ50m
遮光率45~50%
材質ポリエチレン
織り方からみ織

とにかく日光を遮断したいなら!遮光性の高い「黒」

黒色の遮光ネット
一般的に遮光ネットというと、一番イメージしやすいのがこの黒色ではないでしょうか。ハウス内の作業場の遮光やシイタケ、洋ラン栽培などにはこの黒色ネットが最適です。黒は耐光性があり、汚れも目立ちにくくいのも特徴。
黒色は、日傘にもよく使われているように、太陽光のような可視光線を吸収し、紫外線透過率が低い色です。その反面、可視光線と同様に赤外線も吸収するので、温度が上がりやすいという欠点もあります。
また、遮光性の高い黒色ネットは一般的な野菜栽培の場合、徒長や光合成能力の低下の恐れもあるので注意しましょう。

ダイオネット 610 黒

耐候性・耐久性ともに抜群で、形状安定も良いため、常に安定した遮光率を保つことができます。軽量かつ収束性にも優れ、取り扱いも簡単。同シリーズには遮光率の異なる商品がそろっており、野菜や花卉、育苗など多くの作物に使えます。

サイズ幅2×50m
遮光率45~50%
材質ポリエチレン
織り方からみ織

シルバーは遮光性も遮熱性も両方兼ね備える!

銀色の遮光ネット
黒と白の中間的な存在のシルバーの遮光ネット。シルバーも白と同様に太陽光を反射する色なので、遮熱性が高く、黒色のように温度が上がりやすくなるということもありません。また、白色は汚れによる遮光率の変化などの可能性もありますが、中間的なシルバーは汚れが目立ちにくいという特長も。
シルバーの遮光ネットの中には、アルミ蒸着テープを活用して作られているものもあり、ハウス内の温度上昇を抑える働きが期待できます。

ダイオミラー40HB-6

遮熱効果と耐久性に優れたシルバーの遮光ネットです。アルミ蒸着テープを採用することで、ハウス内の温度上昇を防止し、作物が傷むのを防ぎます。遮熱効果抜群なので、夏場の厳しいハウス内作業も快適に!

サイズ幅2×長さ50m
遮光率40~45%
材質ポリエチレン
織り方ラッセル織

ブルーはホウレンソウの生育促進に

遮光ネットには、少し効果の質が異なるブルータイプもあります。ブルーの遮光ネットは太陽の光質を変化させ、ホウレンソウの徒長を防ぎ、ビタミン類の含有量も増やす効果があるという実験結果(※)が出ています。
レタスやホウレンソウなどの葉物野菜は、赤色の光によって養分を蓄え、青色の光によって組織を形成することが明らかになってきています。ブルーネットをかけたり外したりすることで、自然光が赤色と青色との交互に切り替り、葉物野菜などを効率よく育てることができます。
※出典:株式会社イノベックス「遮光資材 ダイオネオシェード蒼快(そうかい)」

ダイオネオシェード 蒼快 620SKY

400~500ナノメーターの青色光域の透過量を多くする効果と、600~700ナノメーターの赤色光域の透過量を少なくする遮光ネット。ホウレンソウの葉の生育を正常に保ち、肉厚で重みがあるものを収穫することができます。

サイズ幅2×長さ50m
遮光率40~45%
材質UV剤入りポリエチレン
織り方からみ織

遮光ネットの織り方・編み方による違い

遮光ネットには色だけでなく、織り方による違いもあります。販売されているものは、主に「平織」「ラッセル織」「からみ織」の3種類で、それぞれ異なる特徴を持ちます。

平織

経(たて)糸と緯(よこ)糸を交互に織る工法。網目が均一なため丈夫で耐久性があり、遮光性にも優れます。遮光率は30~95%程度と幅広く、さまざまな用途に使うことができます。

イノベックス ダイオシート8号

テープ状の緯糸が縮まず、フラットに挿入されているため遮光率はやや高め。シイタケ栽培やハウス内の遮熱対策などにおすすめです。

サイズ幅0.2×長さ50m
遮光率遮光率60~65%
材質ポリエチレン
織り方平織

ラッセル織

縦方向に連続したループをつくる工法で、目ずれがしにくく、カットしても切り口がほつれにくいのが特徴。遮光率は40~75%程度で、農作物の遮光やハウスの日よけなどによく使われます。

ダイオラッセル 遮光ネット 1500

切り口がほつれないラッセル織なので、場所や用途に合ったサイズに調整可能。畝からハウスの日よけまで、たっぷり使えるサイズです。

サイズ幅2×長さ50m
遮光率遮光率50~55%
材質ポリエチレン
織り方ラッセル織

からみ織

平らに配された緯糸に、経糸をからめるように織る工法。平織とラッセル織の特徴を兼ね備えており、目がずれにくく、丈夫なのが特徴です。遮光率は30~85%ほどと幅があり、多くの品目に使えます。

ダイオネット 遮光ネット 1010SG

耐候性・耐久性抜群で、常に安定した遮光率を保つことができます。軽量で収束性も良いため扱いやすいのもメリット。

サイズ幅2×50m
遮光率60~65%
材質ポリエチレン
織り方からみ織

遮光ネットと寒冷紗の違いは?

黒い遮光ネット
出典:写真AC
遮光ネットと同様、強い日差しから作物を守るのに使われるのが「寒冷紗(かんれいしゃ)」です。寒冷紗は農業の被覆資材としてよく利用されていますが、遮光ネットとはどのような違いがあるのでしょうか?

寒冷紗(かんれいしゃ)とは?

寒冷紗を張った畑
出典:PIXTA
寒冷紗は、ビニロンやポリエステルなどを平織にしたメッシュ状のシートです。主に白と黒の2色があり、白は約20~30%、黒は約50%と色によって遮光率が異なります。

寒冷紗については、こちらの記事で詳しく紹介しています!


遮光ネットと寒冷紗の違い 1|遮光率

遮光ネットはその名の通り、光を遮る用途に特化しています。寒冷紗も光をやわらげる効果はありますが、遮光率は遮光ネットよりも低くなります。

遮光ネットと寒冷紗の遮光率比較表

 種類遮光率
 遮光ネット 約30~80%
 寒冷紗 約20~50%

遮光ネットと寒冷紗の違い 2|使用用途

寒冷紗は遮光のほかにも、防虫・防寒・保湿・防風など、幅広い用途に使えます。遮光率は低めですが、季節を問わず使えるのがメリット。
遮光ネットは、種類によっては防霜や保温に使えるものもありますが、一般的に遮光・遮熱用途がメインです。夏の強い日差しや高温対策に使うのであれば、遮光ネットのほうがおすすめです。

遮光ネットの張り方

黒い遮光ネット
出典:PIXTA
遮光ネットの張り方は、農業用ハウスでは、外側を被覆する「外張り」や、同じくハウスの内側に被覆する「内張り」が一般的です。
畑では、防虫トンネルの上から遮光ネットをかぶせるといった使い方もできます。もちろん、トンネル支柱を設置して遮光ネットを直接張っても、苗床にべたがけしてもOK。設置場所や気候、作物の生育状態に合った張り方をいろいろ工夫してみましょう。

遮光ネットの固定におすすめのアイテム

遮光ネットを張る際にあると便利なのが、「パッカー」と「ハトメ」です。パッカーとは、ネットなどの被覆資材をハウスパイプや支柱に固定する部材。パイプ・支柱の径によって適合するものが異なるので、購入の際は必ずサイズを確認しましょう。
遮光ネットなどの被覆資材は、ハトメが付いているとロープやひもで固定しやすくなります。別注でハトメ加工をしてくれる遮光ネットメーカーもあるので、利用してみてはいかがでしょうか。
長さのあるトンネルに遮光ネットを張る場合、さらに上からマイカ線でジグザグにおさえると強風対策になりますよ。

ハトメ付遮光ネット

高密度ポリプロピレン製の丈夫な遮光ネット。フチには補強用テープが縫い付けられ、1m間隔でハトメ加工もされています。

サイズ2×6m
遮光率70%
材質高密度ポリプロピレン
織り方

トンネルの張り方は、こちらの記事で詳しく紹介しています!


遮光ネットを使い倒す!フル活用術

黒い遮光ネット
出典:写真AC
遮光ネットは工夫次第で、日差しを遮る以外の用途にも活用できます。

防霜に使う

霜
出典:pixabay
遮光ネットの製品によっては、秋冬の霜害防止目的で使用できるものもあります。例えば、ジャガイモ栽培などで遅霜の恐れがあるとき、作物の上に遮光ネットを被せると緊急対策に。春先のジャガイモのほか、レタスや果菜類などが霜に当たって傷つくのも防ぐことができます。

育苗管理や接ぎ木の順化に

苗木の植え付け

育苗管理に

遮光ネットは育苗時にも活躍します。遮光ネットによって直射日光を適度に抑え、温度上昇を防ぐことができるので、苗の管理がしやすくなるのです。

接ぎ木や挿し木の管理に

接ぎ木・挿し木苗を農業ポリトンネルの中に入れ、完全密閉したら上に遮光ネットを2~3枚程度重ねます。そのあとは、日数の経過とともに、遮光ネットの枚数を1枚ずつ減らしていきます。これは、接ぎ木苗を段階的に外気や日光に慣らしていく「順化」という作業ですが、遮光ネットはこの作業に欠かせません。

ハウス内の作業場で

ハウスの中 真夏の遮光・遮熱性を利用して、休憩所やハウス内の作業場の日よけに使うと、日射病や熱中症の対策にもなります。また作業場を遮光ネットで覆うことで、収穫物の傷みを軽減することもできます。

遮光ネットは作業目的にあったカラーを選ぼう!

遮光ネットをかけたハウス
出典:写真AC
遮光ネットは白や黒、シルバーなど、色によって効果が違います。遮光だけなのか、または遮熱効果も必要なのか、まずは目的を明確にしてから色を選ぶようにしましょう。また、育てる作物がどのような光のもとで育ちやすいのか、性質などを調べてみると、遮光ネットをより的確に使えますよ!

<構成>こぐま農場
→こぐま農場やさいひろば:https://koguma.theshop.jp/

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