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- Akiko Isono
編集者兼ライター。家庭菜園・ガーデニング専門誌の編集に8年間携わり、現在は雑誌やムック、WEBを中心に、植物、農業、環境、食などをテーマとした記事を執筆。好きな野菜はケールとにんじん。…続きを読む
ジャムを手作りにしたくても、生のルバーブはなかなか手に入らないですよね。そこで、プランターで簡単に育てる方法をご紹介します。もちろん、おいしいジャムの作り方レシピもありますよ!
1. お菓子の主役になる野菜「ルバーブ」とは?
ルバーブは、タデ科ダイオウ属の多年生植物です。野菜として流通しますが、そのほとんどがジャムに加工されるという、ちょっと変わりモノ。根元から伸びるフキのような太い茎を刻んで、砂糖と煮詰めると、甘ずっぱくさわやかな香りのジャムになります。生のルバーブには刺激的な酸味がありますが、ジャムにすると酸味と甘みのバランスが絶品!甘すぎるジャムが苦手という人にも、ぜひおすすめです。ヨーロッパではポピュラーな野菜で、旬の時期になると市場などで山積みに売られます。ルバーブのジャムを使ったタルト、クランブルケーキなど、伝統的なお菓子のレシピもいろいろあります。
日本では、長野県などで少し栽培されていますが、ほとんどが加工品に利用され、生の状態で出回ることはめったにありません。
2. 薬用植物としての側面も
ルバーブの和名は「ショクヨウダイオウ(食用大黄)」。ダイオウの根は便秘などに効く薬草として、昔から漢方薬の処方に使われてきました。茎を食用にするルバーブにも多少この作用があると言われ、また、茎を丸ごと食べるので食物繊維がたっぷりと取れることから、お腹をすっきりさせる効果が期待できます。そのほかの栄養素としては、カリウムやカルシウムが多く、茎の赤い品種には、ブルーベリーやぶどうなどと同じアントシアニン系の色素が含まれています。
ちなみに、葉の部分にはシュウ酸などの有害物質が含まれているので、食べられません。茎の部分だけを使うようにしましょう。
3. ルバーブを育てるには?
ルバーブはプランターでも畑でも育てられます。多年草なので、一度植えれば数年にわたって収穫できておトク!ただし、栽培1年目は株を大きく育て、本格的な収穫は2年目から始めましょう。シベリア原産のルバーブは涼しい気候でよく育ちますが、種の発芽には22度前後の温度が必要なので、ポットに種をまいて、暖かい場所で苗を育ててから、プランターや畑に植え替えると成長がスムーズです。
ルバーブの栽培カレンダー
種まき(苗作り):3~4月
植えつけ:4~5月
収穫:(2年目から)5~6月、9~10月
4. 苗作り
まずはポットに種をまいて、苗づくりに挑戦!たっぷりと陽に当てて、丈夫な苗を育てましょう。
Step1. 用意するもの
・ルバーブの種・ポリポット(3号)
・鉢底ネット
・野菜用培養土
・スコップや土入れ
・ジョウロ
vilmorin社 ルバーブ Victoria V-rhubarbe6 668(種)
長く太い軸が収穫できる昔ながらの品種です。軸を加熱してコンポート、ジャムなどにします。栽培は、やや湿り気ぎみの半日陰のような場所を好みます。
※軸のみを食用にします。葉には毒性が含まれますので食用にできません。
ルバーブ Victoria V-rhubarbe6 668(種)
・内容:2g
・発芽率:91%
・参考価格:600円前後
・発芽率:91%
・参考価格:600円前後
FRANCHI社 ルバーブ109/1(種)
寒さにはとても強いですが、暑さには弱いため夏を涼しくのり切ることがポイントです。これは赤みの強い品種ですが一般に強い日差しに当たると茎が赤くならず緑になってしまうので注意してください。
Step2. ポットの準備
ポリポットの底穴の上に鉢底ネットを置き、培養土を7分目くらいまで入れます。Step3. 種まき
等間隔に3粒種をまいて、たっぷり水やりします。その後は日当たりのよい場所に置いて、土が乾いたら水やりしましょう。Step4. 間引き
種が発芽して本葉が1、2枚になったら、しっかりと丈夫そうな株を1本残して、ほかは抜き取ります。Step5. 本葉3~4枚まで育てる
本葉が3~4枚に成長したら、プランターに植え替えます。5. プランターでルバーブを育てよう
お手軽なプランターでの栽培方法を紹介します。葉が大きく広がり、70~80cmの高さに育つので、プランターも大きめのしっかりしたものを選ぶのがポイント。畑に植える場合も育て方は同じですが、植えつけ前に、しっかり土作りをしておきましょう。
植えつけ方法
Step.1 用意するもの
ルバーブの苗と、基本の道具(リンク参照)を準備します。プランターは直径30cm程度の深型を用意します。2株以上植えるなら、間隔を40cmほどあけられるサイズを選びましょう。長く育てるので、木製プランターやテラコッタなど、お気に入りの素材を選ぶのもおすすめですよ。
「基本の道具」記事
フレグラーポット 30型
Nシャンティ 深型プランター60型
大きな縁で手をかけやすく、持ち運びに便利です。ウイスキー樽プランター H-60 80L
Step2. プランターの準備
プランターの底に鉢底ネット、鉢底石を敷きます。縁から2~3cm下まで野菜用培養土を入れ、表面をならします。Step3. 苗の植えつけ
プランターの土に苗のポットと同じ大きさの穴を掘り、ポットをはずして苗を植えます。周りの土とのすき間ができないように、土を寄せて軽く押さえます。Step4. 水やり
植え終わったら、プランターの底から流れ出るくらいたっぷりと水やりします。その後も土が乾いたら水やりし、日当たりのよい場所で育てます。植えつけ後の作業
肥料
植えつけの2~3週間後から、定期的に野菜用の肥料を与えます。肥料の量や与えるペースなどは製品によって違うので、パッケージをよく確認してください。病害虫対策
茎が地面近くから伸びるので、水やりで土がはね返ると病気の原因になることがあります。心配な場合は、土の表面にバークチップなどを敷いておきましょう。夏場に乾燥した日が続くと、茎や葉に白い粉のような斑点が現れる、うどんこ病が出ることがあります。風通しのよい場所にプランターを置いて、症状の出た葉は早めに切り取ります。また、春から夏にかけては、アブラムシ対策もしておくと安心です。「うどんこ病」についてはこちらの記事で詳しく解説しています!
「アブラムシ対策」を詳しくチェック!
摘花
ルバーブは4~5月になると蕾がつき、モコモコした白い花を咲かせます。花が咲くと養分がそちらに取られて、収穫する茎の部分がやせてしまいます。早めに摘み取って茎の成長に養分をまわすようにしましょう。冬越し
冬の間は茎や葉が枯れますが、根は土の中で生きています。土がカラカラにならないように、ときどき水やりをしながら春を待ちます。収穫
2年目になると、太くしっかりした茎が伸びてきます。初夏と秋が収穫のタイミングで、初夏に収穫したもののほうが酸味が強いようです。茎を根元近くからハサミで切り取って収穫しましょう。葉っぱは使わないように気をつけてください。6. 甘ずっぱくておいしい!ルバーブのジャムを作ろう
新鮮なルバーブを収穫したら、さっそくジャム作りにチャレンジ!茎は繊維質でかたそうですが、煮込み時間は10~15分で十分。あっという間にトロトロのジャムが完成しますよ♪
Step1. 用意するもの
・ルバーブの茎:500g・グラニュー糖:250g(ルバーブの重さの50%程度が目安。お好みで)
・レモン汁:小さじ2
・まな板、包丁
・ホーローまたはステンレスの鍋
・木ベラ
・密閉できる瓶
Step2. ルバーブを刻む
ルバーブの茎はよく洗って水気をふき取り、1~2cmの長さに刻みます。Step3. 鍋で煮詰める
刻んだルバーブとグラニュー糖、レモン汁を鍋に入れ、弱めの中火にかけます。フツフツしてきたら弱火にし、木ベラでゆっくりと混ぜながら煮ます。Step4. 完成
かき混ぜながら10~15分煮込み、ルバーブの繊維が崩れて形がなくなったら火を止めます。熱いうちに、よく消毒した瓶に詰めてでき上がり!7. ルバーブジャムの食べ方 アレンジは自由自在!
トーストに乗せたり、タルトやパイのフィリングにしたりと、ルバーブの楽しみ方はいろいろ。酸味は強いもののくせのないルバーブは、ほかのフルーツと組み合わせたり、ラムやブランデーを加えてちょっとオトナ風味のジャムにしたりと、アレンジも自由自在です。自家製ルバーブがたくさん収穫できたら、あなただけのオリジナルを開発してみるのはいかがですか?
紹介されたアイテム
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