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- AGRI PICK 編集部
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そこでこの記事では、鍬の種類や選び方について詳しく解説。おすすめの鍬もたっぷり紹介します!
鍬(くわ)とは
鍬(くわ)の種類
鍬の種類・形とその用途
種類 | 特長 | 使用用途 |
平鍬 | ・長方形の1枚刃で、先端が鋭い ・扱いやすく軽量化されたものが多い ・幅広い用途がある万能な鍬 | ・畝作り ・除草 ・土ならし ・明渠掘り ・根切り |
唐鍬 | ・丸みを帯び、平鍬に比べ厚みがある ・土を砕くのに適している | ・山林の耕作 ・開墾 ・荒地起こし ・根切り |
備中鍬 | ・刃部分が爪のように3~4本に分かれる ・爪が大きくなるにつれ固い物を砕ける反面、扱いが難しくなる | ・田畑の耕作 ・土砕き ・堀り取り ・砂利の除去 |
平鍬
1枚刃の平鍬は、畝作りから除草まで日常の菜園作業に適しています。刃の部分が平らなこともあり、畝の表面をならすことにも役立ちます。刃の幅で溝施肥の穴をまっすぐ作る作業用途にも使われ、黒土から固い土壌、さらさらした土質まで使用場面が幅広いのが特徴です。唐鍬
平鍬に比べて重く、刃が厚いという特徴を活かして、開拓作業や荒起こしに使用すると便利です。木の根ごと切断する作業も可能なため、山林でも多く使用されます。家庭菜園の場合は、粘土質の土壌などで土が締まっているときや、寒起こしなどで使用すると良いでしょう。備中鍬
3~4本に分かれたフォークのような刃が特徴で、固い土を砕く作業などに適しています。石が多い土壌の場合にも、かき出すような動きで土を掘り起こし、土に混ざっている石を寄せ集めることができます。鍬の選び方
鍬を使う作業工程を確認
畑作りには、土起こし・土を砕く・畝立てという工程があります。鍬は、作業段階と土質によって使い分けましょう。土起こし
土を砕く
畝立て
サイズを確認
柄や刃の材質を確認
柄の材質
鍬の柄の材質は、木製とステンレス製が主流です。木製タイプは重量がありますが、固い土を耕すときにこの重さを利用することができます。ステンレス製は軽量なので、力のない年配者などでも扱いやすいというメリットがあります。それほど固い土を耕す必要のない場合は、ステンレス製の柄の鍬がおすすめです。刃の材質
鍬の刃は、一般的に鉄製のものとアルミ製のものがあります。鉄製の刃は、その重量を利用することで、固い土も楽々耕せるのがメリット。ただし、鉄は錆びやすいため、使用後は刃に付いた土などの汚れをきちんと落とすなど、こまめなお手入れが必要です。これに対して、アルミ製の刃は軽いうえに土離れが良く、錆びにくいことからお手入れが簡単なのがメリット。しかし刃が軽い分、固い土にはあまり適していません。鍬と鋤(すき)の違い
鋤は鍬と使い分けられることが多く、鍬より深く耕したり、固い土壌を耕うんしたりするときに活躍します。また、鋭い刃先を活かして、雑草の根を切断して取り除くという使い方も。
鋤の使い方は、スコップと同じように足をかけ、体の重みを利用して土に刃を深く突き刺します。使用用途が、スコップと似通っているので、スコップだけで事足りているのであれば、特に鋤を備えておく必要はないかもしれません。
鋤の詳しい使い方はこちら!
おすすめの鍬12選
雑草取りや土寄せに適した1本
刃が湾曲していることで、土を寄せやすく、畝の補修作業にも活躍します。また、切れ味の良い刃で雑草を楽々削り取ることも可能。柄には30cm間隔でマークが印されており、苗の植え付けの目安に活用できます。耕す・掘る・砕くなど幅広い作業に対応
1本1本職人が手作りした、家庭菜園用の備中鍬です。刃は4本に分かれており、土壌の耕うんから穴掘り、固い土の破砕など、さまざまな作業に使えます。重さのある刃とやや長めの柄で、打ち込み動作が楽にできるのも特徴です。約800gの超軽量!楽々使えるステンレス製
軽くて錆びにくいステンレス製の鍬です。鉄製の鍬に比べると非常に軽く、長時間作業をしても疲れにくいのがうれしいところ。柄と頭は固定式なので、打ち付けも不要です。根切りや土寄せに使いやすい定番唐鍬
頑丈な鋼の刃で、固い土を掘り起こしたり、雑草の根を切ったりするのに重宝する唐鎌です。刃こぼれしにくいので、小石混じりの土壌を耕すときも安心。ステンレス製の柄で軽く汚れにも強い
柄の部分がステンレス製なので軽く、力のない人でも楽に作業ができる平鍬です。汚れにくく、お手入れが簡単なのも魅力。切れ味の良い刃先で雑草除去にも活躍します。固い土でも楽に掘り起こせる高強度のスチール刃
強度を上げ、磨耗にも強くするため刃に焼き入れを施した鍬。さらに焼戻しをすることで、刃が折れにくい弾力性もプラスしています。柄には、丈夫で手によくなじむ樫の木を使用。刃幅が狭いので、タケノコ掘りにも最適です。小柄な人でも使いやすいミドルサイズ
全長約80cmのミドルサイズで、小柄な人や年配の方でも使いやすい備中鍬です。かがんだ状態で使え、狭い場所でも取り回しがしやすいのもメリット。楕円形のアルミパイプの柄で、握りやすくなっています。カーブした刃先で打ち込みや土寄せがしやすい
長さのある刃の先端が、ほど良くカーブしている鍬。楽に土に打ち込みやすく、土を寄せるときも効率よく作業できます。柄の部分には、手にしっくりとなじむ天然木を採用。長い4本刃で土起こしに最適な唐鍬
春先の土起こしや耕うんに大活躍する唐鍬です。4本に分かれた刃は長さがあり、湾曲しているので、土に食い込みやすく楽々掘り起こすことができます。さらに刃先は摩耗しにくいように、スペード型に加工してあるのも特徴。つるはしと平鍬の機能を備えた便利な片手鍬
固い土にはつるはしとして、土を耕すときには平鍬として使い分けができる片手鍬。オールステンレス製なので錆びに強く、使用後は軽く拭き取るだけで手入れができます。柄にはすべり止めの模様付き。用途に合わせて使い分けができる片手鍬
家庭菜園など、狭いスペースに使用するには最適の片手鍬。刃が2種類付いているので、これ1本でさまざまな用途に使えます。ブルーカラーもおしゃれで、握りやすい柄も高ポイント!片手でザクザク耕せる小型鍬
適度な重さがある鋼製の刃で、固い土も楽々耕すことができる片手鍬です。刃幅があるので、土起こしや土寄せなどの作業も効率良く行えます。鍬の正しい使い方
鍬を使うときに、体の方向に鍬を引き込む動作を「引き鍬」と言います。除草、溝堀、耕うん作業など家庭菜園で必要な動作のほとんどが引き鍬で可能です。しかし、一般的に鍬の使い方を学ぶ機会はないため、我流になっている人が多いかもしれません。そこでここでは、鍬の構え方から動作までポイントを紹介していきます。右利きの人を想定して説明していますので、左利きの人は左右逆にしてコツを実践してみてくださいね!
1. 鍬を使う前の準備
安定して使うためのワンポイント!
ハンマーで刃を叩き固定させようとしてもガタつきが解消しない場合は、鍬の刃の部分を数分間水に浸けてみましょう。木の膨張効果で隙間がなくなり安定的に使えるようになります。2. 鍬の持ち方と構え方
3. 土に鍬を入れる
NG!腰を痛める使い方
NG!腕を痛める使い方
備中鍬の使い方
鍬の保管方法
そこでここでは、鍬の正しいメンテナンスと保管方法を紹介します。
使用後は汚れを落として水分も拭き取る
泥と水分が付いたまま放置すると、さびの原因になってしまいます。使用後は、刃に付いた泥を水できれいに洗い落とすのが鉄則。また、泥にはカビや細菌が潜んでいる可能性もあります。万が一、細菌が混入している鍬を別な場所で使用したら、病原菌をうつすリスクもあるため注意しましょう。刃を布で包み冷暗所で保管
鍬の刃の研ぎ方
Step1. 砥石を5分間水に浸ける
砥石は水に浸けておくことで、研磨性が高まり刃も研ぎやすくなります。
Step2. 裏面のさびを取る
Step3. 柄を固定して鋼部分を研ぐ
Step4. 裏面に返りができたら仕上げ
刃先を触り裏面に返りができたら、しっかり研げています。再び裏面に戻り、返りを砥石で研いで終了です。鍬の修理方法
刃の交換方法
刃先がボルトで固定されている鍬は、ボルトとナットを外して刃と柄を取り外します。さびてもろくなっている場合があるので、注意しながら取り外しましょう。柄の交換方法
Step1. 柄と刃を取り外す
Step2. 柄をかんなで削る
削る場所を把握するには?
Step3. 刃を通して固定
ワンポイント!
かんなが無い場合は、ビス止めして固定しましょう。ガタつきをなくすため、ハンマーで叩く作業は同様に行ってください。
用途に合った鍬を選んで使いこなそう!
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