- GardenStory
花・緑・庭がある暮らし方を提案するウェブマガジン。専門家とガーデニングに精通した編集者が、さまざまな視点から記事を発信。ガーデンで過ごすライフスタイル、自然に寄り添う暮らし方、植物の育て方などの情報を毎月新たに約60コンテンツという多彩な内容でお届けしています。…続きを読む
ガーデニング・植物の魅力や、花・緑にまつわる暮らしの楽しみを紹介している「Garden Story」。植物を取り入れたライフスタイルの発信とDIYや料理レシピなどの豊富なコンテンツが魅力的なサイトです。
AGRI PICKではGarden Storyとの連携企画として、毎月季節を彩る花をご紹介しています。
Garden Story×AGRI PICK連携企画 バックナンバーはこちら。
今回は、新しい年を迎えるのにふさわしい、お正月にぴったりな植物をご紹介します。
松竹梅
定食やコース名など、いろいろな場所で目にする「松竹梅」という言葉。この起源は、中国・宗の時代の文人画の画題「歳寒三友」で、冬の寒さの中でも美しい松、竹、梅が好んで描かれました。これが日本に伝わり、縁起のよい植物として大切にされています。松竹梅の中でもお正月に欠かせないのが松です。松は「祀る」に通じ、神様を家に迎え入れる依り代として、また青々とした不老不死の象徴として、門松や松飾りなどに利用され、お正月は別名「松の節句」とも呼ばれるほど。
また、京都の旧家や社寺では、「地に足がつくように」、「成長し続けるように」という意味を込めて、根がついたままの「根引松」を飾る習慣があります。生長が早くまっすぐ育つ竹は、生命や未来の象徴。寒い冬にいち早く咲く梅は希望を象徴し、「高潔」「節操」「清純」といった花言葉や、紅白の花を咲かせることからも、縁起がよいとされています。
Garden Storyのこちらの記事もチェック!
美しい松でお正月を。華道家が生み出した唯一無二の「根引松」
センリョウ(千両)・マンリョウ(万両)・ナンテン(南天)
センリョウ、マンリョウは名前が似ているので混同されることもありますが、まったく別種の植物。どちらも緑の葉につややかな赤い実をつけ、「千両」「万両」という名前のめでたさから、金運の願掛けや、商売繁盛の縁起物などとして親しまれています。見分け方のポイントは、センリョウは枝の先端に実がひとかたまりに上向きに付くのに対し、マンリョウは下向きに実が付くこと。また、ナンテンは小枝に複数の赤い実をつける木で、名前が「難を転ずる」という言葉に通じるため、魔除けとしてお正月飾りに使われるほか、住宅の庭にもよく植えられています。どれもお正月に欠かせない縁起のよい植物です。
Garden Storyのこちらの記事もチェック!
お正月の準備は「正月事始め」12月13日から。お正月に飾りたい縁起のよい植物8種
フクジュソウ(福寿草)
早春に明るい黄色の花を咲かせるキンポウゲ科の多年草。お正月には鉢植えなどでよく販売されています。本来の開花期は2~4月ごろで、旧暦のお正月ごろに真っ先に花を咲かせるので「福告げ草」と呼ばれていました。その後、おめでたい「寿」という漢字と差し替えられ、長い開花期が「長寿」を連想させることもあって、「福寿草」の名が定着したといわれています。フクジュソウの別名は、お正月を意味する「元日草(がんじつそう)」や「朔日草(ついたちそう)」など。まさにお正月にぴったりの花ですね。
Garden Storyのこちらの記事もチェック!
お正月のお花は縁起のよいものを選ぶ! 正月飾りの意味を考えよう
ハボタン(葉牡丹)
整ったカラーリーフが美しいハボタンはお正月の定番植物の一つで、江戸時代から正月飾りとして親しまれてきました。実は、もともとは縁起がよいとされていたのはボタン(牡丹)の花。しかしながらボタンは高価で手に入りにくかったため、よく似た姿でより手軽に手に入るハボタンが代用品として使われるようになりました。葉が紅白に染まる様子がめでたく、また、葉が幾重にも重なり合うことで、「吉事が重なる」という意味もあります。
Garden Storyのこちらの記事もチェック!
「ハボタン(フラワーケール)の育て方」〜タキイ種苗園芸部 山田さんの園芸あるある教室vol.2
新年の寄せ植え
お正月には切り花の正月花や門松、松飾りを飾るほか、より長もちする寄せ植えを作って新しい年を迎えてみるのもおすすめです。ハボタンやナンテン、ヤブコウジなどを取り入れると、ぐっとお正月らしさがアップ。ガーデンシクラメンやノースポールなどの洋風の花を、紅白の色合いにまとめてもいいですね。小さな門松や水引、しめ縄飾りなどで寄せ植えを飾ったり、お正月らしい小物を寄せ植えに忍ばせたりするのも、この季節ならではの楽しみです。
Garden Storyのこちらの記事もチェック!
お正月の寄せ植えで新年を祝う! おすすめ花材と作り方
新年の迎え花
これまでに紹介してきた花のほか、端正な花姿と芳しい香りから仙人に由来する名を持つスイセン(水仙)、中国で格調高く縁起のよい植物とされる四君子の一つに数えられるキクやラン、日本で古くから神宿る木とされてきたツバキなども、お正月の花としてよく飾られます。どの花を選ぶかは人によりさまざまですが、たとえ豪華なお迎え花や門松が用意できなくても、一輪のツバキを飾ったり、手軽に作りやすいスワッグをお正月風にアレンジしたり、アイデア次第ですてきなお正月を迎える準備をすることができます。
Garden Storyのこちらの記事もチェック!
小さな庭と花暮らし「新年の迎え花」
瑞々しく生気に満ちた植物は、新しい年の始まりにふさわしい、清々しい空気を家にもたらしてくれます。いつもより少し改まったハレの日に、よい年になりますようにと願いを込めながら花をしつらえ、心新たにお正月を迎えてみてはいかがでしょうか?
「Garden Story」には、日々を彩る花や植物の育て方、初心者から通まで楽しめるガーデニング情報がたくさん掲載されています。ぜひそちらもチェックしてみてくださいね。