目次
経営体育成強化資金は3種類
経営体育成強化資金には、以下の3種類があり、それぞれ目的や資金使途が異なります。1. 前向き投資資金:農地の取得や施設や機械の設備投資など
2. 償還負担軽減資金(再建整備資金):農地の取得や設備投資などにより生じた負債の整理
3. 償還負担軽減資金(償還円滑化資金):既往借入金などの負債など
前向き投資資金
前向き投資資金とは、農業経営の改善のために必要な長期資金です。資金使途は以下の通りです。集落営農組織の場合は、長期運転資金にも活用できます。
使いみち | 具体例 |
農地など | 農地の取得、改良、造成 |
施設・機械 | 農産物の生産、流通、加工、販売などに必要な施設・機械 |
家畜・果樹など | 購入費、新植・改植費用、育成費 |
利用料の一括支払い | 農地の利用権を取得する場合における権利金などの一括支払い |
償還負担軽減資金
償還負担軽減資金とは、借入金などの返済による負担の軽減を図るために必要な長期資金です。再建整備のための資金と、償還円滑化のための資金に分かれます。再建整備資金
再建整備資金は、農地等の取得・改良・造成、また農業経営に必要な資材・施設などの取得や設置に生じた負債の整理のための資金が対象になります。つまり、制度資金以外の負債整理資金に利用できます。償還円滑化資金
償還円滑化資金は、既往借入金などの負債(制度資金、土地改良事業負担金など)に係る支払いの負担を軽減するために、経営改善計画期間中の当該負債の支払いに必要な資金が対象になります。つまり、制度資金の負債整理資金に利用できます。経営体育成強化資金の基本要綱|無担保・無保証人で最大1億5,000万円借入可能
経営体育成強化資金は、実質無担保、無保証人で借入ができる資金です。また、認定農業者でなくても条件に合えば借入が可能で、個人でも最大で1億5,000万円まで借入ができます。経営体育成強化資金を利用できる人
農業を営む個人、法人・団体で、経営改善資金計画または経営改善計画を融資機関に提出した人であれば借入できます。具体的には、以下の通りです。・主業農業者
・市町村から青年等就農計画の認定を受けた認定新規就農者
・集落営農組織
・農業を営む任意団体など
返済期間は最長25年
返済期間は25年以内で、そのうち据置期間は3年以内です。ただし、果樹の新植などの場合は据置期間は10年以内です。借入金利(年)
年利は0.20%です。(令和2年6月18日現在)ただし、利子助成により、貸付当初5年間は実質無利子での融資を受けることができます。
担保・保証人
経営体育成強化資金は、実質無担保・無保証人での融資を受けることが可能です。借入限度額
借入限度額は、1〜3の範囲内でかつ前向き投資資金と償却負担軽減資金の合計額が、個人の場合は1億5,000万円、法人や団体の場合は5億円の範囲内です。1. 前向き投資資金
借入限度額は、貸付を受ける人の負担額の80%2. 再建整備資金
個人の場合は1,000万円(特認1,750万円、特定2,500万円)、法人の場合は4,000万円3. 償還円滑化資金
経営改善計画期間中の5年間(特認の場合10年間)において、支払われる既往借入金などに係る負債の各年の支払金の合計額に相当する額企業の農業参入にも活用できる
一般企業が新たに農業に参入する場合に、農業用施設や機械を導入しなければいけません。それらの初期投資に対しても、経営体育成強化資金を利用できます。利用できる企業
農業を営む法人であることが利用条件です。それに加えて以下の要件を満たすことが必要です。・農業経営を開始してから、決算期を2期終えていないこと
・5年以内に農業経営改善計画を市町村に提出し、認定農業者となる計画をしていること
・経営改善資金計画について特別融資制度推進会議(認定農業者が経営改善資金計画に対し、収支計画の達成可能性や市町村の農業施策との整合性等について審査を行う)の認定を受けていること
新型コロナウイルス感染症対策としても|5年間は実質無利子
新型コロナウイルス感染症に伴い、新しい販路の構築や、設備投資により利益の拡大を図る場合などに利用できます。また、資金繰りや返済に困難が生じた場合にも、経営体育成強化資金を活用できます。当面の資金繰りにお困りの方
新型コロナウイルス感染症により、販売額の減少などで当面の資金繰りにお困りの方は、5年間は実質無利子で借入できます。また、実質無担保で借入が可能です。