そこで今回は、なつめの栄養や効果とドライなつめの作り方、なつめを使った簡単・養生ごはんについてお伝えします。
なつめの栄養と効果
なつめの栄養
なつめには、カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄・葉酸・食物繊維が豊富に含まれています。ほのかな甘さがあるので、おやつや間食にもぴったりの果物です。主な産地は中国から西アジアにかけてですが、一昔前までは庭先でなつめを育てる家庭もあり、子どものおやつにもよく利用されていたそうです。なつめとデーツの違い
よく間違われる食材として「デーツ(別名:なつめやし)」があり、こちらは主にイランなどの中東で栽培されています。見た目も似ていますが、なつめは「クロウメモドキ科」、デーツは「ヤシ科」であり、種類が異なります。
なつめの効能|薬膳料理や漢方薬にも使われる
中国には「なつめを毎日3個食べると年を取らない」という言い伝えがあります。中国や韓国などでは、なつめの栄養は人々に広く認められ、美と健康を保つのに欠かせない食材として古くから重宝されてきました。韓国料理「参鶏湯(サムゲタン)」は、鶏肉やもち米などと一緒になつめを煮込んだスープです。現地では産後や病後など、疲れた身体をいたわる養生食としてもよく食べられています。また、なつめを乾燥させたものは生薬名では「大棗(タイソウ)」と呼ばれ、漢方薬としても使われています。強壮・補血・利尿などの働きが期待できるといわれています。
なつめは妊婦が食べても大丈夫?
葉酸や鉄分が豊富に含まれるなつめは、妊娠中の方も食べられます。市販品のなつめは中国産が多いですが、なかには国産や、栽培期間中は農薬不使用のものもあります。味や大きさなども種類によって異なるので、よく確認して選ぶのがおすすめです。かくいう私自身も産前から産後まで、ほぼ毎日のようになつめを食べて過ごしました。妊娠中・授乳中はお腹が空くものですが、手軽に食べられて栄養たっぷりのなつめは、間食にもぴったり。最近は、出産祝いとしてなつめをプレゼントする方も増えているようです。
なつめはドライフルーツ向きの果実
ドライなつめの作り方(乾燥の方法)
「天日で干すだけ」という通常のドライフルーツの作り方とは違って、ドライなつめの場合は、途中まで乾燥させた後に「蒸す」という工程が必要です。こうすることで、なつめの甘味を引き出すことができます。〈材料〉
・なつめ(ザルに並べられる量)
作り方
1.なつめは洗って、水気をよくふき取っておく。2.1のなつめをザルなどに重ならないように並べて、天日で1週間程度干す。夜間や雨などの日は室内に取り込む。
3.赤褐色に変化して半分ほど乾いてきたら、せいろなどで15~20分蒸す。
4.蒸したなつめを再びザルに並べて、天日で数日間干す。水分が飛んで乾燥すれば、できあがり。
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〈材料〉
・ドライなつめ(オーブンの天板に並べられる量)
作り方
1.ドライなつめの種を取り、同じくらいの厚さにスライスする。2.1のドライなつめをオーブンの天板に並べて、焦げないように注意しながら、100℃で30分程度焼く。
ポイント
できるだけ同じ厚さにそろえて切ると、乾くスピードも一定になり手順もスムーズです。ドライなつめが用意できたら、まずは「ナツメ茶」!
ドライなつめは、市販品もあります。自然食品店や大きなスーパーの中華食材コーナー、漢方薬局、インターネット通販などでも購入できるので、気になる方はぜひ探してみてくださいね。
ナツメ茶の作り方
それではナツメ茶を作ってみましょう。作り方としては「ドライなつめを(切らずに)丸ごと使って、1時間程度煮出す」方法や「煮込んだドライなつめを裏ごしし、再び煮詰めて作る」方法などもありますが、今回は短時間で気軽に作れるレシピをご紹介します。〈材料〉2人分
・ドライなつめ 6~8個(約50g)
・水 500㏄
作り方
1.ドライなつめは種を取り、粗く刻む。2.鍋にドライなつめと水を入れて、火にかける。沸騰したら弱火にして約15分煮出せば、できあがり(煮出した後のなつめも一緒に食べられますが、お好みで濾してもOK)。
ポイント
・ドライなつめを刻んでから煮出すことで、短時間でもなつめの味や香りを引き出すことができます。・お好みで、生姜やシナモンなどと一緒に煮出したり、仕上げにクコの実やはちみつを加えたりするのもおすすめです。
ドライなつめを使った、簡単・養生ごはん
ドライなつめは、お茶や甘味としてだけでなく、料理にも使うことができます。なつめを使うと料理に甘味とコクが加わり、ぐっと奥深い味わいになります。まずは普段の料理に、少量加えることから試してみてくださいね。スープや鍋物に
カレーや煮込み料理に
おこわや炊き込みごはんに
なつめの効果で、健やかな毎日を
かくいう私自身も、なつめのある暮らしに憧れて、昨年春に自宅の小庭になつめを植えました。収穫はもう少し先になりそうですが、元気に育っているなつめの姿を眺めながら、この記事を書いています。ぜひ皆さんも、なつめを自分で育てて、いろんな食べ方で味わってみてはいかがでしょうか。
先人の知恵が詰まったなつめのパワーをいただきながら、この先も健やかに過ごせますように。